出合い マルスとリリー
私、リリーは5歳になっていた。
「リリー何処にる、私に無駄な力を使わすな、出てきなさい。」
ヴァンが私を探している、お互いの魔力で何処に居るか分かるのに、ヴァンはいつもゆっくりとリリーを探しだす。
リリーがここに来て、窮屈な思いをさせていると思っているヴァンの優しさだ。
リリーを少し遊ばせて連れて帰るのだった。
「今日の先生がヴァンで、良かった。ソレイユならそうは行かないもんね。」
私は、魔術師神官宮を抜け出し、王宮の第二中庭に来ていた。
ここでは、私の姿を見られてはいけないので、仮面で顔を覆い、ロングの魔法ローブを頭から被り直した。
ここには、薬草魔法に使う薬草を育てていて、主に治癒に使うものなにで、魔法兵士もくるきとがあるが、基本魔術師神官の領域なので、職員も魔術師が何人か入るはずだ。
私もたまにソレイユと来ることがある。
私は、中庭の奥にある小道を、小走りで走っていた。
「わっ」
前をみず、足元をみて走っていた私は、誰にぶつかった。
その拍子に転けそうになった私を、ぶつかったその人はぎゅっと抱き止めてくれた。
「ありがとう、あなたのお陰で転ばずにすんだわ。」
私は見上げて言った。
男の人は、私の服装から判断したようで
「お嬢ちゃんは、魔術師なのか?」
男の人は思いの外大きく、二歩ほどさがって見上げた。
その人は兵士の格好に上等な濃紺のマントを羽織っていた。
顔、超~イケメン。
鼻筋が通り、日焼けした肌が、男らしさを際立たせている。
金髪にライトグリーンがかった髪、瞳はアクアマリン。
新緑の若葉に水の空を思わせ持った。爽やかな青年に見えた。
その上、長身んで175以上あるよね。
だけど、「お嬢ちゃん」って無いと思うわ。私、もう5歳よ。
「私、お嬢ちゃんじゃないわ、そんな話し方の方に、お教えいたしませんわ。」気位の高い令嬢のように言いはなった。
「はははっ、それは失礼致しました。小さなレディ」
私は、わざとプッとふくれる。
「私は、アーデイル王国ゴーイル領の マルス・ゴーイルです。ゴーイル辺境伯の嫡男です。以後お見知り置き下さい、マイレディ。」
「私は、……」と挨拶しようとしたとき。
ふっと口元を塞がれた。
この気、ヴァンだ。
名乗りそうになるリリーを、ヴァンが止めた。
「マルス・ゴーイル様、この子に何用ですかな?」
ヴァンは、ローブの中に私を隠した。
「これは、王宮魔術師神官のヴァン様がおいでとは。
……なるほど、良いものが見れました。私はこれで失礼致します。」
「小さなレディ、又いつか。」といい
騎士の礼をして去っていった。
マルスが去ったあと、ヴァンにこっぴどく起こられた。
「魔術師宮の中ならいざ知らず、王宮の通路を通って、一人で中庭に行ってはいけない。王宮のには様々な人間がいる、よい気の者だけでない、お前に嫌な思いを平気で行う者が椀さといる、リリーの気が暴走するかもしれない、リリーに何かあったら俺はソレイユから、死んでもいたぶられるのだからな。」
それを聞いた、リリーはゾッとした。ソレイユは怒ると、目茶苦茶怖いのだ。
これからは一人で行かず、気を付けようと思った。