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テンプレを壊して僕はモブ子に恋をする。  作者: 戸塚 秦
テンプレ世界へようこそ
8/37

西宮薫は物語る。

超能力者、魔法使い。

異能力者において、日本において、トップに君臨する者たちがいる。


その名も「蓮寺家」。


記憶に新しいと思うが、もう一度、詳しく説明したいと思う。


蓮寺家は

水蓮寺、木蓮寺、火蓮寺、黒蓮寺、煌蓮寺


で構成されており、


木蓮寺は、戦闘的能力が高く、実戦タイプである。

現在最高権力者は木蓮寺希。


水蓮寺は、能力を操ることに長けており、見た能力をコピーすることができるほどの高度な技術まで備えている。

現在最高権力者は水蓮寺要。


火蓮寺は、頭脳明晰で独自の魔法や、術を作ることもある。

現在最高権力者は火蓮寺由伸。


黒蓮寺は、基本的に闇堕ちした能力で構成されており、闇堕ち能力者を身内に誘うこともあるそうだ。

現在最高権力者は黒蓮寺由紀。


煌蓮寺は、道具を使った能力などを得意とし、魔道具を作ることもある。

現在最高権力者は煌蓮寺楓。


この蓮寺家が滅多にないが、緊急で会議を開くことがある。

海外の能力者が危害を加えた時や、国内の能力者が暴走し、誰の手にも負えなくなった時などに開かれたのだが、今回の議題は今までで一番深刻であった。


「さて……わかっていることがあるなら教えてくれないか」


会議は自然と最年長の火蓮寺由伸の発言から始まる。


「少し前に、僕のところの魔道具が少々無くなりましてね、今探し中です」


「そんなしょーもないことはどうでもいい!!楓よ!!この現状を考えてくれ!!」


大きなテーブルを握りしめた拳を叩きつけて由伸は言う。


「まぁ、そんなカッカすんなや由伸ちゃん。皆分かってると思うぜ?今の世界がどれだけやべぇか」


木蓮寺希はこのメンツで集まる時には、なぜか一層態度が悪くなる。最年長の最高権力者相手に堂々とした物言いで言う。


やはり元の世界での世界4強は、伊達ではない。


「……毎回言うが、口の利き方には気をつけろよ木蓮寺」


「そーかいそーかい。悪かった悪かったー」


「このッッ!」


「まぁまぁー。集まってきたのは喧嘩するためじゃないんでしょー?ほら、落ち着いて落ち着いて。現状を理解するところから始めるんだっけー?」


「要さんの言う通りですよ。…毎回毎回楽しいですか?今はこの問題に向き合いましょう」


会議が始まれば、希と由伸が喧嘩し、要と由紀が止め、楓は自分の魔道具作りに夢中になるというのがお決まりだ。


しかし今回はその決まりきったルーティンが少し短く終わった。


「私の知ってる限りではー、今のこの世界は、誰か1人を中心に回っていて、その1人の周りの変化によって世界ごと変わってしまった。と言えば正しいのかな?まぁうん。その主人公に合わせて、世界も主人公仕様になってしまったということさ」


説明好きの要が先陣を切って話す。


「私のところも、ずいぶん闇堕ち能力者が増えたと、言っておりました。しかし、それは大抵学生や、教師などがほとんどで、あちらはあちらでグループをつくっているらしいですよ。そのグループの名は…」


由紀が言おうとしたところを希が奪う。


「オーバーロード」


「…希さん。知ってましたの」


「そりゃあね。私の下には優秀な部下と弟子がいるからね。あとそこらへんはもっと詳しく知ってるよ」


皆が食い入るように希を見る。

要以外は。


要はもう知っていて、自慢げに話す希を見て楽しんでいるようだ。


そして薫から話してもらったこと、蓮の未来予知のことを全て話した。


「…我々を無視してこの世界はこうも変わってしまったのか」


「由伸さん。それは逆に好都合ではないですの」


由紀が提案する。


「周りの人間は世界の影響で狂ってしまったのかもしれませんが、私たちは何があってもいいように前々から結界を張っていたので影響を受けません。この世界を変えるには、戻すには私たちしかできないんじゃないんですか?」


希はフリンにも結界を頼んでいたので、2重結界になってきた。

希は蓮寺家の事をあまり好きではないので信用も薄かった。なので念のため、フリンにも頼んでいたのだ。


「…由紀の言う通りなのかもしれん…。ここは全員協力して、世界の滅亡を止め、元の世界に戻さねばな。この会議を毎週行うことにし、活動報告及び、変化を伝えるように」


「そーかい。じゃあお前のツラを毎週見ることになるな。由伸。不快極まりねぇ」


「黙れクソアマァ…」


「希ちゃん、言葉遣い悪いよ」


要は2人の喧嘩を楽しそうに見ていた。









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



あれだけの大事があったのに、学校はいつも通りだった。行方不明者や、死亡者もいるのに…

怖いな。


僕は次の日学校に行き、智美を叱って、そして泣くから慰めて、教室に行った。


「やぁ薫。昨日はサボリかい?珍しいな」


「うるさいな。たまたま体調を崩しただけだよ」


「今日も遅かったから遅刻かと思ったよ」


いや。

遅かったのは智美と、ムーさんのせいだ。


昨日が昨日だったので、ムーさんに


今日は厳しめにお願いします。


と朝練を頼んだところ、いつもの特訓の何乗にも厳しくなり、死ぬ手前まできたので体を休めていたのだ。


あの人は加減を知らない。

マジで死ぬところだった。


「それは…いや、なんでもない」


「おぉ。言い訳なしか。潔いがいいねぇ。武士かな?薫は武士かな?」


よくわからない事を言っているので無視した。


「はーい!LHR始めるよー!!」


あぁ…朝礼か。

ってええ?担任は…僕が殺したんだった。

あれ、変わってる。


皆…適応力すごいな。誰1人驚いてないよ。


「今日から君たちの担任になる、鈴谷香菜子、24歳B型3サイズは上から89、57、86でーす!よろしくよろしくぅ〜♡」


いや、これは驚くだろ。


初めてだよ、自己紹介で3サイズ言われたの。

しかもグラマラス。若いし。

思春期男子をいじめんなよ。


「薫…恋をしたよ」


「簡単だな!?達馬、お前はビ○チ風お姉さんでいいのかよ!?」


「なんだ!薫!!性欲に素直なのはいいことだろう!?」


ダメだこいつ。


「はいそこー!今私のことビ○チって言ったでしょ!!ねぇねぇ!西宮薫くん!!」


「えぇ!…あ、言ってないっす」


「嘘つくなーーー!!!」


僕は咄嗟に答えてしまった。

しかしなぜ僕の名前を知っているんだ?

今日来たばかりだろ?…来る前にクラスの奴ら全員名前覚えてきたり?そんなに気合入っているのか?


「全くー…皆!これから少しの間だけど、よろしくねぇー!!」


「「「「「はーい!!」」」」」



生徒は一段と大きい声で返事をした。

というか、少しの間って、2年と3年はクラスメイトとクラス担任は変わらないんだから少なくとも1年以上は担任をするんだぞ?


少しの間ではないだろ。

時間感覚老人かよ。




僕は香菜子の言葉の深い意味を捉え切ることができなかった。





LHRが終わり、僕は勇気を出して彩さんに声をかけてみようとした。

この世界に来てから喋っていないので、そろそろ禁断症状が起きてしまうところだった。


危ない危ない。

彩さんはクスリかなんかかな?


とりあえず僕は彩さんの席まで行った。


「お、おはよう彩さん!えぇっと…あの…そうだ!今日学校帰りどっかお茶でもしてかない?」


何を言っているんだ僕は。


あの天下の彩さんをお茶に誘うなんて。


というかクソみたいなナンパっぽかったな。

気持ち悪い。


「ご、ごめんなさい彩さん!!そういうこと言うつもりは…!」


僕は必死に弁解した。

そりゃ嫌われたくないし、キモがられたくないし必死になるわ。


しかし彩さんの反応は思っていたものとは違った。


これは悪い意味で。


彩さんは僕の言葉を聞いてニコっと微笑んだ後、何事もなかったかのように、決まりきったルーティンのように無感情に席を立ち、教室を出て行った。



………………………。


僕、死んでいいかな。


いいよね、何も言われるのでもなく、ただただ微笑んで軽く僕を無視したら、もう生きる気力を無くすよね。


僕と彩さんは全然話さないような仲ではない。

むしろ、女子の中では結構お喋りをする方だと思っている。


ただ僕がお喋りする時にテンパって、緊張して何を話したか覚えていないだけで、結構2人で仲良くしていることが多い。


今の返事だって、


「あ、おはよう薫くん!…いいよ!どこに行く?」


または、


「おはよう薫くん。何、急に田舎臭いナンパみたいな事して。恥ずかしくないの?」


か、どちらかの2択だと思っていたのに。




「どうして……」


彩さんの中で僕はもういない者となっているのか。

それだったら僕は生きている意味がない。


うん。

死のう。


世界が滅亡するとか沼西がどーとかどーでもいいやーー。


世界を救った後、元の世界に帰れるという保証もないしな。




………………。

しかしこちらの世界でも、彩さんに死なれては困るな。

というか、命の恩人を死なせるなんてことはありえない。

僕がいくら普通に執着していて、能力を過小評価し隠していても、彩さんの命の危険を感じた場合は現実世界でも全力で助けていただろう。


勿論能力をフルに使って。

人目を気にせず。



なぜ僕が彩さんに執着するかって?

それは僕の異能力を手にする出来事に関係する。

そして僕の父にも関連する話だ。



では、その思い出したくない、世界一聞きたくもない昔話を語るとしよう。




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