第58話~前夜~「Old Friends」
惑星と惑星。
星々と星々。
宇宙と宇宙の間に、
そこはあるの……、
【郷愁図書館「愛別離苦」】は。
………………
…………
……
今日はあの方との逢瀬。
朝から奮闘が始まる。
ハンモックから降りて、全ての生命の息吹にご挨拶。
澄んだお水で心身を清めて、
衣服に悩む事しきり。
結局はシンプルイズベスト、いつもそう。
それでも悩んでしまうのは、あの方の所為ですわ♡
お洒落は足下から、「よく編込まれた糸靴」に、
「水晶のひと揃え」
頭上には「春を謳うつば広帽子」
脇をかためる「不思議を仕舞う肩掛け」
香水は「春の息吹」
……そう、……だって…………、
季節は『青い春たち』なんですもの♪
私の従者に、【COVO】を任せ、向かう。
光彩陸離。
どこにでも在る。
たったひとつの入り口で、
あの方は待ってくれていた。
静謐が当然の様に横たわる館内。
輪り廻えす大きな古時計たちの歴史を刻む音。
光年を悠々と眠る化石絵画。
はじまりの生物たちの骨でできた、
理のおわる館。
あの方とふたり長椅子に、距離を置いて腰掛ける。
1センチが永い果てにある。
今日は何をふたりで読もうかしらと、あの方にも聞いてみる。
あの方は言う、
「奥行きのあるもの」を、と。
あたしが手に取るもの…、
「早水 捧華」
あの方はさらに……、
「連なり転れ」
物語が動き出す。
「XO!i」が。
………………
…………
……
傍らに咲く二輪草が呟く。
「友情」「協力」をあなたに、
そして……、
「ずっと離れません」
わたくしはあなたのゆめ
Song Simon And Garfunkel