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テンプレを壊して僕はモブ子に恋をする。  作者: 戸塚 秦
Grauding Overroad Destroyer
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共闘する黒炎



火蓮寺由伸は部下数人を連れエジプトに向かっていた。



由紀から連絡が入り、今行なっているグラウディングのアジト一掃作戦を中断しジェット機で向かっているところだ。

本当なら木蓮寺のフリンにワープを頼みたいところだが、あちらも忙しいのと、すぐにエジプトに乗り込んで大丈夫とは保障が持てなかったため火蓮寺のジェット機で向かうことを決めた。



「…。ここが正念場ということか」


「由伸様、もう少しで到着致します。由紀様達はもうすでに元異能支部に降り立ったとの情報が入っております」


「ご苦労、多恵」


火蓮寺多恵は火蓮寺の実力的にNo.2。

由伸の右腕となっている女性だ。


「……多恵。この先俺もお前を守れるか分からないしお前も俺を守れるかわからない。どちらも死ぬかもしれない。そうなったらこの先の火蓮寺は衰退の一途をたどり、無くなるかもしれない。……だから」


「ご冗談を、由伸様。私はいかなる場合でも貴方様について行くと決めたではありませんか…。今更どうこうすることはありませんよ」




2人は夫婦仲でもあった。




「おいおい由伸殿ォ!!今から敵陣に乗り込むというのにお熱いですなァ!!!ガァッハッハッハッハッハッ!!!!!」


豪快に笑うのは火蓮寺操劉。

190cm以上もある大きな体格に分厚い筋肉。

今にも着ているスーツがはち切れそうだ。

由伸達がいた部屋に大きな音を立て、扉を開けて入ってきた。


「操劉…。というお前はいつになく楽しそうだな」


「当たり前ではないか由伸殿!!!今から向かう敵陣には、普段じゃ考えられんような強者が蟻の如くおるのだろう!?そりゃあこの身体に流れる血も滾るのも当然であろうゥ?」


操劉は血の気が盛んで戦いを好むが無駄な殺生はしない、心はとても広い人格だ。

冷静に、時に冷酷に戦う多恵とはなかなかそりが合わない人物でもある。


「…火蓮寺の特攻隊長が呆気なく即死というのはやめてくださいね。…貴方の場合は本当にありそうで怖い」


「ガァッハッハッハッハッハッ!!!!!!ここ最近で一番笑える冗談をかますではないかァ!!!!!多恵殿も少しは『笑い』というものを心得たというものか!!!ガァッハッハッハッハッ!!!!!」


「…はぁ…先が思いやられる…」



操劉は人の話をあまり聞かないタチであった。





「…お喋りはその辺にしておけ。そろそろ着陸準備に入るぞ。黒蓮寺由紀に連絡を繋げ。今異能支部に降り立つとな」


「了解したァ!!ちょっくら由紀殿に繋いできますわァ!!!!」



大股で操劉は部屋を出て、大きな音を立て扉を閉めた。


「さて、始めようか。サーマルキュレー!!!」



ーーーーーーーー黒蓮寺一行ーーーーーーーー


「降り立ってから何時間経ちました?」


「30分ほどしか経っていないかと、我が君」


「へぇ…案外長いものですね、30分も」


「それは…この状況下ではしかないか…とッ!」



黒蓮寺一行はエジプト異能支部に降り立つや否やグラウディング、オーバーロードの組織に出迎えられていた。

ジェット機は真っ先に破壊されたが、全員降りて戦闘準備をしていたため、被害はない。


むしろ、黒蓮寺一行が圧倒している状況下にあった。


「これではアジトへ向かうにも一苦労ですね…」


由紀は向かってくる敵を次々と動くことなく殺していく。




仁王立ちでもなく、棒立ち。




由紀は血が飛び散る戦場の中で棒立ちしていた。

しかし由紀の影からは闇堕ちした黒い魔法で触手のようなものを何本も造り、襲いかかってくる敵を串刺しにしている。


この触手攻撃には基本的に死角はなく、後ろからの襲撃にも対応している。

なので由紀は棒立ちするだけでいいのだ。


「なんなんだあいつら…全員俺達と同じ、闇堕ちした異能力じゃねぇかよ…」


「日本の蓮寺家だかなんだか知らんが、訓練された俺達に勝てるわけねぇだろ!!…グファ!!!」



「クソ虫がよく喋るな…」


八戸彦が素手で殴り飛ばす。



「使う異能力は闇堕ちしているがな、お前達とは一緒にしないで欲しいものだ。俺達は全員、我が君に救われた者ばかり。ならず者の集まりとは違うのだ」


「クソ野郎がぁぁぁぁ!!!」


「ガァッハッハッハッハッ!!!よく言いおった!!!」



空から声がする。


ジェット機が着陸する前に操劉は飛び降りて戦場へと降り立った。


大きな刃を持った薙刀で八戸彦に襲いかかろうとした敵を切り裂く。


「闇に堕ちながらも光射す道へ行かんとす…その心意気さえも感じられぬ不届き者と貴殿らはとでは、雲泥の差があるわい」


地面にヒビが入るほどの衝撃を受けながらも無傷で着地する。


「…物語のような登場をする…。貴方もこの世界に染まってしまったか?操劉」


「ガァッハッハッハッハッ!!馬鹿言え!!こんなもん、日常茶飯事の範疇である!!!!」




たしかにこれほどの無茶は元の世界でも操劉はしていた。

しかも今の状態は異能力を使っていないのだ。

通常の体であの行為が成せるのだ。


操劉曰く、

『鍛え方が違うのだ鍛え方がァ!!!』

らしい。


「しかしー…見るからに…ワシが求めていた強者という者はおらんのう…興ざめだ…八戸彦殿、勝手にやっておいてくれ。ワシは寝るッッ!!!」


「馬鹿者が!!!!!」


「痛ェッッ!!!!」


寝ようと横になろうとした体勢の時に、後ろから多恵がゲンコツを食らわした。


「随分早かったですね…由伸さん」


「あぁ…行なっていた作戦を中断しこちらへ向かった。……だが、これは思っていたよりひどいな…」



その多恵の後ろから由伸を先頭に火蓮寺一行が続いた。



ゆっくりと艶やかに振り返る由紀。

背後を見せた途端数人由紀に襲いかかってきたが呆気なく由紀の触手で殺される。


「アジトへ向かわなくてはならないのだけど…こんな様子じゃ行けないでしょう?由伸さん」


「そうだな…。全勢力を持って中央突破と行くか」


「了解しました、由伸様」


「その拠点とやらにはァ…強者が居るのだろうな?」


「オオオオオオオオ!!!!」


火蓮寺一行が雄叫びをあげる。




「心強い味方ができましたな、我が君」


「これで…拓郎に…」



黒蓮寺一行も雄叫びこそしなかったが闘志を胸に秘めていた。
















「はぁ…辞めさせられちゃったよ蓮寺家」


「先輩から急に連絡がきたと思ったら…何してるんですか!!」


「まぁしょうがないよ…でも、こうなった方が動きやすくはなるね」


「先輩…さっきの話…本当ですよね?」


「あぁ…おおよそ当たっていると思うけどね、まぁ黒幕がここで動かないのをみると、もう僕は用済みみたいだ。いつ殺されてもおかしくないよ」


「私は先生のお仕事も並行してやってるんだから、迷惑かけないでくださいね!!」


「はっはー。君はまるで、忠義心というものがないね。僕は悲しいよ」


「先輩にはないですー!……水蓮寺を辞めるとなると…本名を語るんですか?」


「まぁ、そういうことになるね。はぁ…そうなると、結果的に…」





「木蓮寺から潰さないといけなくなるね」






要は単独で、行動を続ける。

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