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XO!i  作者: 恋刀 皆
95/164

第92話~時間という輝石を君に~「百万本のバラ」

 2016年八月十七日水曜日先負。


………………

…………

……


 あたしは『紅弦べにづる

石は「ルビー」意志は「大胆と情熱」


 お姉ちゃんは『幾夜いくよ

石は「スギライト」意志は「無条件の愛」


 お兄ちゃんは『詩詠うたよみ

石は「カイヤナイト」意志は「難題の解決」


 お母さんは『心殿しんがり

石は「ゴールデンダンビュライト」意志は「優れた浄化」


 お父さんは『倖姫ゆきひめ

石は「ギベオン」意志は「強い意志」




 それぞれが、




夏休みの帰省で、




浄化法とパワーチャージの仕方をそえて、




あたしの大切な家族に手渡した、




贈り物のブレスレット達。




………………

…………

……




お母さんへ、




………………

…………

……




 お父さんは今日も家作りに勤しんでいる。


そのお供に、切なげな歌曲を口ずさみながら……。


「お父さん、その歌曲がお気に入り?」


 お父さんはあたしに柔らかく振り返って、


「わかるかい?」


「……曲名は、わからないけれど。

お父さんの気持ちはなんとなく伝わるよ?」


「いつか捧華も、気付いたら口ずさんでいる歌曲かも知れないよ?」


 お父さんは微笑んで、

それから、

あたし達の暗黙の了解を明らかにしました。


「そう、曲名も大事だけれど、

僕の一番は、その旋律で魂が震えるかどうかだけさ」


「うん。そうだね。

……今はどんな物語を作っているの?」


「捧華?

僕には百万本のバラを倖子君へ贈れる程の持ち物はない……、

それでもね……?」




 お父さんは大人しい声音で、

あたしに告げました。






「君に、百万字の時を捧げたいんです」






………………

…………

……






 合唱、






家族みんなで、有難う。


お父さん、お兄ちゃん。


お姉ちゃん、あたしで……、






………………

…………

……








お誕生日おめでとう♪



ひゃくまんぼんのバラ

しきつめたぶたいにきみとたてたらな

あいしています

歌 加藤登紀子 作詞 Andrei Voznesensky

日本語詞 加藤登紀子

        作曲 Raimonds Pauls

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