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第十二話

 三つ目のエリアに入って直ぐの場所にある安全地帯に、クーちゃんと五尾は入る。そこには、看板があった。

 看板には、

 クエストの主人公、キーアイテムを入手し、大事な宝を最寄りの安全地帯に運べ。

 順番を違えてはいけない。主人公以外が入手、および、運搬をしてはいけない。

と書いてあった。

 クーちゃんは首を傾げる。

「前回はなんて書いてありましたっけ」

 クーちゃんの問に、五尾は渋い顔をする。

「まったく同じだ。キーアイテムが何であるか? 大事な宝が何であるかも書いてないからな」

「何を気にしているんですか?」

「前回のキーアイテムは、鉄パイプだった。だが、おそらく、今回のキーアイテムは鉄パイプではないと考えている」

「何でですか?」

「鉄パイプは、使ってしまったからだよ」

 クーちゃんは首を傾げる。

「使ったってどういう意味ですか?」

「ピンクリボンと持ち主が、死んでしまう未来を一度は書き換えるのに利用されたアイテムは、鉄パイプだったという事だよ」

 クーちゃんは意味を理解出来なかった。

「ピンクリボンが本来死んでしまった一回目の未来を変更したのは、前回のキーアイテムだった鉄パイプで、日本でピンクリボンの持ち主が鉄パイプを倒した結果、未来がほんの少しだけ変った。だから、二回目のピンクリボンが殺された映像の中に、キーアイテムのヒントがあると思うんだけどね」


 五尾さん鋭いな。確かにそうかもしれないな。


「俺はてっきり、鉄パイプがでてくるんだと思っていましたよ」

「まだ、予想の段階だ。このエリアを攻略して行けば、分かることだ」

「そうですね」

「俺はこれから、魔法を使う。回復が済んだら、安全地帯を出ても良いぞ。その代わり遠くには行くなよ」

「それじゃあ、少し実践に慣れるために戦って来ようかな」

「もちろん、戦ってきても良いが、二体以上同時に戦闘になりそうになったら逃げるんだぞ」

「わかりました。それじゃあ、行ってきます」

 クーちゃんは安全地帯出て行く。そして、五尾は呪文を詠唱し始める。


 クーちゃんが道なりに進んでいくとすぐに、木彫りのクマ人形が居た。クーちゃんは突進のスキルと鉄の爪のスキルを同時に使用して、攻撃を仕掛ける。クーちゃんの予定通り、突進のスキルから鉄の爪のスキルの連携で怯ませると、クーちゃんのペースで大ダメージを与えた。

 クーちゃんが優勢に戦っているところに、近くにいた別の木彫りのクマ人形がクーちゃんへ迫る。不意打ち気味に攻撃を受け、クーちゃんはダメージを負う。

 一体目の木彫りのクマ人形へ攻撃をしようと思ったが、五尾に言われた『二体以上同時に戦闘になりそうになったら逃げるんだぞ』と言う言葉を思い出す。

 クーちゃんは仕方なく、撤退する。二体の木彫りのクマ人形は、クーちゃんを追いかけてくる。

「ちくしょー! 一匹ずつなら倒せるのに」

 クーちゃんは、五尾がいる安全地帯へ戻って来る。

 二体の木彫りのクマ人形は、安全地帯から少し離れた位置でうろつく。

「二体同時の戦闘になったので、撤退してきました」


 カッコ悪いところ見られちゃったな。


「良い判断だ。ピンクリボン。お前は絶対にこのクエストを失敗できない状況だ。くだらない事で意地を張るのは愚かなことだ」


 え! ほ、褒められるとは、思わなかった。でも、そうだった。俺はなんとしても愛奈ちゃんを助けなければならなかったんだった。こんなところで倒れる訳には行かない。


「一応、情報連携しておこう。この第三エリアは、一回目とマップが変わっている。その影響で、キーアイテムと『大事な宝』のある場所も変わった」

「それじゃあ、アイテムの入手方法や運ぶ距離とかも変わるってことですね」

「そういうことだね」


 しばらく、クーちゃんのダメージを回復するため、安全地帯で少し休憩する。

「ところで、あの二体のモンスター。どうする? ピンクリボンが倒したいなら、一体を俺が足止めしておく。一体を倒し終わったら、俺が足止めした方も倒すと良い」

「お願いします」

 クーちゃんと五尾は一斉に動く。クーちゃんが一体に突進+鉄の爪のスキルであっさり倒せる。累積ダメージがあったためだ。もう一体は、五尾に足を引っ掻けられてコケることで足止めされていた。それを見て取って、そのモンスターにも突進+鉄の爪で攻撃する。体勢を崩されていたところに、クーちゃんの攻撃を受け、モンスターは怯む。そのまま、クーちゃんは猛ラッシュでモンスターを倒す。

 フーッとクーちゃんは大きく息を吐く。


 クーちゃんと五尾は、道なりに進んでいくと、三体の木彫りのクマ人形が居た。二人は一斉に攻撃をして、クーちゃんは一体を倒し、その間に五尾は二体倒してしまう。

「また、ダメージを受けちまったよ」

「少し工夫をするとノーダメージで倒せると思うぞ。すくなくとも先制攻撃が成功したらだけどね」

「え!」


 そんなこと、本当にできるのか?


「あそこに、三体のモンスターがいるだろ。本当は、全部一撃で倒せるが、三回攻撃を当てないと治せないと言う例えの状態で戦ってみよう」

 そう言うと、五尾は突っ込んでいく。そして、三体のウチの一体の足を引っ掻けて体勢を崩す。他の二体は足を引っ掻けられたモンスターが邪魔で、五尾への攻撃が出来ず。五尾は足を引っ掻けたモンスターを攻撃しつつ一体のモンスターの方へ突き飛ばす。一体のモンスターが五尾の方へ襲ってくるのを五尾は避けて、足を引っ掻けてコケさせる。残りのもう一体のモンスターは、モンスターを突き飛ばされたモンスターを避けて五尾に近づこうとする。そこに再び、五尾にコケさせられたモンスターが突き飛ばされる。そして、最後の一体も攻撃を受けて倒される。

「攻撃は、倒すだけでなく、相手の行動を邪魔する攻撃もある。それを攻撃にうまく利用すると、攻撃を受けずに安全に倒せる場合もある」

「す、すげえ」

 クーちゃんは感心するしかなかった。

「そこでだ。ピンクリボンが反撃を受けずに、先制攻撃からコンボで倒し切る方法についてだ。

一つ目は、今コンボで使っているスキルのレベルを上げて、スキルの威力をあげる。

二つ目は、新しい攻撃スキルを身に付け、コンボに加える。

三つ目は、敵の行動を邪魔する攻撃をコンボに加える。

時間さえ、かければ全部可能だろう。だが、今すぐ可能なのはどれだ」


 なるほど。


「三つ目です」

「その通りだ。それじゃあ、どんな攻撃をコンボに加えたら良いのか考えてみるか?」

「よろしくお願いします」

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