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第十四話

 最後のエリアの四つ目の中ボスがいる広間に到着していた。

 五尾は、クーちゃんのレベルを確認したが、まだレベルアップしていなかった。通路に出てくる雑魚モンスターはメカメタルクマであり、今のクーちゃんには経験値稼ぎに使えない。

 五尾は、可能であれば、クーちゃんにレベルアップして欲しかったが、今は、このまま中ボス戦に挑むしかなかった。

 クーちゃんと五尾は、広間の中央へ入って行くと、巨大なクマ頭人形が現れた。

 五尾は真っ直ぐ、巨大なクマ頭人形の方へ走って行く。クーちゃんは、巨大なクマ頭人形の動きを様子を見ている。

 五尾の攻撃が命中すると、早速、巨大なクマ頭人形は前足で反撃をしてくるが、五尾はあっさりかわす。クーちゃんは、突進コンボが使える距離を保ちながら、五尾が戦っている方向とは逆の方向へ回り込む。

 しばらくすると、巨大なクマ頭人形は溜めをする。

「雑魚召喚の溜めだ」

 五尾が叫ぶと、クーちゃんは突進コンボを巨大なクマ頭人形に決める。その後、連撃を加える。雑魚モンスターが現れたので、クーちゃんは、巨大なクマ頭人形から離脱し、雑魚の方へ突進コンボを決める。その間五尾はひたすら、巨大なクマ頭人形を攻撃し続けている。

 巨大なクマ頭人形は、立て続けに溜めをする。

「また、雑魚召喚の溜めだ」

「またですか~」

 クーちゃんは、再び巨大なクマ頭人形へ突進コンボを決める。雑魚が現れるとクーちゃんは、再び巨大なクマ頭人形から離脱して、雑魚へ突進コンボを決める。

 気が付くと、巨大なクマ頭人形は再び溜めをしていたが、五尾は何も言わない。ひたすら巨大なクマ頭人形に攻撃している。

 巨大なクマ頭人形は、ジャンプすると上空で向きを変えているのが、クーちゃんには見えた。巨大なクマ頭人形が、両手衝撃波を地面に撃ったが、五尾に向きを合わせていたはずなのに、五尾はそこには居なかった。そして立て続けに巨大なクマ頭人形が向いている方向へ衝撃波を放った時には、五尾は巨大なクマ頭人形の背後にいて攻撃をしていた。


 どうやると、あんな風に動けるんだ!


 巨大なクマ頭人形は、両手で攻撃してくるが、すべて五尾は避けている。

 クーちゃんは、その間に、雑魚を大分片付ける。

 巨大なクマ頭人形は、再び溜めを始める。

「雑魚召喚の溜めだ」

 クーちゃんは、慌てて突進コンボを決めて、連撃をする。

 雑魚は大量に湧いて来たので、クーちゃんはそっちに突進コンボを決める。

 巨大なクマ頭人形は、また溜めを始める。

「ピンクリボン。気を付けろ。何か大技を使うぞ」

 未知の大技を使って来る可能性がある時は、距離を取って、可能であれば、雑魚モンスターを盾にできる位置取りをするように五尾に言われていた。

 近くに雑魚モンスターが三体いたので、そちらに行き、一匹も倒さず、巨大なクマ頭人形から見た場合、影になるように位置取りする。

 すると巨大なクマ頭人形は、その場で独楽のように回転を始める。

 五尾も慌てて雑魚モンスターがいる方へ距離を取る。雑魚は倒さずに一気に駆け抜ける。巨大なクマ頭人形は雑魚モンスターを構わず瞬殺していく。

 これを喰らったら、クーちゃんはもちろん五尾でもまず助からない。

 巨大なクマ頭人形は、回転しながら、五尾を追尾しているようで五尾のいる方向へ進んでいく。五尾は、雑魚がいる辺りを狙って進んでいるようで、次々と巻き込んでいく。

 クーちゃんは自分の傍にいる雑魚を倒しながら、巨大なクマ頭人形の動きを観察している。五尾が上手く誘導しているため、クーちゃんの近くに来る様子もなかった。

 巨大なクマ頭人形は、回転が徐々にゆっくりになり止まると、膝をついて体を揺らしている。五尾はすかさず攻撃へ行く。五尾が、激しい攻撃をしていると、巨大なクマ頭人形は、動きが止まる。

 すると、カンカンカンと言う音がすると、巨大なクマ頭人形が徐々に透明になり、消滅する。それに併せて雑魚モンスターも消滅した。

「なんとか勝てました。俺は全然活躍できませんでしたけど」

「あの、回転追尾攻撃は反則だ。あれは逃げるしか方法がない」

 さすがの五尾でも、疲れた顔をしている。

「少し休憩しましょう」

 クーちゃんも少し心配になって提案する。


 中ボス戦をやっていた広間に出来た安全地帯で、クーちゃんと五尾は休憩していた。

「ところで次はどうするんですか?」

 回復の為、ジッとしているのも暇なので、クーちゃんが聞いた。

「どうやっても開かなった隠し扉が開いているだろ。その先に行く。そこに最後の中ボスがいる」

 五尾が言った。

「さっきの奴であんなに強いのに次の中ボスは、どのぐらい強いんですか?」

「そりゃ、戦ってみないとわからんよ」

 クーちゃんは苦笑いする。

「さっきの巨大なクマ頭人形だったら、どんな攻撃してくるんだろう」

「次の中ボスは、巨大なメカメタルクマの可能性もあるぞ」

 クーちゃんはゲンナリした顔をする。

「アレ、俺の攻撃が殆ど通らないし、そんなのが出てきたら戦えないっすよ」

「あくまでも可能性だ。それに次の中ボスは一回で攻略できると思うな。今回はレベルアップ出来なかったが、次のチャレンジにはピンクリボンも四レベルにレベルアップできるだろう」

「失敗が前提ですか……」

「もちろん。クリアできるのに、ワザと失敗する必要はない。だが、中ボスを攻略する毎に中ボスは強くなってきている。次の中ボスはさっき倒した中ボスより強いはずだ。初見で倒せると思うか?」

 クーちゃんは、苦笑いを浮かべる。

 先ほど倒した中ボスも初見では失敗、二回目も殆ど五尾一人で倒したようなものだ。

 クーちゃんはゴクリと唾を飲む。

「五尾さん一人でなら、倒せますか?」

「なんだ。ここまで来て、自分で持ち主を助けるのを諦めるのか?」

 五尾はガッカリしたような表情をした。

「違いますよ。諦めるもんか」

「俺はピンクリボンが諦めない限り、攻略を手伝うつもりだ。ま、俺一人で良いから攻略して欲しいと言うのなら、俺自身の経験値稼ぎの為に、やるけどな」

「俺が、愛奈ちゃんを助けるんです」

「なら、失敗を恐れずにチャレンジするんだ。俺は、根性論で言っているんじゃない。敵の手の内を少しずつ知り、対策を打って行く。今回のチャレンジでダメでも、次に繋げるんだ」

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