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XO!i  作者: 恋刀 皆
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第46話~前夜~「Amazing Grace」

 27(ふたなな)、

14106(ひとよんひとまるろく)の、


お星様に、


ねがいのことばを、

ささげるきもちを、

たたれた日。


14106は泣きました。


 そのつぎの日のこと。


27はとつぜん、14106の敬愛する、

怪物王のおきさき様にえらばれました。


14106は、

うれしすぎてかなしすぎて泣きました。


お星様がかがやくのはあたりまえの事。

怪物王はやはりおめがたかい。


14106は鼻がたかい。

たかすぎて、ぽっきりおれそうなくらい。

27はお城へと。


 しょうがないよ。


お星様のそばにいられるのはお星様だけなんだから。

お医者様とカレーライスが教えて下さった。


『たるをしること』みのほど。


それはけっして悪い意味なんかじゃない。


 でもね? 14106の、


ねがいおもいはこう、


…………

……


 14106も27がいてくれたらお星様みたいに、

かがやけるんだ。だから……、


………………

…………

……


 でもね?

かがやくとくらくもなるんだよね。

怪物王はもっともっとお辛いにちがいないんだ。



だから、しょうがないよ。



………………

…………

……



奴隷街に怪物王がやってきました。

あいかわらずお美しい。きっとみこころもそうにちがいない。

うん。



「じゃあもう行くね? 14106、よくしてくれてありがとう。でもなんで27なんかが……?」


………………

…………

……


 14106、おこるよ? かなしいよ?

14106は、「えいえん」を27にささげたのに……。


……でも、……これだけだった。


………………

…………

……


「それは、ふたななはお星様だからだよ♪」


怪物王が27のおそばに。

そして、14106に言った。


「奴隷。連れ添いご苦労だった。消えてよい」


14106はできるだけうやうやしく。


「はっ」


「低い場所はやはり臭くて醜いな。どうだ奴隷。高き城へと連れて行ってやろうか?」


でも……それでも、14106は言いました。



「14106は○をうえがわからかくくせがあるんです。でもしたがわからかいても、○は○ですよね? だから14106はやめておきます。

怪物王、みこころ、ありがとうございます」



なんとなく怪物王はゆれて。


お星様とお星様は奴隷街をさっていきました。


………………

…………

……


 それから、しばらくの季節が経ち、

14106は少し賢くなれました。

それは……、

やはり敬愛する怪物王が開発された、



EYESYSTEM(アイシステム」のお陰なのです。



14106はEYESYSTEMに選ばれ運ばれて。

現在は喫茶店【どんぐりの家】を任されています。


お席は二席だけ、

それが怪物王のお達し。



「奴隷。一期一会。写す鏡を大切……にな」



14106は何故かそのお言葉に、

果てしない怪物王の悲哀を感じ、

生まれて初めて祈りを覚えました。




神様……、




どうかふたつの敬いと愛するお星様に、








必ずの幸せを。



ぼくをおふたりのために

Lyrics John Newton Music unknown

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