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テンプレを壊して僕はモブ子に恋をする。  作者: 戸塚 秦
現実世界のおはなし
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西宮薫は説明する。

僕は普通の男子高校二年生だ。


普通に生まれて、普通に生活して、普通に勉強して、普通に運動して、普通に生活してきた。


まぁ例外を除いてだが。

だがしかしその例外をも普通と思っている。



そんな普通の高校生が普通の学校に登校している時である。


「おはよー。薫はいつも眠そうだね。背中が物語ってるよ」


「おれの背中はそんなかっこよかねぇよ。」


「褒めてるつもりはないんだけどね……」


こいつは友達の達馬。鈴木達馬。

こいつもなんも特別なことなんてない苗字と名前をした友達だ。

…全国の鈴木さんと達馬さんにはここで謝っておく。


ラノベでよくみるあんな難解な苗字や名前をしているやつは現実世界ではいない。…いるとすればDQNネーム?というやつか?


「……おっす。かおるん。」


「あ、智美ーお前もいたのか。おはよー」


智美と呼ばれた女の子…高橋智美は僕のあいさつに

プイッと顔を背けてしまった。可愛いとか思ったか?

こいつとは幼馴染という仲で昔からずっと一緒にいる。

まぁ家族みたいなものだな。だから恋愛対象ともみないし。彼女にするとか…パスです。


「そのー昨日はごめんな?そんなに怒んなって…

一緒に帰るの忘れたのは謝るから…」


智美とは親の言いつけで一緒に帰ることになっている。あ。秋冬限定な。帰り道暗くなるから。


昨日は外せない急な用事があったので達馬に帰れないと伝えておいてくれと言ったのだが…


「そーゆーのは自分でいいなよ、薫。」


「それを昨日のうちに言え。」


とりあえず機嫌をなおさせなければならない。

これが結構大変なのだ…今日購買でなんか買ってあげよう。


「それより昨日はなにしてだい?薫。帰りにみんなで新しくできたカフェに行くって言ってたじゃないか」


その言葉に激しく同意とフンフンフンフンと智美が頷く。

あーそか。智美はカフェに行きたかったのに僕がいなかったせいでやめたのか。

それだったら二人で行けばいいのに。八つ当たりか?


「まぁー…あれだ、蓮から頼みごとをされてな、それを片付けていたんだよ。」


「蓮君かー。あの智美のクラスの怖めの人かー。

どーゆー接点があるんだよ、こんな普通の薫と。」


「まぁ共通の趣味というかなんというか…な。

あとそれと普通が一番なんだよ。この世に特別なんか必要ない。」


「でたよ薫の決め台詞…『特別なんか必要ない。』だっけ?」


「……正直サブい。」


「智美ちゃん、核心的な事は言葉に出さないほうがいい時もあるんだ。」


「お前ら…言わせてるのはそっちだからな…」


いつから僕はいじられキャラに…

そんな会話をしているうちに学校についた。

校門をくぐりそのまま靴箱へと向かう。その時後ろから視線を感じた。


「…校舎に不穏な空気が漂っている…これは呪いか幻か…それとも君かな?西宮薫。」


「朝からキツいな沼西。みんな見てるからやめてくれ。」


僕の同じクラスの中2病女子西宮奈々。顔は童顔で身長も小さいから男子ウケがいい。黙っていれば。

こいつは……うん、この話はそのうち話す場面がくるだろう。


「お前も感じているだろう?この光を…」


「今はその話をするな…」


言いかけたところで隣の達馬と智美の存在を思い出す。


「じゃなくてそんな気は感じない!だから早く靴を履き替えクラスに行け!」


無理矢理話を切らして怒鳴るように言いつける。

ごめんな沼西。


「…ひどいよ……」


この半べそかいた沼西はけっこう可愛い。


「かおるん…顔緩んでる…」


「は、は!?緩んでないわ!!どこに緩む要素が!!」


いけないいけない。智美に悟られるところだった。

全く…こいつらはまだ、知らないんだからその話はやめてほしいのにな。


じっと僕を睨みつける智美を放っておいて自分のクラスである2-B組に向かうとした。

その時後ろから殺気的なものを感じた。


緊急回避。


「よぉ。モンハンばりの回避だったな。」


「なぜ僕に対しての挨拶は毎回殺気を放つんだ?

蓮…」


こいつが智美不機嫌の原因となった塚本蓮。

大抵蓮を見るとみんな目を合わせないようにするか避けるかどちらかの行動をとる。

怖がられているのだ。身長も高いし。目つき悪いし。


「そんな無防備な背中してたら誰だって殺したくなるわ。」


まぁ誰も殺すどころか、触れることすらできないかもな、と付け足す。


わかりやすく伏線をはるな。すぐ説明する時がくるわい。


「か、薫ー先行ってるよ〜」


逃げるように達馬と智美が教室へ向かう。


「俺お前の友達になんかしたかな?」


「多分身長と目つきが悪いと思う。」


高身長というのは本当は誇れるというかモテ要素の一つだと思うのだがこいつに関しては裏目に出てる。

性格を知らなきゃこんなヤンキーとは一緒にいたくはない。


中身はゲーマーアニヲタという絶大ギャップ。

ギャップ萌えを狙ってるのか?


萌えるかそんなもん。


とにもかくして2-Bの教室につき、蓮は智美のいる2-Cの教室に入っていった。


「ほんと蓮君って怖いね。目があうだけでビビって固まっちゃったよ。」


「あいつはメデューサかなんかか。あいつも立派で普通の高校二年生だよ。特殊能力なんか、もっちゃいない。」


「そこまではいってないけどね。」


僕は今ひとつ小さな嘘をついた。だけどこれは知らない人、関わりのない人にとっては嘘かもどうかもわからないので気にしない。

わかりやすい伏線かな?




そんなこんなで普通の授業が始まり、普通に時間が過ぎ、普通に下校時間となった。



「おい、ゴルゴンゾーラ。」


「人をちょっとRPGの中ボスぐらいで出てきそうな料理名で呼ばないでくれ蓮。」


「今日も用があるそうだ。」


僕は蓮から告げられたその言葉で一気にどん底へ落とされた気分となった。

理由は三つ。


一、また智美の機嫌を損ねること。

これは…まぁ大した事じゃない。…かな?


二、今日は家に帰って新作RPGを進めたかったこと。

これにはゴルゴンゾーラはでてこない。レストランへ行ったら出てくるレアモンスターらしいぞ。


三、……ケガをするというか痛い思いをすること。

説明するより行った方が早いかも…。


まったく気が進まない。


「来ないと殺すだってよ。」


「行っても半殺しだろ!!!」


どっちの言葉にしろ『殺』という字が入っているので嫌になる。あ、だったら即死で痛みも感じないようにお願いしよう。名案!天才的だ!


「お前またメッセ送ってないのか…」


蓮に言われてやっと気づく。


「あ、そうだ。僕昨日帰ってきてそのまま寝ちゃったから次の日送ろうと思って…忘れてた。」


「そりゃ、殺されるわな。」


「理不尽が過ぎないか!?」


メッセージ送り忘れただけなのに!


「とりあえず行くぞ。」


「あぁうん…行きたくない痛いの嫌帰りたいゲームしたい」


「腹くくれよ…」


どーこーしてまた智美と達馬との約束を無断で破ってしまった。明日は蓮に謝ってもらおう。

びっくりするだろうな、あの二人。




二人でアニメやゲームの会話をしながら道を行き、

ある細い路地の突き当たりについた。

そして僕は突き当たりの壁に向かって三回ノックをした。


コンッコンッコンッ


一般的にみたら、その格好は壁の強度を測っているのか、それとも頭がおかしいのか、その二択だろう。

まぁ答えはどちらでもないんだが。


ここで伏線?を張り続けた答えがようやく出るというよだ。まぁもうわかっていると思うけど。


ノックをした直後、壁からぬっと扉が出てくる。

それはまるで、魔法かのような力で静かに音もなくそして気配さえ感じられずにでてくる。


「…合言葉は?」


男か女か、性別がわからないようにしているのだろう。雑音混じりの言葉になっている。


「合言葉はー…なんだっけ?コロコロ変えすぎて今何かわかんないや。」


「お前は本当にバカだな。そしてアホでクズだな。」


そんな責められるか…?


「合言葉は『JK白ニーハイを…」


「言わせないからな!?!?」


危うくR18をかけなければいけなくなるところだった。てかいつ、僕のバックの小ポケット開けたんだ?

僕のお気に入りエロ本の名前まで特定され…ゲフンゲフン。


「……誰かはわかった入れ。」


呆れたような言い方だったが扉は開いてくれた。

合言葉なしでも開くのか!そこじゃないね。僕が変態だと思われた。ま、それもまた男子高校生にとっては普通なのだ。



話は戻るが、察しの通り僕には、僕と蓮には魔法が見える。そして僕たちは魔法は使えないが超能力は使える。魔法と超能力のなにが違うのかと疑問を持ったかもしれないので、説明しよう。しかもすんごい簡単に。


魔法とは生まれながらにして持っている異能力であり、生を受けた時点で異能力を持っていなければそれはもう魔法使いとは呼べない。

超能力とはその異能力が生きている中でなんらかの形で手に入ったものの事をいう。

まぁどちらもおんなじ異能力なので魔法だろうが超能力者には認識できるということだ。


あ、補足補足。一般人にも(一般人というのは自分が特別みたいで使うのが嫌だ。)魔法や超能力は感知というか認識、見ることができる。

見ることができない、魔法使いや超能力者にしか認識できないのは魔法の源だ。

魔法が使われた場所、物、人物、魔法使い自身は魔法のの源の痕跡がありそれを見ることができるのだ。

うーん…見ているものを説明するとー…

うっすら光が扉を包んでいる感じ?かな?


まぁ見えると言ってもそんなものだ。得もなければ損もない。普通だ。

その光の濃さが強ければ強いほど魔法の力も強かったというわけであり、すごく、一等星のように光っているのが魔法使いというわけだ。

そしてなぜか魔法使い、超能力者からは超能力者を見極めることができない。

使っている姿を見れば分かる!それぐらいでしか確認方法がない。…これが結構不便なのだ。

たまに中2病と超能力者間違えるし…。


まぁここまできたら皆様は僕の事を特別視するかもしれないので言っておく。

これらを含め、僕は普通と言える。

それは皆様が知らないだけであって、魔法もあるし超能力もある。その異能力を扱う大勢の中の一人、秀でたものもなにもない、普通の超能力者であり普通の人間である。


まぁ世の中にはまだ知らないものがたくさんあるというぐらいで、頭の片隅にでも置いてくれれば嬉しい。


長々とここまで色々説明してきたが、次は僕の命日かもしれない。なんか結構重要な話だったし。それに関わるメッセージをなぜ送り忘れたかって?

人間、誰しもミスはあるものさ。普通に。

そのミスで僕は死ぬかもしれないのだが…


そして僕たちは扉の中へと入っていくのである。


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