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人間というもの  作者: 国見あや
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人間というもの①

 


 事件は4月X日(X日)に起きた。被害者は84歳の男性で人工透析を二年程前から受けている、病院からは重症患者と認識され身体障害者手帳を持つことになったJ氏だった。


 事の発端はJ氏の親族間による財産問題だった。人の世は常にこのようなことで翻弄される、ということは皆生きていればおおむね心得ているであろう。


 J氏は実弟5男の末っ子から殴られて暴行を二時間にわたり受けた。この同じ親から生まれた者同士の仲互いの始まりのひとつは財産を巡る弟の欲深さの罪であり、常日頃からの嫉妬や恨み、つらみ、疎ねみという、人間が持っている悪の根源であり、またどんな人間にもありうる罪からであった。


 弟Z氏は退職をしていた。もともと10人兄弟姉妹のこの家族であった。亡くなって故人となっていったものもあればはかなき人生を歩む運命を背負ってしまった者もいた。はたして末っ子の我がままからなのであろうか?末っ子は自己中心的なのであろうか?


 とはいえ、筆者、私も、末っ子の身である。そんな簡単な結論づけはもはやいらない。


 ここに登場人物を明記する。


 J氏……被害者であり、84歳(10人兄弟姉妹の3男)、人口透析を週3回3時間受ける重症患者。また経営者であり、今現在も零細企業の代表取締役社長。子供は5人。


 Z氏……今回の首謀であり、J氏の弟にあたる。5男。73歳。ある企業を昨年退職した。専務取締役であった。


 P氏……Z氏にそそのかされてJ氏への暴行の協力をした認知症があると思われる退職した医師。とても温厚で善良で正しく、清い人であった。4男であり、年は80代手前。J氏がこのうえなく信頼し可愛がっていた弟である。生涯独身。


 A氏……5女にあたりP氏と同居を共にしていた妹。80代手前。要介護の必要性があるとみられたが認定を受けていない。


 B氏……財産を多く所有する未亡人。95歳で老人ホームに入所中。長女であり、この人物の中でいちばん何も分からないままZ氏に利用されていたのかもしれない。


 主たる登場人物はこの5名である。


 世の中は矛盾しているのだろうか?人間は不完全なのであろうか?嫉妬と憎悪がもたらす恨み、殺意を抱いたりするまでの背景や人間、人間そのものの諸悪の根源は何なのか?人間愛・友愛・信頼はどこにあるのか?


 ストーリーを通じてそれらにせまりながら次章『人間というもの②』に続く予定で作品としたい。

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