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VRバイターが往く!~近未来の生存戦略~  作者: ヨロヌ


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【ヴァルフェリアオンライン】センス


『紅ノ荒野』は住宅密集地どころではなく、家の上に家を建てた事で疑似的なタワーマンションと化した、集合都市のような造形だった。

里の出入り口から遠目で見ただけでもガタイのいい赤鬼が、普通にウロウロしているのが分かる。

あと、どことなく()()()()が……!


くそぉ~~~~! 激辛料理、く、食いてぇ~~~!!

勝負を挑まれて()()()激辛飯食べたいよぉ!

でも、我慢! 今は我慢!!


「アンタ、山脈通ってきたのかい? よく無事だったね。それとも、土鼠から必死に逃げてここまで来た?」


ちょっと珍しく、番をしているのが女性の赤鬼の人だった。

ここでは、男尊女卑はなくて女性もエネルギッシュに働ける環境なのかな?

そういう意味では、いい場所に感じる。

はぁ、害悪共が何もしなければ、住んでも良さそうなのに……


「ああ、はい。モルモー達から逃げつつ、彼らが倒しまくったモンスターのドロップアイテム回収しまくって、売り捌いたら、けっこ~稼げましたよ!」


「…………そう」


反応薄!?

い、いや、他の鬼相手だと、こんな反応なんだろう。

さあ、瑠璃さん。つきましたよ~……寝てますね。しばらくは、そっとしておきましょうか。


走って切り抜けたいけど密集地だから、できない訳で……

普通に神社を目指して進んでいたら、あるわあるわ、激辛料理店の数々! キムチの販売店!!

激辛に味付けした様々な食材たち!

香辛料専門店!

すっげ~誘惑してくる! 食べたくなっちゃうよぉおぉ~~~~!!


と思ったら、カンカンと鐘の音が響き渡る。

向こう側から怒号や歓声がわいわい上がっていた。例の激辛勝負が開始した合図である。

私も我に返って、まずは神社を目指す。


誰もいないな~。赤鬼の神社の境内らしく柱が朱色という特徴的な建造をしていた。

御朱印を貰って境内の探索を行う。


事前に暗号の解読は済んである。

神社本殿の壁にある謎の模様……これは()()()

鏡に映すと旧字体の鬼人語で色々書かれるのが判明するのだ。

そのヒントなのか、赤鬼の鬼神像は手鏡を持っている。


で、鏡文字に何が記されているかというと、薬品のレシピ。

調合の手順とか、必要な素材が記されている。

赤鬼なのに、何故?と思うだろう。私も思っている。

素材は、例のモルモーたちのお陰で採取できた素材を元に余裕で完成できるのだが……


なんじゃろこれ?

ポーションやエーテルのような特定の薬品名は表示されないし……少なくとも飲料系ではない。

結構、いい香りがする。化粧水みたいな……?


効果はさておき、完成させた液体薬品を境内の裏手に分かりやすい注ぎ口のある台座に注ぐ。

……何かの仕掛けが作動。

台座の中から赤の淡い光が溢れ、台座の中からアイテムが現れた。


『我が身を磨きし者』

 取得条件 『紅ノ荒野』の境内にある暗号を解き明かす。

 効果 『紅ノ手鏡』獲得


『紅ノ手鏡』

耐久度:-

 特殊効果:使用時、一定時間『赤鬼流』の攻撃補正値上昇。

 鏡に映した対象の美しさを計測する。

 このアイテムは特別な記念品の為、盗まれる事や消耗する事はありません。


……あー? 薄々まさかなぁ、と思ってたらマジだった。

美しさ……大罪スキル『色欲』関係で使用できそうかな……ううむ。

試しに自分を映してみると


『美的感覚:-50 服装感覚:-150 肉体感覚:30 栄養管理:120』


辛辣なマイナス!!!

ちょい細かいぞ。

病気にならないよう清潔度は保っているのにコレか……

肉体感覚は体を動かすといいのかな、栄養管理は色々食べているから高め?

服装……服装は、うん、お察ししてクレメンス……攻略重視で記念衣装ばっかり着てるせいで……


「にゃ~ん」


おっと、瑠璃さんがお目覚めのようだ。『ペットボックス』から出してあげよう。

あ、そうだ。

試しに手鏡で瑠璃さんを映してみる。


『美的感覚:50 服装感覚:- 肉体感覚:150 栄養管理:120』


おお! 流石は瑠璃さん!!

美しい肉体美に似合う評価ですぞ! ……そう考えると服装、ね。

折角だし、次に向かう『銀ノ峰』でお洒落な普段着でも買っておこうっと。


瑠璃さんを抱きかかえ、神社を後にするところで1人のガタイのいい赤鬼の男性とすれ違う。

つい癖で適当に会釈をしてしまったが、ふと気になったので振り返ると

あれ……プレイヤーの人だ?

そもそも、意外とプレイヤーの人も里内で見かけない。結構いそうなイメージあったのに……

この辺にいないだけ?

すれ違った赤鬼のプレイヤーの人も、緑鬼の私が珍しいのか振り返っていた。


「なーん」


ああ、はい。すみません。今は先を急ぎましょう!

瑠璃さんの呼びかけに我に返った私は、そそくさと時空間通路へ向かうのだった。

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