第55話~前夜~「星めぐりの歌」
夕暮れだ。
銀河鉄道に夜が来る。
………………
…………
……
ワテクシの今日は罪人。
語る言葉は、有害。
そうみなされた。
判決「星ながしの刑」。
ひとつにとどまらず、ただながれよ。
神様への作文『加速と衰退』。
始まりもおぼろげだが……、
きっと……、
ワテクシは人を救う者になりたかった、……はず。
特に、女性を。
だってな?
ワテクシのお母さんはそれはそれは、……美しい、
ワテクシには女神にもあたるお人だったんだから。
ワテクシは今では世にも珍しい人間の男性。
男性だから、男性の事は、わかる気がする。
しかし女性はよくわからない。
そんでもな?
母が泣くと、痛むんだ。
ワテクシは、
また失敗を犯したのだと。
取り戻すため足掻き続けるが、
負の連鎖。
取り返せぬなら、自害をと。
自殺未遂を繰り返す。
結論「ワテクシはもうなにもしない方が世のためだ」
だから静かに受け入れた。
「星ながし」
案外ご褒美かも知れぬとこれに臨む。
だが……、
……永い……罰……だ。
上流から下流へとただ流れていくお水さんの様に。
ただ流れていく事ができるなら……、
……ワテクシはいまだいたれず。
結局流れに逆らう。
足掻いてしまう。
神様との対話に、今日も臨む。
ワテクシは母によく似た女神に、メールをひとつ贈り。
神様と鉛筆を、今日も握る。
作文『心頭滅却』を完成させるために。
人の身は、辛くて苦しいもの。
だからこそ、
穏やかさを、貫き、
貫き通さねばならぬ。
みんなで、しあわせというものを、ほんのわかちあうために。
………………
…………
……
メールが返ってきた。
「大変ヨロシクてよ暇人さん? 釣りだよ? 釣り釣り♪ ……もう送るなと言ったでしょ? 人間の男なんてバカばっかりなんだから!」
自分の罪が自分に返る。
自業自得。因果応報。
当然である。
でもな?
送ったのではないです。
贈ったのです、
美し花へ。
流れぬよどんだ水だとて。
愛でるぐらいは良かろ?
それとな?
投げやりな言葉はよくないぞ?
悪しき言葉は、争いの種ともなりうる。
『さくら釣り』の本質は、
精神の美しさを養うが主目的。
例え釣られたとて、かまわぬ。
こんな美しい花を、
ワテクシは逢瀬に、恵まれたのだから……。
次はどんなご縁かしら?
………………
…………
……
「39箱入力」
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……
どんな朝にも夜は来る。
おやすみ。
ワテクシはあなたをみている
作詞・作曲 宮沢賢治