第25話「懐かしい宇宙(うみ)」
ふたりはふたり、でもひとり。
オカシイね?
ひとつがふたつにわかたれる。
そのいたみがおしえてくれます。
ふたりはともに生きていることを。
ふたりでひとり。
だれにだっているはずだよ?
魂のふたごが。
とんで……とんで……とんで……とびつづける……、
はるかにほし。
くおんにかなた。
きかがくにまほうを。
げんしょにかがくを。
宇宙をとぶふたり。
ぎんがのうみにはまだまだしらないことが、
たくさんあるはず。
たとえば、
とぶふたりをたのしげにみつめる人々。
うちゅうじんかな?
それでもふたりはしっているんです。
うちゅうじんなんて、
どこにでもいること。
かんがえてもみてください?
ほら?
あなたがうちゅうじん♪
宇宙をたびする、
うさぎのでんしゃ。
のっているあかげのおんなのこは、
とぶふたりをみてつぶやきます。
「わあすてき♡」
………………
…………
……
おんなのこは魔王にたずねます。
「魔王さま? 宇宙のはてはどうなっているんでしょう?」
「わからないよ……。どんなにちいさな塔でえらそうにしてても、ぜんぜんとどかない。でも……それでも、宇宙をみてるとおもうんだ」
「それは、わたしめとおなじおもいでしょうか?」
「きっとそうさ」
ふたりは手と手をさらにぎうとして、
きっと、
おたがいに、
おもったことでしょう……、
……ああ……懐かしいなって……。
ギュってして
わたしのなかにうちゅうがある
うちゅうのなかにうちゅうがある
歌・作詞・作曲 新居昭乃 編曲 保刈久明