表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
XO!i  作者: 恋刀 皆
91/164

第88話「Walk Slowly」

 「いただきます」と「ごちそうさま」。



そして、



自習室にて、


五時間目の、




始まりで御座居ます。




………………

…………

……




 早々、雁野先生からお言葉。




「これはおまえ達の一生の財産になると信じられるから、先生として伝えておく。先ずは基礎体力を築け」


 基礎体力……漠然としたイメージしか構築できません……、

もっと……具体的な指針を……。


「一人称はお尋ねします。雁野先生はその為に、何が現状の最善とお思いでしょうか?」


杏莉子……有難う。

無駄にせず、傾聴で御座居ます。


「歌坂、有難う。おまえには提案してもらいたいぐらいだがな。オイラが今、より善いと思っているのは、マラニックだ」


マラニック? ……初めて聴くお言葉……。


「先生ちゃん、なんだそれ?」


ご発言の後、恵喜烏帽子氏は雁野先生へお辞儀をしてみえました。


「マラソンとピクニックを足した造語だそうだ。例えば、独りでマラソンの練習をしろ、と言われたらしんどいだろうけどな。マラニックは娯楽性がくっついてくる。ピクニックを前提としてもいいんだ。歩いても走ってもいい。リュックに弁当なんかをつめてな? この町、弥那町みなまちにある観光名所なんかを目的地にしてもいい。帰るのがしんどい奴が出たら、交通機関で帰ってくればいい。先に交通機関で目的地へ行き、遊んで学んでから学園まで帰って来てもいいぞ。みんなでマラニック。学園の授業時間内に行えば、色々と都合もいい。天休も神咲も確実に参加できるしな。全身運動を長く続けられる運動能力、全身持久力、と怪我を負うリスクを減らす為に、関節の可動域を増やす柔軟性、ふたつの基礎を磐石にしてほしい。以上です。歌坂、なにかあるかな?」


雁野先生は、お言葉に抑揚をつけてそう仰いました。


「概ね納得はいたしました。しかし、ひとつの疑問。雁野先生は各自の持ち場の筋力トレーニングは、

必要ないというお考えでしょうか?」


 おそらく雁野先生には想定内の質問でしたのでしょう。

流れる様に、


「筋力トレーニングが必要ないとは言わない。その尋ね方から察するに、歌坂はわかっているが、そのスポーツ、そのポジションによって、必要な筋肉は変わってくる。オイラが型を教えるんじゃなく。おまえ達が必要だと判断した時に、自発的に型を学んでくれればいいと思っているんだ」


「よく解りました。雁野先生、有難う御座居ます。それでは、マラニックに必要な物と、目的地、交通機関等の検討に入らせて頂いても宜しいでしょうか?」


 打てば響く杏莉子。

まだ……遠いね。

うつむくよりはあおいで、



ニコぱっ☆



「いーなー歌坂。やりやすいわー。観光名所のガイドや地図なんかはあるぞ。二日前までに頼めば、学園が弁当も用意してくれる。絶対にきるくは持って行ってくれ。オイラは見てるが、おまえ達を先ず信じて、極力引っ込んでおく事にする。気を付けてな? あとは少しずつみんなで詰めていこう。一生勉強だ。オイラにも、教えてくれよ」


 ご指導の、


結局は、


自分で学習する力を持ってもらう事なのでしょう。


 だからこその、



「自習室」。



 皆様で、六時間目終了まで、

方針について話合ディスカッションい。


マラニックは、


来週の月曜日から開始。


 雁野先生は、

川瀬先生に、

頭を下げられてしまいまして、



「Eのきるくもご用意しておきます」



との事で御座居ます。



………………

…………

……



 皆様で協力し、



目指すは、およそ10キロ先。




総合公園【世陽緑地ぜひりょくち】へと、








相成りました。



 あるく? はしる? やすむ?

じぶんをしんじてけつだんする

ゆっくりあるこう

歌 SUPERCAR 作詞 いしわたり淳治 作曲 中村弘二

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ