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第42話~前夜~「調和 oto〜with reflection〜」
彼女の部屋。
唯一の鏡。唯一の理解者と居る。
心身ともに裸で、
抱き合っている。
性的なものではない。
彼女をつくっている。
彼女の記憶を。
彼女には、
大きすぎる想念。
大きすぎる屋敷。
大きすぎる部屋。
大きすぎる力“字伏”
此方人等は強くあらねばならない。
彼女と歩む為に。
それでも彼女の記憶を集めていると涙がとまらない。
彼女? 此方人等はここに居るよ。
かくす此方人等。
だます此方人等。
大嫌いだ此方人等自身。
此方人等が解放すると、
彼女の涙をみる事になる。
しかしそうしなければ。
此方人等文字通り「命」を失う。
………
……
…
此方人等告げる。
「“調和”完了」
此方人等、笑む……しかない。
「ああ。もう大丈夫だよ」
痛い。
っ
と接吻。
唯一のご褒美。
生きる意味。
まだ肌寒き春四つの事。
希望の学び舎よ。
どうか彼女を普通の女の子にしてあげて下さい。
彼女の真心の笑顔をみる為に。
でもどうか、
此方人等以外に見せないで……、
きっとこちとらはもうくるっている
歌・作詞・作曲 KOKIA