第14話 新たな依頼と噂
朝の光が街を包み、
アイラは窓辺で身支度を整えていた。
長剣を背中に背負い、
探索者カードを手に取る。
昨日のダンジョンでは、
罠を避けながら大型ゴブリンを倒し、
視聴者は六百五十人を超えていた。
「……今日も、気を引き締めよう」
胸元の配信端末を確認すると、
コメントが絶えず流れ、
視聴者はさらに増え続けていた。
街を歩きながら、
掲示板に貼られた依頼を確認する。
中規模ダンジョン。
危険度は中。
報酬は昨日より少し高めだ。
カードを提出し、許可を受ける。
通行証を手に階段を降りる。
薄暗い通路。
湿った床を踏むたび水滴が跳ね、
壁には淡く光る結晶が埋め込まれていた。
胸元の端末を確認し、配信を開始する。
「こんにちは、探索者のアイラです」
視聴者は七百人を超え、
コメントが次々と流れる。
「見てくれて、ありがとうございます」
通路を進むと、小型の魔物が現れる。
スライムとゴブリンの混合型。
素早く攻撃してくる。
「……慎重に」
一歩下がり、距離を取りながら観察する。
隙を見て斬撃を入れる。
――コメント:
「安定してる!」
――コメント:
「見てて安心」
胸の奥が温かくなる。
誰かが見守ってくれている感覚。
通路を進むと、分岐が現れる。
右は狭く暗い通路。
左は広く明るい通路。
「……どっちに行こう」
配信画面に向かって説明する。
「右は少し危険ですが魔物は少なめです」
「左は戦いやすいですが、数が多いです」
――コメント:
「左だ!」
――コメント:
「右は危険」
「じゃあ、左にします」
剣を握り直し、慎重に一歩踏み出す。
広い通路にはゴブリン三体。
一体は盾、二体は棍棒。
「……やっぱり強い」
間合いを取り、突進を受け流す。
横から斬りつけ、一体ずつ倒す。
――コメント:
「判断いい!」
――コメント:
「焦らないで!」
奥に進むと、影が揺れる。
大型ゴブリン。
牙と爪が光り、一撃が重い。
「……来たか」
剣を握り直し、距離を取る。
一撃を受け流し、隙を狙う。
――コメント:
「危険!」
――コメント:
「頑張れ!」
連続斬撃で大型ゴブリンを倒す。
視聴者は八百人を超え、
コメントが流れ続ける。
通路を抜けると、前方に人影。
「……ライラ?」
鋭い眼差しの少女が立っていた。
長剣を背負い、軽装鎧。
戦闘に慣れた雰囲気が漂う。
「こんにちは、アイラ」
「やあ、ライラ」
互いにうなずき、無言の緊張が通路に流れる。
小型ゴブリンの群れが襲いかかる。
二人は剣を抜き、連携して斬る。
魔物が倒れ、静寂が戻る。
視聴者のコメントが増える。
――「二人組、かっこいい!」
――「協力プレイ最高!」
胸が温かくなる。
誰かと戦う楽しさ、
伝わる興奮。
奥から新たな大型魔物が現れ、
牙と爪で威圧してくる。
「……協力して!」
二人で距離を保ちつつ戦う。
一撃を受け流し、隙を狙う。
連続斬撃で倒すと、
視聴者は九百人を超えた。
街に戻る途中、アイラは端末を見つめる。
「……もっと、頑張ろう」
一方、ギルド長室。
男はモニターを見つめ、低く呟く。
「ライラか……娘に刺激を与えるな」
警戒と期待が混ざる。
遠くで守る父、
近くで戦う娘。
その距離は短く、
しかし危険を孕む。
街ではダンジョンの噂が広がり、
探索者たちの関心を引きつける。
小さな剣士アイラは、
噂と視聴者との絆を胸に、
新たな挑戦へと歩みを進めていった。
こうして、
物語は次の局面へと動き出す。
危険と興奮が交差する世界で、
アイラの冒険はさらに深まっていった。




