第73話~歌坂 杏莉子の場合~「意味なしアリス」
「わちももう探しに行く。ではな捧華」
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北方は動いた様に、視える。
さすが、やりますね祷。
一人称は悩んで、視える。
すぐさまは、
式極可変にて、
想う三人称探索の為、
よく極めて、視える。
“感覚”“強化”か“時間”“跳躍”か。
問題を考えてみましょう。
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まず感覚強化でのかくれんぼ。
主な問題は、
脳内構成物質をどれほど継続して、
流し続けたら三人称「雁野」「先生」を、
効率よく発見できうるか、
有力な見通しが現状見つかりません。
入学式の一件で、
一人称も無理と過剰は、
控えねばなりません。
第二の問題、時間跳躍。
こちらは、案としては、
より無難に現時点、視える。
一定量のリスクとリターンが予測、期待できる。
しかし、肝心の三人称の確かな場所がわかっていない。
過去に跳び、例えば職員室を探し「先生」に、
「今日の授業はかくれんぼですね。見つけました」
しかし、職員室も、そこに先生が居るかも不確か。
場所の情報をある程度確かにしておかなければ、
跳躍精度も大いに鈍る。その二次的な被害で、
例えば高空に跳ばされたり水中に跳ばされたりの際、
肉体強化まで式を極めては旨みがなくなる。
先生のかくれんぼ合格承認をうけられるかも未知数。
未来に跳んだところでまた然り。
…………ラーメン……も、悪くはありません。
が、
捧華の拳がまだ効いているようです。
「まだ負けはしません」……示さねばなりません。
俯瞰の為にも、
突き放す時は突き放しておかねばなりません。
少し複雑に“式”を組む事に致しましょう。
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……“式極可変”乞い願い奉る……
……“乙”第一宿……
……“角宿”……
……星官“平道”……
……“突貫”……
「雁野」「先生」までの、
筋道が、組み立てられ通ってゆく。
あとは、転んで痛い思いをせぬ様に、
歩いて参りましょう。
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……
三人称「雁野」「先生」から、
合格承認を頂き、
教室へ戻る為、
廊下を歩く一人称の前から、
一人称。
「……一人称は、何処から?」
一人称は答える。
「“多世界跳躍”を試してみました」
一人称はさらに尋ねる。
「それでは、一人称は、可逆的未来から?」
さぁ、
「不可逆的過去かも知れませんよ?」
そう、一人称達は、
結局知れ、
ません。
ですが、
「三人称に御迷惑ですよ?」
「双子で解決可能と判断」
なるほど……。
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……
本日も、
六合は、
頑健にて、
御座居ます。
がくえんのなかのアリス
かのじょはうたう
ぎゃくのぎゃくのそのまたぎゃく
歌・作詞・作曲 谷山浩子