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XO!i  作者: 恋刀 皆
93/164

第90話「Stray Cat Strut」

 2016年四月十五日金曜日大安。


………………

…………

……


 今日は、

学園はお休みです。

その理由は四月十日の日曜日が登校日だった為です。

 雁野先生は、


「この学園はいわば0(ゼロ)だ。無いのに有る場所。有りえ無いが在る学園。だがそれほど驚く事じゃない。オイラたちだって、生きて死ぬんだからな。十五日からの三連休はよく休んでくれ。オイラは出勤してるから、個人的な相談とかある奴は出てこい」


そう仰いました。

もしかしたら、たったこれだけの文章で、

お気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、


あたしは肩の力を抜く事にしました。


 昨日の電話で気付けたんです。

あたし、学園のみんなに萎縮してたんだって。

同級生なのに……。

お母さんの声掛けで、そこに辿り着けました。


 家族の声が、


とてもとても、


居心地が良かったんです。


 力を入れる時は入れて、抜く時は抜く、見極めが肝心。

メリハリと緩急とバランス。

たとえどんな場所に居たとしても、

何かを見つけて、



楽しまなくっちゃ♪



 学園がお休みで、身体は休ませても。

座学なら大丈夫と判断。

知りたい事の優先順位を決めてから、


普通学園へ。


 いつもの時間通りに登校し、

校内地図から職員室へ。

お仕事中の雁野先生へ、

失礼のない様に、声をお掛けする。


それから、お伝えします。


 あたしが、

今は学園の図書室しか、

調べものができる場所を知らない事を。



「要点はわかった。早水の四角荘から近い町の図書館の場所と、図書室の鍵だな。言っておくが、この町にいる間は、オイラがみてる事を忘れるなよ?」



 雁野先生は事務机に、

弥那町みなまち)のコンパクトな地図を広げて下さり、

町がある和歌のどか市の、

瑞希みずき図書館】までの行き方のメモと、

“シュレーディンガードライヴ”を創った。

図書室の鍵を、渡して下さいました。




先ずは…………、




………………

…………

……




 ……やっぱり……本当だったんだ……、




「……玉藻前様は、あんなに穏やかな方なのに……、本当に悪い妖怪だったんだ」


気になる単語をノートに記しながら、

少しずつ……少しずつ……調べていく。


………………

…………

……


鳥羽上皇とばじょうこう」「謡曲ようきょく」「殺生石せっしょうせき」「玄翁げんのう」「陰陽師おんみょうじ」「安倍泰成あべのやすなり」「泰山府君たいざんふくん」「古代インド」「古代中国」「梁王りょうおう」「いん紂王ちゅうおう」「しゅう幽王ゆうおう」「封神演義ほうしんえんぎ」「千年狐狸精せんねんこりせい」「下野国しもつけのくに」「那須野なすの


「日本三大悪妖怪」


妖狐ようこ」の玉藻前様。

おに」の酒呑童子しゅてんどうじ

大天狗だいてんぐ」の崇徳上皇すとくじょうこう


………………

…………

……


 それぞれの単語の由来を、

できるところまで掘り下げて行きまして、


どうしても、わからない部分は、

深く入り込み過ぎず、



無理はしません。



次に行きます。


………………

…………

……


 白い……、


学生服の……、



方…………。



あたしが知らなくてはいけないと想う方。




すめらぎ様の皇の意味について。




………………

…………

……


「きみ」「国家を治める最高位の人物」

「中国や日本で用いられた君主の称号」

「古代中国思想の天地を支配する神」

「大きい」「広い」「美しい」

「厳か」「正す」「暇」

「滋賀県東近江市」「浄土真宗」「浄願寺」

「皇花山」「滋賀県、千葉県にみられる苗字」


………………

…………

……


 何処かしらの焦りの所為か……、


全然足りない印象です。


焦らず落ち着いて、


ゆっくり理解を深めていかなくちゃ。



どうすれば……、



いい……の?




「おい」

「ゎひゃい!」




……びっくり……したぁ……。

だ……誰……なの?



 しかし、



本来学園はお休み。

広々とした図書室には、

あたし以外見当たりません。

道理を外れたあたししか。


 ふと降りる言葉……、



……オイラがみてる事を忘れるなよ?……



「……雁野先生?」




「そー当たり」




 雁野先生は、あたしが出してきたご本の一冊。

『妖怪のススメ』の角に、

文字通り小さく、

ちょこんとお座りで、その両足をふらふらさせていました。


「もー昼だぞ? てめーちゃん、昼飯持ってるか?」

「は……はい! 朝の給食を分けて、包んで来てます」

「水分は?」

「バックパックの中に水筒を持ってきています」

「そーか。聞ーて悪りーが、それはてめーの身体状況を考慮してるのか?」

「身体の……状況、ですか?」

「あ……、あー、はぁ……、その……食事制限ダイエットでもしてるのか?」

「あっ……いえ全く」

「おまえな……、給食に関わる全ての人達が泣くぞ?」

「……はい」


 やや力を落とされた感じの雁野先生の佇まいに、

あたしは後悔で切なくなる。


「はぁ……、オイラもさすがにおまえ達の家までは入れねー……。そこで下がれるなら許してやる。給食っつーのは、その時に必要な栄養分をきっちり考えておまえのもとへと届けられている。オイラがもー少ししたら、適当なもん探して持ってくるから、ちゃんと食え。それまで中庭で頭冷やして、身体ほぐしておけ。てめーが何系だろーが全て健康あってのもんだ」



 懇切に、



雁野先生にたしなめられて、

あたしは心身の休憩の為に、


学園の中庭を目指して歩きました。


校内地図のお陰で、

短時間で辿り着き、


 そこで……、


春風に吹かれて想いました。




絶対にこの時間は必要だって。




 しばらくしてから雁野先生が、

元通りのお身体で、

あたしの為に食べ物を……、



……ぁれ?



疑問が生じます。


 何故お面や外套まで小さくなれるのでしょうか?

あたしの堪らずの質問に、

雁野先生は、



はオイラ自身だからだよ」



 直後に、

あたしはどんな顔を晒してしまったのでしょう……。


「いー顔だなwww」


 そう笑って雁野先生は、

残務があると言い残して、

立ち去ってゆかれました。



 お陰様で、



本日の昼食は、



雁野先生の思い遣り。

プラスチックのフォークに感謝しながら。


 朝の給食の包みと、

小ぶりな梅おにぎりと鮭おにぎり。

可愛い花柄のお皿に載せられた、

海藻サラダを、




いただきました。




………………

…………

……




 玉藻前様曰く、




最低で最高の礼儀を払い、

春色春風を名残惜しみつつ、

中庭を後にしてから、

ふたたび図書室の引き戸を開きます。



 すると、



あたしの身体を、



……通り抜けて、



美しい灰色の毛並みの仔猫が、



とてもしなやかに、



図書室の床へ、




音もなく着地しました。




 学園で嫌という程、

思い知らされてきています。

あたしはまだまだ足りない……。

だからこそ、それを思い知らされても、


じっくりゆっくり平常心。


すぐさまに気付く事。



この仔猫には……尻尾が二本ある……。



 灰色の仔猫は、静かに、

しかし、

どことなく気取った歩き方から、

あたしへと擦り寄って来ました。


 あたしはゆっくりとしゃがんでから、


「……仔猫さん? 何処から来たの?」


「……捧華の内側からニャン……」


 あたしの心臓は飛び跳ねてしまいます。

……言葉を話す……猫……もしかして……?

「……そうニャン……」




「猫又さん?」




灰色の仔猫は軽くうなだれてしまいました。


「……違うニャン……シュレーディンガードライヴニャン……」


「あ……え? シュレーディンガー? ご……ごめんなさい……」


「……今唯一捧華が使えるドライヴに……酷い事するニャン……」


「かくれんぼの時は有難う。……その姿はどうしたの? 何か困った事でもあるの?」


「……捧華に頼みたい事があって……出てきたんだニャン……」


 あたしに頼み事? ……戸惑いはあっても、

あたしにできる事があるという事は、とても嬉しい事です。

疾走回路フルドライヴにも、

仔猫達シュレーディンガーにも、

あたしだって、恩は感じているのですから。


「うん。あたしにできる事なら……頑張るよ」


「……すっごく……簡単な事ニャン……」


「そうなの? ……聴かせてもらえる? シュレーディンガー?」


 シュレーディンガーは満足そうに目を細めてから、

あたしから離れて、

図書机までの距離を気取って歩きます。


そこから美妙に跳び、

ゆっくりとした動作で、

自身を、香箱こうばこの様に作った後、


口を動かさずにこう言いました。




「……名前つけてニャン……」




 名前を付ける……?

……この場合は、「シュレーディンガー」の名前を……ですよね?


「……捧華の大切にできる名前を付けて欲しいのニャン……」

「……シュレーディンガーじゃダメなの?」


「……では言うニャン……

……人間が「姓」だけで生活していたら……

……捧華はどう思うニャン……」


「……まぎらわしくて……少し寂しいと……想う、……ぁ!?」


「……そういう事ニャン……名前が凄く大切なものだという事……

……図書館は名付けるに相応しい場所と想い……出てきたのニャン……」




「……ごめん。ごめんね……シュレーディンガー」




 相成りまして。

今日の自習は取り止めです。

予定している下校時刻まで、

あたしの大切な仔猫シュレーディンガードライヴに気に入ってもらえる名前を、

捧げてみせます。




シュレーディンガーの望むものは、四つ。




………………

…………

……




「……シュレーディンガードライヴは……

……ふたつでひとつ……ふたつの名とひとつの名……

……そしてひとつの合言葉パスワードを決めて欲しいニャン……」




 始まりからシュレーディンガーの言葉の意味が理解できません。


「……ごめん。シュレーディンガー? 何故名前がみっつも要るの? あとは、パスワードが何の為か教えてくれないかしら?」


「……ひとつでふたつ……ふたつでひとつ……だからニャン……

……0と1にひとつずつ……

……0+1=1にもうひとつという意味ニャン……」



 ……説明してくれても飲み込めないあたし。

落ち込む……けれど、下がりすぎてもダメだ。



「……名前をくれた時に……すぐにわかるニャン…………次は合言葉の必要性ニャン……」


 シュレーディンガーの優しい言葉で、あたしは大丈夫になる。

それでも、調子に乗って、

上がりすぎてもダメなんだ。


「……捧華が……熾烈な状況下に居る場合は…………合言葉は手間が増えるだけのものだろうニャン…………でも今の生活なら安全セーフティにしておくニャン……」


 熾烈って……、

縁起でもないよシュレーディンガー……。


「……あたしこれからできるだけ疾走ドライヴをしない生活を心掛けていきたいと思っているの。疾走達と、一緒には生きていきたいのよ?」


 シュレーディンガーは、

またあたしに向かって目を細めて、

満ち足りた表情を見せてくれます。


「……うん……いいニャン……とってもいいニャン…………だけれどニャン…………捧華はどうして学ぶニャン……」


「それは……、

足りないあたしを満たしてゆきたいから……だと思う」


「……有無…………無かったものを……有るにして…………どちらも選択できる様にしていくニャン…………使えないを使えるにして…………使わないを選択できる様にするニャン…………要は護身だニャン…………もしも入学式の時…………玉藻前様が捧華に対して…………敵意を持っていたとしたらと考えるニャン……………さぁ…………捧華はどうなっていたかニャン……」




「そう……だね」




さらに敵意でなく殺意だったとしたら、

あたしは……殺されていた……。


……?


……ぇ?


…………あれ?


「どうして入学式の事知ってるの?」


「……フルドライヴは根幹……

……根幹からは必要な情報が……

……必要なドライヴに送られてくるニャン……」



 言って仔猫はあたしにウィンクをひとつしました。



「……捧華の今の心身の状態はいいニャン…………萎縮に気付き……フルドライヴからの…………自立まで考えているニャン…………だからこそセーフティが必要だニャン…………過ちを起こさない為ニャン…………どうしても臨まねばならなくなってしまった時…………やれない弱音……やらない中庸さを…………覚悟やるという強さに変える為の…………合言葉という訳だニャン……」



 あたしの自立の為にも、

簡単には使わせたくない……だねっ。



「うん! 合言葉については、よくわかったよ?」



「……マニの様に憶えやすくて…………思い出すと幸せになっちゃうの頼むニャン……」




 ……ベースのマニはすぐに決めた名前でした……、

……要は連想して、何処に辿り着くかなのでしょう。

……それでは「幸せ」を起点にしてみる事にします。




 「幸せ」……お母さんの「倖せ」……

……シュレーディンガーとの「仕合わせ」……


あたしは……「幸福」……ぅん?



幸……福。



幸と福。




善いかもしれない……。




 あたしはしばらく、

シュレーディンガーの香箱座りの傍らで、

午前中の調べものでお世話になった、

辞書をいくつか引きました。



 そして、



何故か引きながら、

あたしが幼い頃の、お父さんとの追憶が、

どんどんと流れていくのです。


あれは確か、あたしが言葉を覚えて、

「幸せ」という言葉に、初めて触れた時の事、



「おとぅさん? しあわせってなんなのぇ?」



お父さんの答え、


その最後の言葉は、

この胸に、

今でも、ずっと深く刻まれているのです。


………………

…………

……


「僕のしあわせはお母さんが持ってくれている。彼女が笑う時に僕も笑える。彼女が辛い時に僕は笑えない。だから、僕の幸福は倖子君です」


………………

…………

……


 ご本と図書室にお礼し、施錠と確認。

海藻サラダのお皿を、

学園に設置されている水道のお水で軽く洗浄し、

水を切る為に、

そこに立てかけて置いておきましたので、

取りに行きます。


それから職員室へと向かい、


雁野先生にきちんと感謝をお伝えし、

図書室の鍵をお返ししました。



 雁野先生はやんわりと、



「なんでも伝染はしていくもんだ。早水は早めに自分の萎縮に気付いてくれた。本当に、ダチに迷惑掛けたくないと想うなら、下がりすぎるな。上がりすぎるな。揺れの少ない奴は、それだけで人を安心させる事もできる。じゃー気をつけて帰れよ。お疲れ」



………………

…………

……



 そして、



四角荘までの帰り道にある。

名前も遊具も設置されていない、

小さな公園を目指して、ゆっくりと歩きます。



 十五分程で到着し、



置かれているベンチに腰掛けました。


 あたしは、

あたしの内側へ、耳を傾ける。




……じゃあ捧華……やってみるニャン……




「うん」




………………

…………

……




 深めの呼吸をしながら、

これから行う事を考えます。




いざ、尋常に。




……あたしの“仔猫達”への認証……

……合言葉「ワンオンリー」……




……承認したニャン……




……起動スタートアップ仔猫疾走シュレーディンガードライヴ”……




 あたしの身体の内側から、

黒猫と白猫がしなやかな身のこなしで跳び出してきました。


 二匹の仔猫たちは、

しばらく気取って地面を歩いてから、

あたしの腰掛けるベンチへと跳びのります。

あたしの……、

左側に黒猫の「ワン」と右側に白猫の「オンリー」。


 あたしは先ず、

左方の幸を撫で、

それから、

上体を反らせて、

右方の福へゆくも、

撫でようとする手は、

福の頭をすり抜けてしまって、

触れる事すらできません。


 黒猫の幸が暗い声音で、



「……さらに……やってみてニャ……」



あたしは頷き、入れ替える。




……「“仲良く喧嘩しな”」……




今度は、先ず右側の福におずおずと手を伸ばすと……、



「……さわれる……」



しかし左方に上体を反らし幸に左手を、

そっと置こうとしても、



「……触れない」



「……わかってもらえたかン……」


 白猫の福が右から突然明るい声音。


あたしは思考がこんがらがってしまっている為、

助けが欲しくて福に質問します。


「1と0、幸と福が入れ替えられるのは、まだわかるんだけど……、なんで0の方は、視えるし、地面を歩く事ができるの?」


福は口を動かさず、平然とした声音で、


「……0と言うのは…………ひとりで有るという人間には…………無いという……仮定の記号という事ン…………だってそうン…………実際……捧華自身が無いならン…………捧華は世界を認識できないン…………世界がどんなに多く……並行してさえ在ったとしてもン…………捧華が世界を認識できないならン…………早水……捧華……という存在には…………世界という事象は…………全く無い事と同じン…………それでは0さえないだろン……」


 福は一度に喋った疲れからか、少し沈黙。

そう思って待っていたら、

話しを左の幸が引き継ぎました。


「……現時点の0と1は…………無いと有る……という事よりも…………今は…………光と闇と思ってほしいニャ…………捧華は……まず0と1の間の「と」に…………意味を見出してほしいニャ…………捧華という存在が観測しているからこそ…………事象が存在するという……ひとつの可能性…………正解が無限にあったとしても…………人の身では無限を携えて歩けないニャ…………瞬間瞬間にひとつの答えを出して…………歩くしかないのニャ…………捧華の0と1の理解が……変わっていけば…………幸と福も…………また新しい可能性に変わるニャ……」


「……そして今は……」と、

幸は厳粛な声音を前に置き、

あたしの心身は緊張を覚える。




「……絶対に捧華自身を0だけにしては駄目だニャ……」




……この疑問は解消しておかなければならないでしょう。



「幸、何故でしょうか?」



「……それぞれは…………お互いの為に必要な…………幸福だからニャ……」


少しの間、幸はあたしに「絶対」からの一連の流れを、

反芻して覚える時間をくれました。


それから右の福の言葉が、

あたしの不意をつく。


「……1だけになる事も危険性はあるがなン……」


福に顔を向ける事はやめて。

あたしはゆっくり背筋を伸ばし、

前方にある、自然や建物に何気なく視線をおくり、

耳を澄ます事にしました。


「……今の捧華には0の方が特に良くないン…………その理由は……捧華はまだ…………本当に……大切なワン・アンド・オンリーいを…………取り戻せていないからだン…………万が一の時…………オーバードライヴのもとでのみ…………併用するン…………絶対に憶えておくン…………0だけでいられるのは……10秒ン……」




十秒!?




「福? ……それでは使えても、使えないのと同じ事では?」




「……それも……使わない……という強さの内だン……

……オーバードライヴすればするほど……

……捧華の覚える世界は変わってゆくン……」




それが仕舞いの言葉となり、




………………

…………

……




 二匹の白と黒は、

緩やかな動作から、

公園の土の上に降り立ち、


座る幸に、気取った足取りの福が、

近付いて、

重なり合っていくと、




美しい毛並みの、一匹の灰色仔猫へ。




 気取った足取りで、

二本の尻尾が揺れているのを見ていると、



突如!



瞬発的な身のこなしで、あたしに向かって飛び込んでくる。

黒のワンと白のオンリー

 ふたつのひとつ……、




灰の幸福ハッピーが、




あたしに帰っていったので、








御座居ます。



 あたしのゆいいつむにのあい

それにつきる

ハッピーイコールYイコールラヴ

Song Stray Cats Lyrics/Music Brian Setzer

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