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人間というもの  作者: 国見あや
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救急車

ストウブという流行りの鍋を使って炊いたご飯を食べた後、夫と雑談していた。

携帯が鳴る。母の名前が携帯に写る。

「はい、もしもし?」

母が声を低くして慌て気味に話した。

「お父さんがおかしいのよ。目がぐるぐるとしてうつろでハンガーラックに着替える途中のままセーター被ったままま頭から突っ込んでいるの。」


私は状況を察し

「早く119番して!!早く!!」


母は私の気迫に押されて


「わ、分かったわよ。」


と言って電話を切った。


私は携帯の充電器とコネクターを抜き、バッテリーが少しでも持つよう準備し、外出着に着替えた。そばにいてなんだかただ事ではないと感じた夫は

「お父さん、大丈夫?」

と心配してくれ私の背中をさすってくれた。


救急車で運ばれた病院が分かればいいけど、まだあれから5分も経っていないから救急車が来てないと思う。そう言いながら私は近辺にいる身内に父の状況を一斉メールした。


20分後大変もどかしかったが母とようやく連絡がとれ父の搬送先が分かった。父は脳梗塞になったのだという。病院はありがたいことに家から近距離にある脳卒中神経脊椎センターだ。むかし売店で働いたことがある。


「すぐ行くから!!」


母に伝えると電話を切った。


「夫が一緒に行こうか?」


と言ってくれたので私もいたら助かると思い一緒に行ってくれることをお願いした。私はすでに実家に泊るのも視野に入れ寝巻や着替えや夜飲む自分の薬のセットや簡単な洗面用具を用意していた。


電車に乗り、病院の最寄りの駅のコンビニでおにぎりを7,8個くらいと飲み物を3,4本買った。


駅の前のタクシーン乗り場から病院までタクシーに乗った。コンビニで買ったものやタクシー代は夫が出してくれた。


病院に着き、救急夜間外来の警備員に


「Jの身内のものですが」


と伝えると、


「ああ、はい、地下の救急治療室にいらっしゃいます。」「場所はですね、ここから~」


と丁寧に説明を受け、地下に下りると母と姉、次女がいた。次女は私が一斉メールをしたとき、たまたま近くで仕事を済ませていたので到着が早かったのだ。

 

 母に説明を聞くと、今、父は集中治療室にいる、とのことだ。


「Jさん!Jさん!」


 待合室にも父の意識を回復させるために医師や看護師が大きな声で呼びかけているのが聞こえる。


 脳梗塞!! 


 ー神の計らいは限りンなく生涯わたしはその中に生きるー

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