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千夏奔走する
時経たりて千夏の奔走は千夏自身と父をもさらに不安にさせたり、また、千夏が父のかわりに指示されて、激しく動きまわっていた。
J氏への事件は
複雑化したところもあった。
傷害事件から1年と数ヶ月たち、J氏はいつも頭の中がくもっていた。千夏に、弟にしかも実弟に殺されそうになるなんて信じられない。同じ血を引く、しかも、自分は暴力せずに一方的に殴られるなんて‼︎、と。
そしてその日はえらくイライラして仕方がない、と千夏に告白し、何につけても自分は長生きしなくては子供達を守ることができない、と付け加えた。
千夏は充分気持ちはいつも伝わっている、と思いつつも、他の兄弟姉妹には伝わってはいない、と思い残念だったが今日は父の店で午前から長く話しを聞いていた。そして、夕方の16時に自分の自宅へ帰った。
ダイニングルームに置いてある携帯が7時45分になった。ストウブという鍋をちょっと前に買い、それで夕飯を作る楽しみがあり、主人と夕飯を終わらせたばかりだった。
スマホの電話をとると