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東京バトルロイヤル  作者: 宮鵇薫
19/19

地獄の修行 後編!

遅くなってごめんなさい!

どうぞ!お楽しみください!

森に入って30分程歩くが、あれ以来猛獣は姿を現していない。


しかし、先程のトラウマからか草木のせせらぎすらも敏感に反応してしまっている。


「大丈夫ですから!ちゃんと歩いて下さい!」


と、足を震わせながら歩く俺を引っ張る


「そんな事言われても、、、」


「男なんだからしっかりしなさいよ!」


「朱里もさっきの恐怖を味わってみろ!絶対こうなるから!」


「あんたが鈍臭いからでしょ」


鈍臭いうんぬんではない。


人間あの状況で冷静な判断ができる奴なんて極わずかだろう。


ガサガサっ


一際大きな物音が聞こえる。


「ギャ、、、うぐっ」


叫びを上げそうになった俺の口を朱里が全力で抑えてきた。


「ばか!ここで叫んだらこちらの存在がバレるじゃない!」


小声で叱ってきた朱里。


しかし、もう手遅れだったらしい。


物音は段々と近づいてくる。


その時俺は気づいてしまった。


「群れだ!」


1点からではなく、いたる所で物音がする。


それは完全に俺たちを包囲していた。


深い木々の隙間から一瞬、その生物の姿を確認することができた。


「オオカミだ」


その数はおおよそだが五頭ほど。


「戦うわよ!」


佳奈のその声で、とっさにライフルに手をかける。


相手は狼だ。


先程の相手とはスピードが段違い。


1度噛まれたらひとたまりもない。


「相手は近距離攻撃しか出来ないから、間合いをとって急所に入れるわよ!」


佳奈はこれに馴れているのか??


だとしたら恐ろしい。


恐ろしい程に佳奈の指示は冷静だった。


そして、遂に相手が完全に姿を現した。


数は4匹。


1人が1匹倒せば勝つことが出来る。


狼は俺たちの姿を確認した途端、ものすごいスピードで突進してきた。


バンッ!


俺が放った弾は急所を外し、相手の足に当たった。


しかし、これが攻を成した。


狼は先程までのようなスピードは出せなくなった。


こうなってしまえばこっちのものだ。


バンッ!


俺の放った弾は相手の頭を射抜いた。


しかし、その瞬間。


別の狼が俺に近づいてきているのに気がついた。


しかも、もうその距離は目前。


やばい。


俺はとっさの判断で受け身をとるように、横に転げた。


幸い攻撃は避けることが出来、狼は勢いの余力で少し距離を取れた。


しかし、すぐ狼は体をひるがえし、こちらにまた向かってきた。


今度こそは外せない。


バンッ!


俺の放った弾丸は相手の脳天を貫いた。


「あぶな、、かった。」


「油断も隙もないわね」


本当に戦っていると、集中から周りを見れなくなってしまう。


なので、みんなの声に安心し、そっと胸を撫でおろす。


他の狼も倒しきったらしい。


「優作ったらすごい!2匹も相手して!」


「まぁ、あんたにしてはやるじゃない」


「ほんとすごいですよ!」


皆からの賞賛に顔が熱くなるのを感じる。


「この森もあと少しで終わりますから!」


という佳奈の嬉しい知らせに、やっと生きた心地がした


「ようやくか!」


その言葉通り、木々の隙間から明るい光が見えてきた。


第3の試練をクリア。


外二出た頃には既に太陽は真上に。


「もう昼頃か」


「そうですね、ご飯にしましょう!」


と言うと、佳奈はリュックからシートと弁当箱を取りだした。


「こんなの、いつ作ったんだ??」


「優作さんが寝たあと、みんなで作っておいたんですよ!」


「そうか、少し悪いことをしたな」


「いいえ!すごく楽しかったですよ!是非開けてみてください!」


弁当箱を開くと、そこにはサンドイッチと、スクランブルエッグ、そしてベーコンが入っていた。


「おぉ!美味しそう!」


「どうぞ!召し上がってください。」


まず、たまごサンドから。


噛んだ瞬間わかる美味しさにふるいたった。


ほのかな甘さと、マヨネーズの酸味がベストマッチしている。


「美味しい!」


手が止まらないまま、いつの間にか弁当箱は空っぽになっていた。


「早いですね!そんなに美味しかったですか??」


「試練の後だからこそもっと美味しく感じるよ、いつもありがとう」


サラッと出た言葉に自分が心底驚いた。


「なによ改まって、気持ち悪い」


「まぁ、朱里さん!そんな言い方せずに!いつも彼がいない時は彼の話ばっかりしてるでしょ!」


「ちょっと!圭一!余計な事を言わないで!」


「もう皆さん、落ち着いて!」


俺は本当に楽しいチームメイトに恵まれた。


その時僕は改めて思う事が出来た。


感謝を伝えるなんて、何年ぶりだっただろうか。













次話もお楽しみに〜!

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