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VRバイターが往く!~近未来の生存戦略~  作者: ヨロヌ


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【ヴァルフェリアオンライン】暗号


「お! アンタ、俺と勝負――」


「見ての通り、別の勝負中なので」


「なぁお前。俺と」


「別の勝負中なので」


「そこのアンタ……あ、別の勝負中?」


「はい。すみません」


本当にエンカウント酷いな~。こりゃ嫌になっちゃうわ。

休憩スペースがないかと色々探ってみたけど、やはりどこに居てもNPCが目を光らせて、話しかける。

勝負したがるタチだが、勝負中となると意外に手を引いてくれる。


別口の詐欺を引っ掛けようとする輩がいるか警戒したけど、それはなさそう。

まぁ、私から盗る価値あるもんがないと見做されているんだろうな。

プレイヤーはほとんどいないけど、NPCの絡みが厄介で仕事は出来そうにないのう。


スタミナを消耗しないように移動しつつ、無料ガチャで出た武器を売ったりしておいて。

まずは冒険者ギルドに到着。

試験内容はジェルヴェーズ王国とほぼ同じ。

エリザベートさんは味に拘るなとマイナス評価を下したけど、ここでは普通に1級の称号で合格。


『風ノ賭博ギルドマスター1級』

 取得条件 風ノ賭博冒険者ギルドの試験で、規定ラインを5つクリア

 効果 全てのステータスに+50の補正値。


次は『緑鬼流』の試験。

人気が一切なく寂れた雰囲気の道場に、退屈そうな女性緑オーガがぽつんといる。


「すみません。試験を受けに来ました」


「はぁ? 試験?? ………え、う嘘? 試験……受けに来たの? 今時!?」


「はい。なんかすみません」


一応、『緑鬼流』の師範的な子だよね?

彼女は誰も来ないと高を括っていたのか、慌てて準備を始めていた。


『緑鬼流』の試験は、以前説明したプラスとマイナスの粒子を操作し、時間内の仕掛けを解き明かすダンジョン形式の内容となっている。

初段、名人、達人、師範の順番で難易度は上昇。

基礎内容を叩き込む感覚で、順番に合格していくぞ。


『緑鬼流プレイヤー』

 取得条件 緑鬼流初段試験を合格する。

 効果 『緑鬼流道着』獲得


『緑鬼流エキスパート』

 取得条件 緑鬼流名人試験を合格する。

 効果 INT+20


『緑鬼流マスター』

 取得条件 緑鬼流達人試験を合格する。

 効果 DEX+20


「じゃあ、ここで終わりにします」


「師範の試験受けないの!?」


「称号のステータス補正で多少誤魔化しましたが、今の私のレベルでは師範の試験はクリアできませんので」


「うう、それはそうなんだけどぉ……」


腑に落ちない女性師範に対し、申し訳なく別れを告げる私。暇だったら師範試験受けにいくよ。

早速『緑鬼流道着』に着替える。

流石に衣服無頓着でも、ボロ服のままは嫌なのだ。これにてボロ服卒業!

マーケット称号で入手した『アルバイトの服』とで着回しするつもりである。


最後は神社!

残り4つはステータス補正を生かして飛行術で巡る。

はぁ~、最後の一つに向かう頃には日が暮れてしまった。

ちかれたよ~。


『風ノ賭博』の神社は様々な運を司る神を祀っている。

中でも金運の神であり、緑鬼の始祖と呼ばれる鬼神を祀る『黄金神社』が一番人気。

賭け事をする際、お参りする人が結構いるそうな。


御朱印を貰って、ログアウトしようと思った矢先だった。

敷地内に『石碑』が建てられてて、内容は勿論鬼人語で書かれており


『物事の流れゆくままに身を委ねよ。さすれば道は開かん』


という内容。

私が気になったのは石碑の周りにある奇妙な()()

ぶっちゃけると、某探偵小説に登場する『暗号』っぽさがあったのだ。

確か……神社内にこれと似たものがあったような? ガチで『暗号』か?? 他の神社にあったかも?


……ちょっと確かめよ。

再度、神社を巡り巡って、石碑を確認し、念の為に神社内部も確認したりと忙しい動きを行う私。

暗号が解き明かしたいだけで、これで見つかる隠し要素とか、どうでもいいですわ。


さて。

絵柄の法則性を確認しようかなー……おっと?


巡り巡って、最後に確認した神社の近くに、あの牧場があったのだ。

……少し気になる事があるので、足を運んでみる。

馬小屋には例の『残桜』と、緑オーガの女性がいた。一緒にいた白鬼の男性がいなくなっているけど……


「誰? 残桜には近づかないで貰える?? 変な白鬼に絡まれて気が粗ぶってるの」


ええ……? どういうこと?

てっきり一緒に馬の世話している人かと思ってたけど、あの白鬼。

私は「すみません、ちょっと気になって」と残桜の様子を伺った。


残桜は真っ直ぐ私を見つめている。

とても気が粗ぶっているとは思えない様子で、非常に落ち着いているようだった。

あー、うん……やっぱりかぁ。


私がもう少し近づいてみると、小屋から顔を出した残桜がふんふんと鼻を鳴らしながら私に対し顔を近づける。


「はいはい。どうしたの。何も持ってないよ」


優しく撫でてやると満足したように、残桜は小屋の奥へ戻っていった。

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