第145話~別れは出逢いの始まり~「Starduster」
「……と、言う訳で心也君。私達、別れましょう」
「…………、僕としては99%NOですが、
残りの1%、本気で倖子君がどうしても辛く苦しいのなら、
仕方ありませんね」
「そーゆートコそーゆーコト、
心也君てさ、人として何処か、心底冷たい部分があるよね?」
「僕の情が薄いと捉えればいいなら、確かに否定はできませんね」
「もっとこーさ? 情熱を感じさせてくれないかな?」
「愛していますよ、とても。
倖子君を失ったら、僕は何に心を預けて生きればよいのか、
分からなくなるくらいに」
「ちっ、私に甘えやがって、男だろ!?」
「倖子君のタイプの男性にはなりたいですが、
四十手前にして、早くも心身に無理が利かなくなってきつつあります」
「私、弱音吐く男も嫌い」
「倖子君は好き嫌いがはっきりしていて羨ましいですね」
「なんだだんな様!? 私をバカにしてんのかっ!?」
「そうゆう所も、僕は好きですとお伝えしたかったのです」
「ふっ……ふんっ! よし、離婚は撤回だ」
「はや、……あの、
もう僕達の間には、三人の子供達がいるんですから、
こういうやりとりを何度も繰り返すのは、やめにしませんか?」
「私こそ、このやりとりが失くなったら、私達は夫婦でなくなるわ!
どんなご夫婦だって、きっといつでもギリギリの選択肢の中で、
お互いの愛を確かめあっているの」
「愛……ですか、
本当の意味で、君を失ってしまったら、
僕がこの世に生き続ける意志は、ずっと希薄になってしまうね」
「をいをい? 私がいなくても、心也君には子供達がいるんだろ?」
「倖子君? 僕がせかいで一番愛しているのは、
君か、利己的な僕自身のどちらかですよ。
それがどちらにせよ、「愛」の存在を教えてくれたのは、倖子君です。
一番に子供を愛せないのは、僕の人間としての欠陥かもしれませんが、
倖子君を一番に愛したいという点は、譲る事ができないものです」
「私は心也君の事なんて愛してないけどっ?」
「構いません。想えるだけで充分です。
それに、僕は子供達が、
「永遠の人」に出逢うまでの架け橋の役割に過ぎません。
子供達が「永遠」を見つけた時、邪魔者にならない様に消えてゆくだけです」
「心也君ゆったなー!?」
「倖子君をみてると、そう想うんです」
「そーかそーかそうでしょう!?
でも今心也君には私がついているんだから、
もっと自信もちなさいっ!」
「嗚呼……、そうだね。
僕が、ボロボロでも、前に進む一歩を踏み出せるのは、
君や子供達、こんな僕を支えてくれている人達のお陰ですからね」
「うん、……ふふ♪ 今夜もお星様は薄灰のカーテンの向こう側ね」
「ええ……、現在はそれが良いと想ってしまいます。
……僕でも、愛する人との秘め事を、
そっとしておいてほしいと思いますし……、
ですが、
ほのかに光る……月が、綺麗ですね」
………………
…………
……
僕は、強がりもある……けれど、
もう君に愛されない事は恐れていない。
君を愛せなくなる事だけが、切実に恐ろしい。
でも……、
だけど……、
秘めるだけなら、
許してもらえるだろうか。
こんな……最上に……贅沢な、願いを……、
どうか……、
どうか…………、
どうか………………、
愛を……と。
………………
…………
……
っ
あいしています
スターダスターはかんぜんにツインレイです
つねにあなたのもとへ
歌 ジミーサムP feat.初音ミク 作詞・作曲 ジミーサムP