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第五話

 クーちゃんと五尾は、巨大な木彫りのクマ人形と戦った広間に、新しく出来た安全地帯の中にいた。

「それにしても、クマが火を吹くなんてズルくないですか。危うく死ぬところでしたよ」

 クーちゃんが言った。

「確かに、木彫りのクマ人形が口から火を吹くのは、予測出来なかったな」

「掠っただけなのに、ヒットポイントが殆ど持って行かれました」

「これからは、回復薬とか準備しておいて、死にかけた時は、使うようにした方が良いな」

 クーちゃんは苦笑いする。

「でも、戦闘中に回復薬を飲むのは、結構難しいですよ」

「その通りだ。だから、回復薬を飲むのも適切なタイミングを見極めることが必要だ」

「ですよね~」

「今は、ピンクリボン自身もピンクリボンの持ち主もすぐに死ぬような状況ではない。必要に応じてチャレンジしてみると良いだろう。回復薬だけ、無駄になるケースもあるけどな」

「俺、回復薬の備蓄無いので……」

 そう言うと、クーちゃんは苦笑いする。

「お金が無くて買えないのなら、回復薬がクエスト報酬にある、チュートリアルクエストを攻略するという手もあるぞ」

「そう言えば、そう言うクエストありますね」

 クーちゃんがすでに攻略したクエストの中にすでにそう言うクエストがあった。

「少ないが、ついでに経験値もお金も手に入るしな」

「五尾さんも回復薬欲しさにそう言うクエストを攻略しまくったんですか?」

「俺の場合は、戦闘訓練の為に、討伐系、戦闘系クエストをやっていたら、結果的に回復薬も貯まっただけだ」

 回復薬は討伐系、戦闘系クエストでクエスト報酬として付いている事が多い。

「五尾さんでも、戦闘訓練なんてするんですか?」

 五尾は怪訝な顔をする。

「俺は魔術探知系だぞ。ちゃんと訓練をしなければ強くなれるわけないだろ。ピンクリボンが今までやって来たように、戦法を考えて、弱い敵で試す。使えそうなら、徐々に敵を強くして行く。最終的にどのぐらいの強さの敵にまで適用できるかを探る。単純だが、その反復だ」


 ま、マジか……


「五尾さんは誰に指導を受けたんですか?」

 五尾は、怪訝な顔をする。

「誰にも受けていないが。どうして指導者がいると思ったんだ」

 クーちゃんは、作り笑いをする。


 この人、やっぱスゲー。指導者なしで、一人でずっとこんなことしていたんだ。


「いないんですね~。すごいなあ」

 クーちゃんは、それしか言えなかった。

 二人は、しばらく回復の為、ジッとしていた。

「俺はそろそろ疲労もとれた。ピンクリボンはどうだ?」


 えー。もう疲労回復したの~。スゲーな。


「お、俺はまだ、ヒットポイントが回復していません。疲労もだけど……」

「回復薬は、温存しておきたいしな。俺だけ先に下見をしてくる。お前は回復に努めろ」

 五尾は、さっさと走り始める。

「どんだけタフなんだ」

 クーちゃんは、広間から飛び出していくのを見送る。


 五尾は、二体目の中ボスがいる広間への道を、クマ頭人形を片っ端から退治しながら進む。五尾にとっては、クマ頭人形は動きが遅い上に、頭や腰などが弱点がハッキリ分かりやすかったので、倒すのは造作もなかった。

 四レベル相当のモンスターを倒しても、五レベルの五尾には大した経験値にはならないが、数が多いので、倒せばそれなりにはなる。その為、とりあえず簡単に殲滅できるので、五尾は倒してまわる。

 するとあっさり広間の前まで到着する。

 一つ目の中ボス同様、やっぱりそこには何もいなかった。

「予想はしていたが、仕方ないな」

 五尾は独り言を言うと、来た道を引き返す。


 五尾は、帰りもクマ頭人形を殲滅して戻って来た。

「早かったですね。どこ行ってきたんですか?」

 クーちゃんは思わず聞いた。

「次の中ボスいる広間まで行ってきた」

「え。そんなに近かったんですか?」

「そうだな。あと、広間の前まで行ったが、中ボスの姿が見えなかった。中に入らないと現れないタイプだな」

 クーちゃんは、苦笑いを浮かべるしかなかった。

「さっきと同じぐらい強い奴が出てくるんですよね」

「おそらくな」


 マジか~。あんな化物とあと何回戦うんだよ。


「中ボスと戦うのはキツイか? なんなら、俺一人で倒して来ても良いんだぞ」

「それは、ダメです。俺が愛奈ちゃんを助けるんです!」

 五尾は、短く鼻息を吐く。

「なら、シャンとしろ。三つ目のエリアをクリアして、当面はお前の持ち主が、クマに殺されることはなくなった。失敗しても何度でもチャレンジできるんだ。考えろ。どうしたら、最終ボスを倒せるか」

「でも、俺、さっきの中ボスでさえ、殆どダメージ与えていませんよ」

「だから、俺が助っ人になったんだろう」


 それで良いのか? 俺が愛奈ちゃんを助けたことになるんだろうか?


「ピンクリボンは頑張っている方だ。俺はいろんな奴の助っ人をやって来た。このような状況は今回は初めてではない。大体の奴は、もう諦めて、助っ人の俺に任せる奴が殆どだ」

「でも、俺は愛奈ちゃんを自分の手で助けたいんです」

「このクエストはお前のクエストだ。お前の好きにするといい」


 クーちゃんのダメージが回復すると、クーちゃんと五尾は動き出す。

 五尾が先行してあらかたクマ頭人形を倒し、残ったクマ頭人形を、クーちゃんが弱点を鉄パイプで殴って倒して行った。

「この先だ」

 五尾がそう言うと、クーちゃんと五尾は一緒に二体目の中ボスがいる広間に入って行く。

 すると突然、巨大な木彫りのクマ人形が現れた。

「げ! また出た!」

 クーちゃんが驚く。

 その間にも五尾は、ダッシュで巨大な木彫りのクマ人形に迫る。

 五尾の速攻が決り、巨大な木彫りのクマ人形に攻撃が当たる。巨大な木彫りのクマ人形は、五尾に前足で攻撃をするが、五尾はあっさりかわす。

 クーちゃんは、巨大な木彫りのクマ人形に驚いた為、出遅れる。

 巨大な木彫りのクマ人形は、溜めの体勢をとる。

 前回の時の五尾は、一旦距離をとったが、今回は取らず、攻撃を構わず続ける。

 巨大な木彫りのクマ人形が、モーションを取ると、クマ頭人形が、巨大な木彫りのクマ人形のまわりに現れる。

「召喚する雑魚モンスターが強化されてる」

 クーちゃんは、悲鳴のような声で言った。

「落ち着け。今まで通り、突進のコンボで冷静に戦え」

 五尾は、巨大な木彫りのクマ人形と戦いながら、大声で言った。


 一体目の中ボスとほぼ同じだったので、五尾は楽々巨大な木彫りのクマ人形を追い詰める。それに引き換え、召喚される雑魚モンスターがクマ頭人形に強化されたため、クーちゃんは若干苦戦していた。

「頭は攻撃が防がれ易い。腰を狙え」

 五尾は、巨大な木彫りのクマ人形と戦いながらも、クーちゃんにアドバイスしている。


 二分後。

「ピンクリボン。気を付けろ! また炎のブレスがくるぞ」

「え。えー!」

 クーちゃんは、慌てて突進のスキルを使って、巨大な木彫りのクマ人形と距離を取ろうとする。巨大な木彫りのクマ人形は、間合いが近すぎる五尾を狙えないため、クーちゃんを標的にする。そして、炎の息を吐く。

 突進のスキルを使っていたが、避け切れないかと思われた。たまたまクーちゃんが横向きに移動していたため、巨大な木彫りのクマ人形とクーちゃんの間にクマ頭人形が居た。炎の息はクマ頭人形に当たり、飛散する。

 五尾は、その隙をついて巨大な木彫りのクマ人形に連続攻撃し、命中する。

 巨大な木彫りのクマ人形が動きが止める。

 すると、カンカンカンと言う音がすると、巨大な木彫りのクマ人形が徐々に透明になり、消滅する。

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