第125話~捧華に捧げる~「Strong Enough」
捧華へ
捧華の成長は、僕の想像以上です。
腐っても父親として誇らしいよ。
ただ、皇くんは背負っているものが極大さえ超える方。
捧華が皇くんと居たいなら、
その為の十分な強さが必要かもしれませんね。
こんな事を告げると、捧華に嫌な想いをさせてしまうけど……、
僕はクズ野郎です。
これまで誰の期待からも背いて生きてきました。
それでも一所懸命でしたけれどね……、
だからまだ生きている事を許しています。
でもね? 僕は思うんだよ。
何も本当じゃないし、何も正しくない。
だからそれは、捧華自身が決めて、戦うべき事です。
僕が決意している事は、
君を家族を、どんなに裏切り続けても、
愛してると伝え続ける事です。
嘘を突き通し、本当にする事です。
それが僕の持つ、たったひとつの強さを十分にするものです。
僕は正直倖子君をほとんど理解していません。
分からない事を分かろうとし続けています。
捧華? 僕が共感する最高のコミュニケーションは、
ただ傍に居続ける事だけだよ。
科学というものが永遠を歩むなら、僕にとってそれは神です。
科学には嘘を本当にする際どい一面があります。
1+1=2ですらそう、完璧完全で対等な1と1がある方が、
普通に考えたら珍しい事じゃない?
科学は人間に与えられた千変万化する代物だと思っています。
例え科学が無量大数の歳月を歩めたとしても、
永遠は、人間にははかりしれません。
だから捧華?
どんなに虚しさを覚えても、
分からない事を、分かろうとし続けて下さい。
最後になりますが、
覚悟というものを自身の魂に刻み込んでしまったら、
例え最愛の人間が傍から居なくなってしまっても、
僕達の魂が絶対に絆いでいると信じて、離れる事はないと信じて、
貴女の命を生ききって下さい。
ささげ たんじょうびおめでとう
ささげのえがおがぼくをえがおにする
あなたはかんたんにぼくをみつけられるよね
Song Sheryl Crow
Lyrics/Music
David Ricketts / Kevin Gilbert / David Baerwald / Brian Macleod
/ Sheryl Crow / Bill Bottrell