表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/52

晒されたLINE part2

 


 ―――およそ二週間前―――


『今度は3人頼む』





『りょうかーい、というかいきなり本陣じゃないんだねぇ』


『斬りこむ前に、周りの露払いをしないとな』


『ふぅん』


 雅の目の前にスマホを差し出し、三人の写真を見せる。


『俺を嵌めた奴の取り巻きだ。真壁愛美、原田杏、道枝楓』


『……なるほど。この子達の弱みを集めて拡散すればいいのねぇ』


『でもよ、佐々木。そもそも弱みが見つからない場合もあるんじゃねぇの?』


 横からずいっと出てくる阿久津。

 コイツの言うことも一理ある。

 だったらぶん殴った方が早い、と多分コイツはこう言いたいのだろう。

 脳筋め。


『…………さすがに女を殴るのは気が引けるし、弱みが見つからないのでは、という懸念点も大丈夫だ。色々と噂のあるグレーな連中だからな。ほじくれば何かしら出てくるさ』


『…………それさぁ、阿久津の質問の答えになってなくない?』


 普段になくまじめな顔の雅。


『阿久津はぁ、弱みが見つからない場合の話をしているんじゃないのぉ?』


 つまりは、予想だけで話を進め実行していいのか、とその確認か。

 なるほど。

 俺の()()はまだ伝わっていなかったようだ。


『……雅の最終目的はこの3人の排除、だよな?』


『うん、そうだねぇ』


『だったら、そのためには()()してもいいということだ』


 そこで雅の顔が『あぁ~~~~』とほころんだ。

 ビジョンが浮かんだようだ。


『…………?』


 しかし、アホの阿久津はいまだに不思議そうな表情をしている。


『だから、どういうことだってばよ?』


『うるせぇなぁ! 佐々木の話聞いてたら分かるだろうがよ!! このチンパン!!!』


『あぁ!!? ゲジゲジを眉毛に乗っけている奴に言われたくねぇ!!!』


『だからさぁ、佐々木は何をしてもいいって言ったんだよぉ!』


『…………それってつまり!?』





『…………弱みを()()()いい』


『っ! 佐々木、最初からそう言えよ………』


 汲み取れない知能をもった貴様が悪い。


『弱みがないなら作ればいい。目的を達成するためなら、ね』


『了解ぃ、ウチはウチで動かせてもらうねぇ。やり方諸々も』


『全部任せる。奴らはクラブ、カラオケ、まぁ、いろんな所にいるみたいだ。そこら辺は雅の方が詳しいだろう?』


 ビシッと敬礼する雅。

 さてさて、どんなネタをもってくるつもりやら……。


『っていうかさ~』


『ん?』


『これ、晒された佐々木のLINE~?』


 雅のスマホの画面。

 それは紛れもなく、俺と陽菜のトーク履歴だった。

 こいつまで俺のLINE持っているって、どんだけ拡散されているんだよ………。


『うわ……俺もう見たくないわ』


『どれどれ!?』


 まだ噂を知らない阿久津はこれ以上ないくらいに食いついていた。

 もう………死ね!!!!!!


『ほうほう…………』



 ***

 10月19日

『今度どこかにでかけない?』

『いいよ』

『映画とかは!?』

『映画はちょっと』

『遊園地とかどう? 絶叫系平気??』

『ちょっと無理かな』

『普通に買い物とかは?』

『それならいいよ』

『よっしゃ!!! 俺絶対楽しませるからね! いっぱい思い出作ろうね』


 ***


『……まぁ、佐々木のLINEって知らなければ別に普通だけど、お前のものってのを加味すると、途端にキモくなるわ』


『ウチはぁ、最後の1文を変えたらいいと思う~』


『あ、それ俺も思った』


 添削するな。

 あと、普段仲悪いくせに、こういうときだけ意気投合すんな。















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 単純に面白い! こういうすっきりとした復讐はいいね! 今後も楽しみにしています。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ