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VRバイターが往く!~近未来の生存戦略~  作者: ヨロヌ


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【ヴァルフェリアオンライン】ギルドマスター


ログイン十九日目。

外は、すっかり晴れて……いない。

前回より酷い暴風雨ではないけれど、雨が降り続いている模様。

折角、本日から博覧会が開催されるのに、この天気じゃあ、ね。


結局、納得できるカラーイラストは完成できなかった。

博覧会限定の番外編の販売と、いつものちょいカラー付けの描き下ろしイラストを展示、販売する感じに。

……あっ。博覧会には行かないのかって?

行かないよ。

理由は三つ。


一つ目は、やっぱり自分の展示物が気になっちゃうから。誰かが噂してたら気が気でならない。

折角の物販を楽しむ余裕がなくなるのだ。


二つ目は、トラブル回避である。

博覧会のルールで、向こうでトラブルを起こした場合、出展を取り下げられるという。

つまり、私がトラブルでいなくなった=晴明の漫画が取り下げ、ってなったら特定されるやん!

自意識過剰だけど……


やはり、三つ目の理由が原因で、参加しとうないのが一番な心情。


三つ目は、タクが博覧会に参加するから。

案の定、タクのブックマークの行方が消えている。別空間の博覧会にいるのだ、奴は!

奴がいるだけで、全く楽しめる予感がしない!

私の漫画をネタに絡まれたら最悪!!


……てな訳で不参加確定!

そして、これはある意味チャンス!

私は天気模様が荒れていないのを確認し『後輪』を一つ外へ飛ばした。


『後輪』で国全体の様子も伺っておこう。

畑は……ほとんどいなくなっている。私とちよこさん以外の畑は、どこにもない。

町にはプレイヤーがちらほら存在している。

他種族の国家が気に入らないプレイヤーは、別アカを使い回して、観光客として疑似的に居座り続けるらしい。


それも一つの手段であるし、裏技のようなもの。

否定はしないよ。

自分の住み心地いい場所を見つけるのが、VRMMOでの必須事項のようなものだからね。


目的地である冒険者ギルドへ到着。

私は周囲に他プレイヤーがいない事を確認してから、『後輪』を通じて冒険者ギルドの前に足をつける。

そう! タクがいない今うちに、ギルドマスター試験を受けようと考えたのだ。


冒険者ギルドの施設内にいる女性ノーブル『エリザベート』さんに話しかければ試験を受けられる。

ただ、試験には幾つか項目がある。


筆記。調合。査定。清掃。そして、戦闘。


まずは筆記。

説明不要ではあるが、特徴として試験内容は全部異世界語(受ける際に言語は選択可能)。

解答も勿論、異世界語でなければならない。


更に、国別で試験内容は変化し、該当国周辺に出現するモンスターや地形に天候についてから。

大凡の片道の距離を計算する問題まで。

現実の専門職の資格試験みたいな内容と言えば、納得できるほどに本格的である。

逆に言えば、現実的過ぎる。


次に調合。

ポーション、エーテル、エリクサーの基本薬品の作成を行う。

如何に正確かつ手際よく作成できるかがポイントになる。

この三つはマーケット販売用で、何度も調合して、コツは掴んでいるから大丈夫。


ポーションは栄養素だけを分離すれば楽!

なんだけど……分離しすぎると、七色に輝く美しい液体に変化。

ただ、()()すぎる。

薬品系は飲んで効果を発動させる仕様になっているので、無味はきついのだ。


私はポン草の甘味といい具合の渋みを感じさせる緑成分を残し、緑茶っぽく仕上げる。

エーテルの原料、エール草も同じように。こちらは、アイスティー風味に仕上がっているぞ。


問題はエリクサー!

ポン草とエール草の栄養素を上手い割合にしなければ、エリクサーにはならないのだ。

だが、私は手短に済ませる!

かなり強火で沸騰させた鍋にエール草をIN! 30秒さっと茹でたら回収。

次はポン草。こちらは10秒茹でる。


で、鍋の水は一旦捨てて綺麗にしてから、再び、今度はポン草とエール草を両方一度に煮込む。

この一手間で、栄養素が結合しやすくなり、エリクサーの完成が早まる。

魔素反応により水色の液体に変化。

急速に冷やしてエリクサーの完成である!


……私の作業を見守っていたエリザベートさんが変な顔してる。

まぁ、これ正攻法じゃないし。判断に困ってるんだろう。


次! 査定である。

ギルドの報酬について適切な金額を割り出せるか、ギルドの換金を正確にはじき出せるか?

専門知識をある程度、詰め込む必要はあれど、最終的に算数の問題になる訳だ。


その次、清掃だ。

清掃って何やねんと思われるが、冒険者たちの宿泊施設の清掃、及び、食事の提供など設備管理を確かめる項目だ。

どれだけ早く宿泊部屋を整えられるかを確認する。


そして……最後は戦闘。

戦闘技術を精査する手段は国によって様々だが……欠伸をしてエリザベートさんが言う。


「実技試験は私が手合わせする。魔法を使わず武器のみで行う。『後輪』は使うな」


あ、はい。

対人戦とかホント苦手なんだよなぁ……私は模擬武器の中で盾を選択。

NPC相手ではあるが、WFOにて初の対人戦を行う事となった。

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