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VRバイターが往く!~近未来の生存戦略~  作者: ヨロヌ


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【Fatum Essence Online】お宝(パズル)


1章はフィールド探索。2章はミッション形式。

そして、3章は戦略シミュレーション形式になっていた。

後々、判明したのだが、プレイヤーが自陣営に選択できる海賊キャラを選択できたみたい。

つまり、最初で陣営キャラのリセマラをするべきだったという……でも、もう進めちゃったから仕方ない!


戦略シミュレーション形式でマップ移動するのは、簡易探索っぽさはあったけど、色々とイベントが発生するぞ。

嵐に見舞われたり、モンスターを討伐したり、お宝をゲットしたり。

早速、適当にマップを進めてお宝ゲット。

その際にイベントが入った。


メアリーが困ったような表情をする。


「このお宝……主催者が用意してくれたんだけど、簡単に開けられないようになってるんだよね」


よくみると、おや。

これは『スライドパズル』ではないか!

アンの方も難しい表情を浮かべた。


「こういうの私達には解けなくて~……だから、回収するだけで中身を開けないまま放置しちゃってるのよね~」


何ですと!?

ありがとう! 私の為の謎解きパズルゲーの開始じゃああああ!!

一先ず、さっきゲットした『スライドパズル』の宝箱を。

どうやら制限時間内に解除しないと駄目らしい。あまいな……伊達にパズルゲーで暇を潰していた私ではないぞ!


見えた! さささっとスライドさせて、解除に成功!!

おお、中から『お肉』が!

アンとメアリーも驚きと喜びをリアクションしてくれていた。


ちなみに『お肉』は船員の士気と体力を回復させるものとなっている。

宝箱からは他にも、船そのものを強化する装備や、天候を操作する特殊アイテム、相手の動きを封じる罠的ものなど……

色々ゲットできるのだが、宝箱のパズルを解除する度に戦略シミュレーション上では1ターン消費してしまうようで。

他の海賊たちは、ガンガンと動き回り続けていた。


そんな中……船員が声を上げた。


「船長! 向こうから砲撃が!!」


遂に敵海賊たちがおっぱじめたようだ。

だが、相手は私達ではなく、新たな目標となっているアルゴー船である。

ううむ。しかし……あれでは駄目でしょうに。集団で取り囲んでいる訳ではなく、サシでやり合っているのだ。

アルゴー船からは、魔術と思しき閃光、流星のように降りしきる矢が放たれて。

最後は激しい衝撃波と共に、相手の船が真っ二つに!


その最後の衝撃こそ、腕も足もバッキバキな筋肉質の巨女『ヘラクレス』が着地したものだ。

着地しただけで、アレなのだ。

並の船では太刀打ちできないだろう。

アンが嘆くように語った。


「も~! やんなっちゃうわよ、あのデカ女ァ!! みずのが宝箱を開けてくれるから、それで船を強化していきましょ。じゃないと耐えられないわ!」


メアリは冷静ながらも、浮かない表情で言う。


「それ以上に、火力が足りてない。やっぱり他の連中と手を組まないと無理」


ほんとソレ。

遠目で見ても近距離のヘラクレスだけで十分脅威なのに、遠距離攻撃してくる奴らがいるんだもの!

てか、ヘラクレスとタイマンして足止めするの……私なのか?

流石に、と思ったけど、他の有名海賊でも相手できる人なんか、いないだろうし。

ツクヨミ(私)しかおらんのか……?

すると、珍しくツクヨミが声を荒げた。


「海賊の娘たち。上から何かが降って来る。衝撃に備えるよう船員に指示しろ」


メアリが「え?デカ女がこっちに??」と聞き返すと、ツクヨミは「別のものだ!」と怒声混じりに返事をする。

頭上……上空を見上げると、彼方より何か赤い……熱の塊が降って来る!?

隕石か!? 一体どういうこと!?

恐らく、歪の設定的に『オケアノス』に引き寄せられた存在なのだろうが……


アンとメアリが指示をし、兎たちも持ち場で動き、ツクヨミが何等かの力を行使すると風もないのに波が押し寄せ、船が急旋回し、アルゴー船からさらに遠ざかる。

まさかの展開にアンは叫ぶ。


「えー!? 海を動かせるなら早くやって欲しかったんだけどー!!!」


「我が弟が放棄し押し付けられた権威を行使しているだけだ。頼れる程ではない」


おう……なんか、お疲れ様っす!

ツクヨミの能力で隕石?の直撃から逃れられるとは言え、ここから隕石による大津波が襲ってくる。

そう身構えていたが、実際は――


隕石が着水すると同時に生じた大波が、形取られるように氷結するというものだった。

辺り一面の海水が、どういう訳か凍っていく。

その冷たさは氷点下を下回る勢いだろう。

吐く息ですら白くキラキラした氷の粒が生じるのだ!


メアリとアンも困惑を隠せない。

こんなものは、海賊要素の欠片もないのだから。……ギリシャ神話要素もないけど!

しかし、一体これは何が起こっている? 熱を持っていた筈の隕石が着水して、凍ってしまうとは?


「な、なんだありゃ!? 亡霊か!?」


「信じられねぇ……こんな寒いってのに、炎の化物が飛んでるぞ!」


船員たちが口々に語る通り、謎の敵モンスター?らしき存在は青緑色の炎そのもの。

形らしい形を形成して、氷結により身動きが取れない船に向かってくる。

まずは、こいつらを倒さなければならないようだ!

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