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「三十と一夜の短篇」

ねちょ(三十と一夜の短篇第20回)

作者: 錫 蒔隆

「声がねっちょりしている」とわけのわからぬ、妻からの言いがかり。

その概念がいまだにつかめない。「声がねっちょりしている」なんて。

「ちょっとなに言ってるかわからないんですけど」ってなるでしょう。

三次元人に四次元の話を持ってこられても、あらためようがないんで。

妻は私を「ねちょ」と呼ぶ。「ねっちょりをやめてほしいから」って。

そんなこと言われましてもですね、概念がわからないから治せません。

感性が独特すぎる、羨ましい。その独特な感性が、私にはありません。

自分で自分のことを「ねちょ」というと、妻はめちゃくちゃ怒ります。

だって、ねちょって呼ぶじゃん。けれど、道理はとおらないのですよ。

ねっちょりした声の治療法がわからないから、私はひらきなおります。

ねっちょりしてたっていいじゃない。人間だもの。ひらきなおりズム。

ねちょは個性ってことで、いいんじゃないでしょうか。よかないよね。

声なき声を文字に起こしたところで、意味なんかない。ストレスレス。

この字数あわせも意味がない。内容なんてなんにもない。空疎な駄文。

たらたらたらと、書きつらねていても致しかたない。やめたやめよう。



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― 新着の感想 ―
[一言] 一月遅れで読んでいます。 「ねちょ」かわいい。妙にツボです。 これ実話ですか? ねちょと言いながらそこに仲良し夫婦感を感じてしまいました。
[良い点] 正方形文学、とでも申しましょうか。挿絵以外で視覚に訴えてくるのが、見事でした。
[良い点]  読んでいて、内容と言葉のリズムだけでなく、視覚からも楽しめる構成にうっとり。 「ねちょ」? カラオケの酔っぱらいのだみ声音痴より聞き苦しい声などないでしょう。(わたしの経験から) [一言…
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