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第十話

 クーちゃんと五尾は、五つ目のエリアに入って直ぐの場所にある安全地帯に居た。

 クーちゃんは、メカメタルクマと一対一で戦えるように、五尾がしてくれたので、試しに戦ってみた。なんとか倒す事はできたが、クーちゃんは自分が何回殴ったのか分からなくなるぐらい殴ったが、なかなか倒せなかった。

 その為、クーちゃんは非常に落ち込んでいた。

 クーちゃんは休憩、五尾は五つ目のエリアのマップを調べる魔法、それぞれの為に、安全地帯にいた。

「最終エリアのマップも単純な構造になっている。しかし、中ボスは五体いる。だが、細かくマップを見て行かないと分からないが、中ボスを二体倒すだけで、ラスボスまで行けるかもしれないな」

「本当ですか!」

「喜ぶのはまだ早い。ちゃんと確認しないと分からないと言っているだろう」

 クーちゃんはまた落ち込む。

「雑魚のメカメタルクマでさえ、なかなか倒せないのに、ここから先、俺は役に立てそうにありません」

 五尾は、短く鼻息を吐く。

「メカメタルクマは雑魚ではあるが、五レベルのヌイグルミ相当の強さだぞ。三レベルのピンクリボンが苦戦するのは当たり前だ。しかも、メカメタルクマは防御系のモンスターだから、ダメージが通り難いのは仕方がないだろ」

「でも、五尾さんはあっさり倒しています」

「俺は、五レベルで、多重尾スキルを発動している」

 五尾の尻尾は、多重尾スキルで二本になっている。

「そう言えば、尻尾、二本に増えてから大分時間が経っていますけど、三本にはいつ頃増えるんですか?」

 五尾が纏っているオーラが揺らぐ。五尾の体全体を覆うオーラの色が濃くなり、不安定になる。すると尻尾が三本に増えた。すると、五尾が纏っているオーラが安定する。

「丁度今、増えたな」

「ワザとじゃないですよね」

「偶然だ……。 偶然だが良いタイミングだ」

「尻尾が四本に増えるのはいつぐらいになりますか?」

「理想としては、ラスボスとの戦闘前になれると良いんだがな。中ボスと何回戦わないといけないのか、今のところ調べないと 分からないから読み辛いな」


 時間で聞いているのに、どうしてクエスト攻略の進行具合で答えるんだろう?


 クーちゃんは思ったが、五尾自身にも、どのぐらいの時間で増えるのか分かっていない。ただ、五尾には、時間は一定じゃないと分かっていた。

「俺はそろそろ疲労も回復した。ピンクリボンはどうだ?」

「もう少し休ませてください」

「なら、下見をしてくる」

 そう言うと、安全地帯をでると、近くに居たメカメタルクマに鉄パイプの一撃を喰らわせるとあっさり倒せる。

「尻尾が三本に増えたおかげで、メカメタルクマも一撃で倒せるようになったぞ」


 そんな簡単に強くなれるなんて羨ましいなあ。


「回復が終わっても、無理するなよ」

 五尾はそう言うと、あっという間に見えなくなる。

「ただでさえ速いのに、さらに速くなってないか……」

 クーちゃんは五尾の速さに舌を巻く。


 五尾は、丁寧に雑魚モンスター、メカメタルクマを一掃しながら中ボスがいる一つ目の広間を目指す。あっさり到着し、手前から広間を覗き込むが、やっぱり、ボスは居なかった。

広間を観察し、さらに次の中ボスへ続く道を探すが、魔法では、扉になっていた場所が、壁になっている。


 中ボスを倒さないと奥へいけない仕組みになっているのかもしれないな。


 五尾は、他にも辿り着ける、四か所の中ボスがいる広間も見て回ったが、同じだった。


 五尾がクーちゃんのところに戻ってきたときには、くーちゃんの回復は終わっていた。

「遅かったじゃないですか。心配しましたよ」

「待たせてしまったようだな。四か所下見してきたから、ちょっと時間が掛った」

「四か所? どうしてそんなに下見してきたんですか?」

「中ボスがそこにいるからだよ。残念ながら、中ボスの正体は見れなかったけどね」

「それ全部倒さないといけないんですよね?」

「それを確かめたかったんだが、今のところ分からない。最後のエリアは、中ボスが五体いるんだが、マップを見る限り、五体全部倒さなくても大丈夫かもしれないと思っている。希望的観測だがな」


 クーちゃんと五尾は、中ボスがいる広間へと出発した。

 五尾は雑魚のメカメタルクマをあっさり退治して行く。クーちゃんが攻撃を受けないように気を使って、殲滅して行く。


 五尾さんは五レベルなのに、五レベル相当のモンスターを、どうしてこうもあっさり退治できるのだろう。多重尾スキルってそんなに凄いのか?


 クーちゃんは知らなかったが、多重尾スキルで尻尾が三本になるとほぼ一レベルアップしたのと同じぐらいの強さになる。だから、尻尾三本の五レベルの五尾は、六レベル相当の強さである。六レベル相当の強さを持っていれば、五レベルのモンスターは楽に倒せて当然だった。


 クーちゃんと五尾は、一体目の中ボスの現れる広間の前に到着する。

「準備は良いか?」

 五尾が聞いたので、クーちゃんは頷く。

 二人は、そろって広間の中央へ行くと、突然巨大な木彫りのクマ人形が二体、同時に現れた。

「どうなってんだ! ボスモンスターが二体なんて!」

 クーちゃんが驚いていたが、五尾は、特に怯む様子もなく、戦闘開始と同時に一体の巨大な木彫りのクマ人形へ突っ込んでいく。

 五尾が突っ込んでい行った巨大な木彫りのクマ人形は、五尾と戦っているが、もう一体は、クーちゃんの方へ近づいて来る。

「これどうしたら良いんですか!」

 クーちゃんは大声で五尾に聞く。

「背後にまわり、後ろ足か、ケツを攻撃しろ。無理せず突進コンボを使え」

 五尾から言われて、クーちゃんは巨大な木彫りのクマ人形に向かって右側へ向かって突進スキルを使って走る。クーちゃんは巨大な木彫りのクマ人形から攻撃されたが、突進中だったため、あっさり避けられる。そして、あっさり背後に回り込めたので、突進コンボの二撃を喰らわせる。さらに四撃入れた後、一旦離脱する。

「ピンクリボン。巨大な木彫りのクマ人形は二体いるんだぞ。まわりをちゃんと見ろ」


 げ! もう一体も近いじゃないか!


 クーちゃんは、向きを変えて突進をする。


 クーちゃんは、ひたすら巨大な木彫りのクマ人形の背後を取ろうと走り回っているが、なかなか隙を見つけることが出来ずにいると、五尾がもう一体の巨大な木彫りのクマ人形を一人で倒してしまう。

「ピンクリボン。良く持ち堪えた。手伝うぞ」

 五尾が手伝い始めると、巨大な木彫りのクマ人形は五尾を狙い始める。その為、背後に回り込み易くなり、クーちゃんも攻撃が当たるようになる。

 すると、カンカンカンと言う音がすると、巨大な木彫りのクマ人形が徐々に透明になり、消滅する。

「雑魚が出て来なくて楽だったな」

 五尾は、涼しい顔で言った。

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