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人間というもの  作者: 国見あや
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人間というもの②

 J氏の顔には赤い擦り傷と、ところどころに大きな薄紫色に腫れている痣があった。

 

 その顔の中にある黒い瞳にはは普段にはなく、鋭い戦いを余儀なくされた動物のような目があった。  今、自分の車を運転しながら真っ直ぐ国道X号線から伸びる直線を見据えているその目。

 心の中の爆発した感情は苦いというより、辛いというより、痛いというより、むしろ怒りで充満した気持ちでいっぱいだった。


 また、その後J氏は何度も繰り返すことになる言葉であるが


 「不名誉なこと」じゃないか!

 「情けない」じゃないか!

 「兄貴なんだぞ!実の兄貴なんだぞ!」


 という、この残酷で血縁間で起きた不幸を悲劇であり、恥だ!先祖代々・・・子子孫孫にわたり遭ってほしくないと思う、心の奥底からの叫びであった。


 そして被害者はJ氏・・・。


 J氏に危害を加えたのは末っ子のZ氏であった。そしてその行為に協力をしたのがJ氏の初めての弟であったP氏であった。


 P氏に関しては補足しなくてはいけない。これほどまでに善良な人はいるのか、崇高で気高く、真面目で、誠実で、賢い・・・素晴らしい、と仮に他人を評価するのであれば、P氏ほどにこれに値する人物はいないのではないかと思われる人間だった。職業は医師。J氏が頭が下がる思いで可愛がっていた実弟だ。


 それが不幸なことにP氏の弟の思惑とJ氏を悪、とする刷り込みによる洗脳に加え、心と身体の機能すっかり衰えていたのだ。認知症になった、いや、なっているであろう、いや確実に重度の認知症がゆえに善良なP氏は弟Z氏に利用され、兄(今生きている兄弟の中では一番長上)のJ氏への4月X日(X日)の暴行に加担することになった。


 運命の悲劇!!

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