「男らしい卵。」
朝はダメなんだ。
今日も寝坊した。
でも、ちゃんと卵ご飯でも
食べて体力付けなきゃ。
今日は暑くなりそう、
仕事もハードだし。
あ、
卵の殻には菌がいるとか
言ってたな、、、、
梅雨時の生卵は
ヤバイぜって昨日聞いた。
だな、この時期、怖いな、
ちょっと洗お。
水道でジャーして水気を
切ろうとプンプンって
振ったら、
パシャ!!
「あっ!卵!」
「いてーわ、何すんだ!」
「ごめん、今、助ける!
えっと、、、、」
「よしな。
シンクに落ちた俺を
どうしようってんだ?」
「フライパン返しで
すくって
目玉焼きにするから!」
「お前んちに、
それあんのか?」
「………。」
「いいさ、諦めろ。
俺の兄弟を宜しくな。」
「君が最後なんだ!」
「黄身だけに。」
「笑」
「笑うな!お前、時間は?
さっさと俺を水道で流せ、
パンでも買って
仕事行けや。」
「出来ないよ、そんな事、
食べ物は粗末にしたらいけ
「うるせー!!
俺の事はいいから!!
早く仕事行けや!!!
流せ、早く!!」
「ごめん、、、。」
「あばよ!」
無事だった黄身が
崩れだして、、
「大丈夫?痛い?」
「う、、、いいから流せ、
俺に構うな仕事行けや、」
…水道でジャーしたら、
卵は秒速でピューって
排水溝へ、
蓋のところでゆっくりに
なって、、、、、
てろんっていなくなった。
…罪悪感と、、、
申し訳無い気持ちと。
ちょっと泣きそうに…、
大袈裟??
男らしい奴だった。
もし、ひよこになったら
雄に違いなかった。
スマソ。
…あ、無精卵??
…生まれて初めて
生卵洗ったけど
もう二度と
そんな事はしないよ。
君に、いや黄身に誓うよ。
さようなら、卵。
ごめんね。
朝御飯は卵ご飯信者。
すまなかった、
変に気を遣い過ぎた…。