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VRバイターが往く!~近未来の生存戦略~  作者: ヨロヌ


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【ヴァルフェリアオンライン】推し活


『紫鬼流』の試験会場にも女性プレイヤーが結構集っている……が、試験そのものを受ける人はいない模様。

遠距離ブロックを行ってから、周囲に監視するプレイヤーがいないかも確認。

晒しマニアの奴は、こういう現場で待ち伏せする事が多いもんだ。

実際、絡まれた経験だってあるからね。


「瑠璃さん、ここでお待ち下さい」


「なおん」


闇の魔石が豊富の出土する魔石鉱山の一角が試験会場だ。

派手なオタク文化めいた都市部とは雰囲気は一変する。

ここは、重力や空間が不安定で、それを上手く駆使し理解する事が試験の合格ポイントだ。


『まほ★まほ』の『紫水(しすい)の狭間』と同じだな。

あそこに慣れる練習ステージとして頑張ってみよう。

『まほ★まほ』と操作感覚は異なるが、操作のしにくさに共通点はある。

私は基本武器は使っていなかったが、今回は体の支えとして『棍棒』を装備し、『棍棒』を軸にして闇の魔素で歪んだ空間を攻略し、制限時間内にゴールまで到着してみせた。


『紫鬼流プレイヤー』

 取得条件 紫鬼流初段試験を合格する。

 効果 『紫鬼流道着』獲得


『紫鬼流エキスパート』

 取得条件 紫鬼流名人試験を合格する。

 効果 DEX+20


『紫鬼流マスター』

 取得条件 紫鬼流達人試験を合格する。

 効果 DEX+20


『紫鬼流レジェンド』

 取得条件 紫鬼流師範試験を合格する。

 効果 DEX+50


最後に冒険者ギルドのギルドマスター試験!

周囲のプレイヤーを総ブロックして、いざ往かん! なんだが……


『推しのコンサートの為、本日不在』

『試験会場は解放しているのでご自由に行ってください』


ここもかよぉ!?

通常通りの試験内容だけど、試験官はいなくて、実技は適当にモンスターとの戦闘を行うものだった。

試験は映像で記録されて、後日に試験官が合格の是非を確認するらしい。

なんだか……ノーブル以上に自由過ぎんだろ。

その分、時短で試験を終わらせられたし、楽だったけどね。


私は事前に『紫ノ硝子筆』でマーキングしておいた時空間通路へ瞬間移動。

さて、向かうのは――そうだね。『風ノ賭博』だね。

え? なんでって……そら師範の試験を受ける為に決まってるじゃないか。


相変わらず過疎ってる試験会場に訪れた私。

あの師範の女性も、いつも通り健在だった。

瑠璃さんが「にゃーん」と挨拶したのに反応し、彼女は驚く。


「あ、アンタ。え、スゴ……他の試験も合格しまくってるじゃない」


「ステータスも伸びたので師範の試験を受けに来ましたよ」


「……ま。貴方なら余裕かもね」


そんなお墨付きを貰ったお陰か『紫鬼流』の称号補正も相まって、余裕で合格できた。


『緑鬼流レジェンド』

 取得条件 緑鬼流師範試験を合格する。

 効果 AGI+50


「もう行っちゃうのね」


「短い間ですがお世話になりました。それに、近頃情勢が荒れている気がするので、御朱印巡りなど済ませておこうかと」


「もしかしたら、御上(おかみ)が神族を派遣するかもだし、試験は後回してでいいから御朱印の方を優先させた方がいいわよ」


「ああ、紫鬼の皆さんも話題にしてましたね。神族の派遣があるかもって」


「神族が派遣されると『神隠し』が発生するの。その『神隠し』から逃れる為に、未成年者を神社で匿う事になるから、立ち入りはできなくなるの。あと『神隠し』に遭った奴の血縁者は禊の儀式をするから、それで神社が閉鎖されんの」


え? ええ?? 何それ知らん。

困惑しながら「教えてくださり、ありがとうございます」とお礼を告げる私。

最後に東の神社で暗号の実践を行ってみる。

暗号通りの銭を境内にある輪へ投げ銭すると――そこから緑の淡い光と共に、ヒラヒラした布が?

布……? 羽衣、か?


『運を知力で掴みし者』

 取得条件 『風ノ賭博』の境内にある暗号を解き明かす。

 効果 『緑ノ羽衣』獲得


『緑ノ羽衣』

防御:100 耐久度:-

 特殊効果:『緑鬼流』の魔素補正値上昇。

 装備時『緑鬼流』を発動させると滞空が安定する。

 (滞空時間や周囲の環境により消費MPが変動)

 このアイテムは特別な記念品の為、盗まれる事や消耗する事はありません。


ええ!? すごっ!

試しに装備して、いつもの飛行術をやってみるけど、安定するどころか楽になってる!

な、なんかここまで当たり多くない? 青鬼の奴だけハズレなんじゃが??

それに『汝ノ国』に渡航するにも便利過ぎる!


瑠璃さんを『ペットボックス』に入れて、いざ山脈峠の開始!

番をしているギャンブル世界の住人っぽい緑鬼が、ちょっとばかり驚いた顔をされている。


「お……おお……? あんさん……久しぶりじゃないか……」


「ああ、お久しぶりです。『紅ノ荒野』に寄ってからまた戻ってきます」


「さ、山脈に行くのかい……!? 気を付けるんだぞ……!」


珍しく心配されて「分かりました!」と私は彼に別れを告げ、里の外へ飛び出した。

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