ルゥナ、三人の魔術師神官の手に落ちる。
「三大魔術師達が、もう来たのか!」
「はい、ヘイツ様。ご用件は仰いませんでしたが、ルゥナお嬢様の件で来られと思われます。」
ヘイツは息を飲む。
「急がれた方が、宜しいかと存じ上げます。」
「分かった、行こう。エマとルゥナはこの部屋を出るな。」
「承知しました、あなた。」
エマはルゥナを抱き上げる。
ヘイツはエマとルゥナを抱きしめる。
「ヘイツ…」
「話あってみるよ、待っていてくれ。」
ヘイツはエマの唇にキスを落とした。
エマとルゥナを抱いていた腕が離れ、きびを返して部屋を後にし、ロディルはヘイツの後を追った。
「魔術師神官の方々、お待たせした。当主のヘイツ・アーデイル侯爵です。」
王宮魔術師神官達は、無言で頭を下げた。
この国の魔術師達は、全身を長いローブで覆い、顔を仮面で隠している。
他のものに知られると後々問題が有るため、王室のものであっても名前変え、位も身元も全ての事について仕官すれば秘密裏にされる。
「ソレイユと申します。彼らはヴァンとソールです。」
彼らは名を呼ばれながら、頭を下げる。
「アーデイル侯爵、我らが何故突然訪問したか、お気づきですね。」
「ああっ、分かっている。」
「それは話が早い。」くくっと笑う「大抵の者は嘘や偽りを申すのに、変わったご仁だ。」
「それは違う、娘の為だ。産まれて直ぐ我が子を取られるのだ、当然だろう。」
「我が子?」ソレイユは目を細め。
「それは違う、魔術師として生と受けてれば我らの仲間、既に人の子では無い。人間の腹を借りただけだ。」
「そんな訳がない、ルゥナはアーデイル侯爵家の子だ、これまでも、これからもずっと……。」
「何と言おうと、国の掟に趣 ルゥナ・アーデイルは王宮魔術師神官である」
ヴァンとソールは
「ルゥナ嬢は今から10歳まで王宮魔術師宮で預かります、11歳から13歳の成人の義までアーデイル侯爵の元で侯爵令嬢としての教育をして頂く、よろしいですね。」
「侯爵、これで話は終わりだ。失礼する。」
三人の魔術師達は顔を見合せ立ち上がる
何か口元で唱え、三人は瞬間姿が消えた。
ルゥナの部屋に移動してきた三人にびっくりしたエマは、ルゥナをきつく抱きしめた。
「初めてお目にかかります、王宮魔術師神官ソレイユでございます。」
「同じく、ヴァンでございます。ソールでございます。」と礼をした。
「エマ様。アーデイル侯爵と話は付きました、ルゥナ様をお渡しください。」
その時、バンっと大きな音をたてて扉が開いた。
「ルゥナは、渡しはしない。エマ、ルゥナを離すな。」
「はい、あなた。」しっかりと抱きしめる。
ソレイユは「チッ」と舌打ちをした。
「仕方がない。ヴァン、ソール」
((「分かった」))
ヴァンは風の呪文を唱えた。ルゥナはエマの腕からスルリと抜け、ソールの腕の中に収まる。
ソレイユはそれを見届け、移動の魔法陣を呼び出し、三人は瞬間移動した。
「ルゥ………ナーーーーー。」
「ルゥナ、嫌ーーーーーーー。」
ヘイツとエマの叫び声が響いたのだった。
読みにくくてすみません。