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XO!i  作者: 恋刀 皆
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第63話~前夜~「越天楽今様」

 ……夢……を……みていた……、


とかく、


久方振りに、瞳を、開く。




「……っ? …………鼻……血……だ……」




 心をわずか置いたのち、関せず。

眠るぞ。

鬼よ。天よ。血よ。


「“ てんけつ”」


………………

…………

……


 ……っ……


……運……ば……れた……?

……今に、……なに……が、ある?


………………

…………

……


 暦は2016年四月九日土曜日大安。


「……兄様っ、お久し振りです。お早う御座居ます」


合点。


おきるがやったのかい?」


末弟に、尋ねる。


「はい。命宿りし日々を、承けて下さいますか?」


不承不承だが……、


「ああ、承けようかな」


声音つとめるが、優しさにはいたらず。


いつの間にか、


「あなたが承けなければ、なにも転りはしないのです」


上の姉様、まわり


起きたての耳には、響きすぎる声音だ。


「ですから転姉様。小生は承けると……」


こちらもまた、


「そうしてもらわねば、こちらも結ばれぬ」


長女、むすび姉様立つ。



「はい。わかっております。学び舎へと、向かえばよいのでしょう?」



三対一ではな。……やれやれ。



「食事と風呂を、よろしくお願いします」




なかなかうまくは行かぬ世を、




………………

…………

……




 不承不承と、家を出る。




両眼は閉じ。


あらゆる場面を想定し、

……感じ……考え……感じ……

繰り返す。


“言の葉廻し”。

……は、よいか、


今日は車だ。


学び舎までの車に乗り込み。

物事になれてくると。

ややもすれば、



桜の音がする。



 ……そうか……、春、だ……。



小生は季節では、夏に、あたるかな。


春はおとうとかな?


嗚呼、


だから、


こんなにも、



愛おしいのかな?





と降りる雨音の調べ。


おや?


日は照っているのに、


今日は“狐の嫁入り”か……、


天がいずれにせよ……、


………………

…………

……


「ひさかたの 光のどけき 春の日に……」


………………

…………

……


 ……どうか、桜を、


はやく散らせないで下さい。



小生は、

不承であり不笑わら、……えなかった。



これよりの学び舎で、








君と、出逢うまでは。



しょうせいはきみにほほえんでもらいたい

作詞 慈鎮 作曲 雅楽より

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