第3話「青野祐貴」
「小雪みてみて!」
「ゆうちゃん絵がじょーずだねー」
「違うよ! 書いた方の内容!」
「なにこれ?」
「一流の魔導師! 将来の夢!」
「そっかーじゃあ私も魔導師になる!」
「なんで?」
「ゆうちゃん一人じゃ危ないもん」
「ええーじゃ僕が魔導師なる意味無いよ」
「なんで?」
「僕は小雪を守る為に魔導師になりたいんだよ!」
「じゃあ私はゆうちゃんを守るための魔導師になるね!」
「約束ね!」
「なんか違うけど.......いいよ!」
「こら! 小雪! 使い方がちがーう!」
「小雪の魔法は自然の魔法! 自然から力を感じ取るの!」
「ふええ! 疲れましたよぉ.......」
「まだまだこれからよ! しゃきっとしきゃっと!」
森神様の弟子になってしまったけど、もう弟子辞めたいと思いです。
でも言ったら怒るんだろうな.......
「うーん小雪の通学時間になりそうだし朝の修行はここまでよ」
「お疲れ様、朝ごはんできてますよー森神様」
「あら、お母さんありがとう」
「ちょっと!? 私のお母さんですよ!」
「いいじゃないの、小雪早く食べましょ」
「小雪おはよ!」
「.......おはよ」
「どうしたの!? ちょっと体がおばあちゃんみたいよ!」
「お前らおはよう.......どうした小雪!?」
「えへへーちょっと慣れないことしちゃった」
「大丈夫か? 歩くの辛かったらおぶってやるぞ」
「へーきへーき! 大丈夫だから!」
「ゆうき.......あんたそんな事しない方がいいわよ」
「なんでだよ? 小雪が心配じゃないのか?」
「あんたの性別考えなさいよバカ! 小雪にやましいこと考えてないとは言いきれないでしょ!」
「べっ、べつに! そんなじゃないっつーの!」
「二人ともお、おちつい.......」
「「小雪ー!!!」」
また私はそこで記憶が途切れました。
「.......おはようございます」
「白銀さん、大丈夫かしら?」
「少しは」
「貧血ね、道端で倒れたのを青野くんと緑風さんが運んでくれたのよ」
彩絵ちゃんとゆうちゃんに悪いことしちゃった.......。
「でも、珍しいわね白銀さん」
「まぁ、はいそうですね.......そろそろ戻ります」
「はい、気をつけてね」
「.......メイクアクア」
私の手のひらに水が溢れた
「あっ出来た、うん普通の水だ美味しい」
私本当に魔法使えてるんだよね.......
これもあの特訓のおかげなのかな?
「小雪.......お前.......」
「ゆうちゃん.......!」
「お前! 魔法使えるのか!?」
「えっあ、そうなの! うん使えるようになっちゃった!」
「どうしたんだよ! 急に!」
「どうしたのゆうちゃんそんな血相変えて」
「小雪、お前まさか森神に会ってないよな!?」
「えっ、どうしてゆうちゃんが知ってるの?」
「何でもない!」
「ゆうちゃん!?」
「くそっ! 俺はこいつを魔導師にしないで、見守ると決意したのに! あいつ.......森神の奴のせいで!」
「ゆうちゃん.......なんか変だよ」
「変なのはお前だ小雪!」
「行っちゃった.......」
話は昨日に遡る
「小雪.......あの事忘れたのか」
魔法か、ちゃんと出てくれるんだろうか
俺の魔法どんなんだろ、水かな? それとも風?
でもなんでもいいから俺は魔法が使えるようになって魔導師なりたい! ならなきゃいけないんだ!
「ほー小雪すっかり成長したな悪い虫がつかなきゃいいんだが.......」
「おい! 誰だお前! なんで俺の部屋にいる!」
「.......お前俺が見えるのか!?」
「ああ、若い男がしっかりくっきり見えるぜ、もう一度聞くなんで俺の部屋にいるんだ!」
「そうか! 俺が見えるか! まじか! うれすぃーねぇー!」
「質問してんのは俺だぞ! てめぇ!」
「いいねぇ、その気! 俺の生きてた頃見てぇだ!」
「へっ? 生きてた頃?」
「あー俺幽霊なんだよ、この世に未練たらたらだからこの世に残っちゃった」
「そして、俺の名前は白銀陽一白銀小雪の先祖だ」
「小雪を小さい頃から見守ってんだ、悪い虫が付きそうになったら嫌がらせをして、ストーカーがいたらそいつに取り付いてやったぜ」
「そして、お前も知ってる幼馴染だからって調子に乗ったら俺が消すぞ」
「.......俺霊感あるのか? いやそうじゃなくて!」
「俺が見えるんなら霊感はあるんじゃねーか」
「お前何で俺んちいるんだよ」
「最近お前が小雪に下心を持ち始めたからにきまってんだろ」
「はっ!? いや! ないない! ないから!」
「その焦りよう、隠せて無いぜお前の思い!」
「やっぱり消すかお前のこと?」
「いや、消せねぇなこいつは」
「なぁ、青野祐貴、俺と一緒に組まねぇか?」
「え.......?」
「簡単だ、俺にちょっと体を貸してくれればいい」
「なんでだよ、理由をいえよ」
「少し昔話をしよう」
「昔俺には五人の仲間がいた」
「その中の1人が仲間を殺してしまったんだ」
「でも殺されたやつはもう人間とは呼べなかったんだ」
「でも俺は殺された人間の一部に取り憑かれ殺した仲間を封印してしまった」
「そのせいで俺は若くして死んで今ここで子孫たちを見守ってるってわけさ」
「へーでもなんで体貸さなきゃいけないんだ?」
「白銀小雪、あいつはもしかしたら魔力があるかもしれない俺が昔封印してしまったやつに呪いを解かれてしまうかもしれない」
「いまの彼女の幸せは呪いのおかげなんだ」
「もし彼女が魔法を使えるようになったら、彼女は大変なことになってしまう」
「そんなふうになったら俺はこのままじゃ止められないんだ」
「だから、魔法が使える体が欲しい」
「小雪を守るためか.......」
「いいよ、陽一俺の体貸すよ」
「お前.......! ありがとな祐貴!」
「森神目覚めてたのか.......」
「なぁ祐貴お前小雪は大切か?」
「あぁもちろん」
「なら、あいつのことちゃんと見ててくれ」
「死んだ俺にはできなくて生きてるお前にしかできないこともある」
「だからちゃんとあいつを助けてくれ」
「いわれなくても、俺はあいつを守るため魔導師になりたいんだ、ちゃんと助けるぜ」
「約束だ、あいつが魔法を使えるようになってしまったからこれから絶対やばいことになる」
「絶対絶対、あいつは守らなきゃいけないんだ!」