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『終局 弐』

 



 それが、()()


「19時3分、被疑者確保!!」


 ドラマとかでも見たことある人はいるだろう。

 現行犯逮捕である。




 -------------------

 第213条

 現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。


 引用:刑事訴訟法第213条

 -------------------




 2人の警察官に両脇を固められながら、小屋の外へと出された。


「…………!」


 多くのパトカーが道路に列をなして赤色の光を点滅させている。

 それと同時に拘束されているゴロツキ&阿久津。

 警官の数もかなり多い。

 ……なるほど。

 太一はかなり大袈裟に通報をしたようだ。

 恐らく、不良グループが暴れている、とか、まぁ、そんな所だろう。

 加えて住宅街だし、近隣住民の皆さんが後押しをしたのかもしれない。

 主婦らしき野次馬の数もチラホラと見える。


「歩くんだ」


「…………」



 ふと。

 何気なく、後ろを見てみる。


 別に何か意味がある訳じゃない。


 ただの気まぐれだ。


 視界に入ったのは小屋の中。

 つまりは、先程まで俺がいた場所。

 ーーーーーーーー塚原陽菜が見えた。


 警官に必死に哀願でもしているのだろう。

 自分がいかに酷いことをされたか。

 俺という人間がいかに残酷なことをしたか。

 まぁ……。

 そんな所かな。






 本当に……、救えない。




 ***




 後日談。



 実況見分、その他関係者からの聞き込み。

 雅の動画やその他諸々もあり、俺は正当防衛が認められ、数日後には釈放となった。



 田中蒼汰。

 12月25日逮捕。

 逮捕監禁罪。

 覚醒剤所持。

 傷害致死。

 その他、余罪。

 逮捕時には成人年齢に達していたため、起訴も確定。

 本人の供述により、山林から身元不明の遺体も見つかった。

 ーーーーーーもう何も言うまい。





 塚原陽菜。

 基本的には蒼汰と同じ罪に問われているが、未成年扱い。しかし事件の捜査中に成人年齢に達した場合、成人同様に手続きが進められる。

 あと数ヶ月だろう。




 塚原敦。

 陽菜と蒼汰の一件発覚から数ヶ月後、塚原敦の初公判が行われた。

 俺も傍聴するために参加したが、証人尋問で俺は久しぶりに塚原陽菜の姿を見た。

 学校での姿は見る影もなく、実の父親が裁かれていく様を虚ろな目で見ていたーーーーーー。















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― 新着の感想 ―
[一言] バットであれだけ殴打しといて正当防衛はないんじゃないかな 現実だと流石に過剰防衛になるかと。 心情的にはコロコロしてあげたいけどね。
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