表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/54

第七話

 五尾は、魔法を使うと、今度は地面に地図を書き始める。クーちゃんは、体力の回復の為にジッとその様子を見つめる。

「第三エリアは、マップが複雑だな」

 五尾が独り言を漏らす。

 そして、しばらくすると地面に書いているマップが完成する。

「ところでヒットポイントはどのぐらい回復した?」

 五尾がクーちゃんに聞いた。

「大分回復しましたが、まだ大分かかりそうです」

 クーちゃんは、正直に言う。

「ちょっと下見に行ってくる。ピンクリボンは、ここで待っていてくれ。回復が終わっても安全地帯から出るなよ」

 そう言うと、五尾は安全地帯を出て、木彫りのクマ人形のモンスターたちを退治しながら、行ってしまう。


 下見って、何を見てくるんだろう? そもそもマップは魔法で分かっているのに。ま、良いか。とにかくヒットポイントが少しでも回復するようにゆっくり待つか。


 一方、五尾は最初の安全地帯から、最も近い安全地帯までの距離を確認するために、遭遇したモンスターを退治しながら、移動する。戦闘が苦手な魔術探知系のヌイグルミである五尾であっても、三つ目のエリアのモンスターは雑魚であった。三つ目のエリアのモンスターは、三レベルのヌイグルミとほぼ同じ程度の強さである。五レベルで多重尾スキルまで発動している五尾の敵ではない。しかし、二レベルのクーちゃんには脅威だった。


 何回でもやり直しが利くのであれば、ピンクリボンに雑魚モンスターと戦闘させてレベルアップを計るのが正解なんだが、今はそんなリスキーな事はできない。今回は、俺が先行して雑魚を討伐し、討伐が終わったところにピンクリボンを通すの正解だろう。そうすると、問題は、雑魚モンスターを討伐したあと、またモンスターが湧いて来るまでの時間が、どの程度なのか知っておきたいな。


 五尾は安全地帯に到着する。その近くで倒した木彫りのクマ人形がどのぐらいで復活するかチェックする。


 大体、五分ぐらいか。俺が先行して、モンスターを討伐して、後からピンクリボンがついて来るようにしたら、進めるかもしれない。一応一撃だけならピンクリボンも耐えられるようだし、やってみるか。

 とりあえず、戻ろう。


 五尾は、クーちゃんが待っている安全地帯へと走る。


 五尾がクーちゃんの元へ戻ると、クーちゃんのダメージはすっかり治っていた。

「もう、戻ってこないかと思ったよ」

 クーちゃんが言った。

「心配させてすまない。だが、失敗するわけには行かない。念入りに下見していたんだ」


 そこまでしてくれていたのか。


「俺が先行して進むから、後からついて来てくれ」

「五尾さん。走るの速いから、置いていかないでくださいよ」

 五尾は、少し間を置く。

「そうか。気に留めておく」


 二人は、安全地帯から安全地帯へ移動して行く。

 さすがに、クーちゃんがずっと無傷とは行かなかったが、安全地帯から安全地帯への移動までは、なんとかなっていた。無傷で行けないのは、モンスターは移動するので、五尾が先行してモンスターを退治していても、別の場所から回り込んでやって来りするからだ。いくら先行してモンスターを倒しても、どうしてもクーちゃんを守り切れないわけである。

 そして、今、安全地帯まで、あと五メートルと言うところで、またクーちゃんは大ダメージを負ってしまう。

「安全地帯まであと少しだ。急げ」

 五尾に促されクーちゃんは走る。


 な、なに!


 突然、横道から木彫りのクマ人形が、襲い掛かってきた。クーちゃんの残りヒットポイントは、半分以下である。一撃をもろに喰らったら瀕死だ。

 それを見越したように、五尾が木彫りのクマ人形の手首に噛み付き、手首にダメージを与えつつ、地面に転ばせる。

「急げ! 足を止めるな」

 倒した木彫りのクマ人形を、五尾はそのまま踏んづけて倒す。その間に、クーちゃんは安全地帯に逃げ切る。

「い、今のはダメかと思った」

 クーちゃんは、ゼイゼイ息を切らし、苦しそうに言った。しかも木彫りのクマ人形に付けられた傷が痛々しく見える。クーちゃんは、ジッとして回復し始める。

 少し遅れて五尾が、安全地帯に入って来る。

「大丈夫か?」

 五尾が聞いた。

「なんとか」

 クーちゃんは、無理矢理笑顔を作る。

「これからは、回復アイテムをいつでも使えるように準備しながら移動した方が良いかも知れない」

「なるほど。第二エリアでゲットした回復薬を持って移動しますよ」

「あと、この先、キーアイテムなのか、大事な宝なのか、わからないが、アイテムがあるはず。俺が様子を見てくるからピンクリボンはここでジッとして、少しでも回復していてくれ」

 五尾は、たいして休憩することなく行ってしまう。


 五尾さん、タフだな。あんな速く走って、モンスターもサクサク倒しているのに、息も切らしていない。俺は完全に足手纏いになっている。

 申し訳ない……俺が愛奈ちゃんを助けないといけないに。


 一方、五尾は、アイテムが置いてある場所の近くまで来ていた。

 アイテムの側に木彫りのクマ人形が五体いた。その五体のモンスターは、動き回る様子もなく、ジッと立っている。五尾は、その五匹のモンスターを見て不審に思い良く観察すると、五体のモンスターの中心にアイテムがあることに気付く。

 五体のモンスターの様子をしばらく観察し、アイテムを守っているのだと、五尾は判断した。意を決して、一体を噛み付き攻撃すると、あっさり倒せる。すると他の四体も一斉に五尾の方へ殺到するが、五尾は一体を牙で倒し、回り込む。

 残りの三体もあっさり討伐する。

 五尾は、アイテムをつい拾おうとするが、前足を止める。そして、顔を近づけ良く見る。良くわからなかったので、分析の魔法をかける。

 アイテム

 鉄パイプ 使用方法は、 ???? 通常のヌイグルミは使用不可。

 このエリア内のみ 有効

 五尾には、この様に分析出来た。このエリアの最初の安全地帯に書かれていたメッセージに『主人公以外が入手、および、運搬をしてはいけない』と書かれていたのを思い出す。


 なるほど。これが、キーアイテムだな。念の為、このアイテムの入手もピンクリボンにやらせよう。このクエストの主人公はピンクリボンしかいないからな。


 とは言え、今、戻っても、クーちゃんのヒットポイントは回復していないと思い、他にいるモンスターをいくつか退治してから戻る事にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ