【まほ★まほ】糞イベ
ログイン二十七日目。
本日は『まほ★まほ』のイベントじゃあ!
てな訳で、早速ログインして楽しむぞ。
ログインすると、いつもと違うBGMが流れている。
どうやらイベント期間中の特殊BGMのようだ。
ふむふむ、悪くないぞ。
前前から分かっていたけど、BGMやグラフィック、アイテムなどのデザインクオリティは高い。
こういう繊細な部分は製作者の拘りを感じる。
今日から新規登録も受付開始しているが……目立った様子はないな。
変なメッセージがリクエストボックスに入っている訳でもない。
しばらく様子見するとして、早速メニュー画面からイベントを開始しようじゃないか!
少しのダウンロードが行われた後、導入ムービーが開始。
魔法列車に乗り込んでいるプレイヤー(私)が『フルーツ狩り』のチラシを頼りに『琥珀の宿場町』で降りた。
町の中は、以前ワープの泉を登録しに来た時よりもNPCたちが賑わっている光景が。
クエストの指示で『フルーツ農園にいこう!』と表示された。
マップにある通り、真っ直ぐ農園へ向かうと様子がおかしい。
なんと、フルーツが全く実っていないどころか、誰かに盗まれたような有り様だった!
まぁ、でしょうね。
この手のイベントって、こういうトラブルが発生して、プレイヤーが解決する、的なお膳立てがされているっていうか。うん。
ここまでは正直テンプレで問題なかったんだけど……
私と同じく『フルーツ狩り』に来ていたであろう数名のNPCたちがおり、この惨状に頭を抱えた。
「ええええ~~~~~っ!!?」
「フルーツがどこにもない~~~~~~っ!!!」
「そんなーーーーーっ!!」
「どうなってるんだ!? 俺達はフルーツを食べに来たってのに!」
自棄に騒がしいNPCたちに、農園の管理者らしきNPCが現れ、説明を始めた。
「申し訳ない! 実は何者かにフルーツが盗まれてしまったのだ!!」
「ええ~~~~ッ!?」
「盗まれたぁ~~~~っ!!?」
「一体誰の仕業なんだ!!!」
…………。
「犯人が何者かは分からない。ただ、犯人の狙いは恐らく『ジュエルフルーツ』だ」
「『ジュエルフルーツ』って?」
「なんだそれ、聞いたことねぇぞ。うめぇのかぁ?」
「宝石みたいに綺麗なフルーツ!? 私も欲しいぃ~~~~!」
………………………………。
「この時期になるとランダムにフルーツに魔力が集い。他のフルーツとは異なる輝きを放つのだ。それが『ジュエルフルーツ』! それを食べた者は新たな魔法を得る事ができるのだ」
「うおおおおっ! 新しい魔法!?」
「すんげぇ~~~~~~!!」
「きゃあ~~~~! 私も食べて新しい魔法手に入れた~~~~い!!」
ちょ、ちょっと待って。
もう勘弁して、見てらんない。思わずイベントスキップ。
あの騒がしいNPCたちは「早く行こうぜ!」と私を促し、恐らくフルーツを盗んだ犯人を捕まえる為に同行するのだろう。
嫌なんじゃが。
いやいや、流石におかしい。
何あのノリ? 子供受け狙ってやってんの??
子供でもあのノリを楽しめるか怪しいけど?
ああ、私は大人になってしまったから、子供の気持ちは分からないからね~~……
んな訳あるか。
イベント内容、全部スキップしてよろしい?
私は問答無用にイベントをスキップしまくるけど、あの謎ノリオーバーリアクションのNPCたちは金魚の糞が如くついてくる訳で……
一々「わあああああああ」だの「きゃあああああああ」だの「え~~~~~~!!?」だの、うるさい。やかましい。耳障り。
マジでうるさい(重要なことなので二回言いました)。
このイベント、酷いノリのNPCのせいで全部台無し。
頑張りましたよ。
頑張ってこの苦行を乗り越えましたよ!
イベントスキップしまくっても大体想像できる内容だったし、最後のボスを倒す為にプレイヤーが『ジュエルフルーツ』を手に入れて、その力で倒す的なものでした。
その際、フルーツを好きに選択できる。
私は『メロン』を選んだ。
黄緑色の網目状のボールを放ったり、網目で攻撃を捕らえたり、黄緑の線を自在に操作するなど、結構汎用性はありそう。
……疲れた。
VRMMOのイベントやってて初めてだよ、こんな拷問系イベントシナリオ。
これ通常イベント考えた人とは違う人……だよね?
だって、普段はもっと知的な感じの、それでいて分かりやすい、子供にも理解できる感じだったよ。
IQがガクっと下がり過ぎだって……
てか、フルーツを沢山食べるって予告しておいて、フルーツを食べられたのメロン1個だけじゃん。
イベント詐欺じゃん。
初めて私はイベント終了後のアンケートに不評価をブッ込んだ。
駄目だししまくった。
あまりの酷さに、フレンドのぶるーはわいさんにも「今回のイベントストーリー糞過ぎ」とメッセージを送ったら、彼女も同意してくれたので、私の感覚は一般的だったんだと安心した。
イベントのシナリオライター格差が酷い時、あると思います




