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闇夜の追撃  作者: マックス一郎
31/44

黒死

ルーパ隊長は敵より先に動き、攻撃を仕掛ける。

合衆国 首都 コロムビア特別区

通称 ワシントン・ディーシー。

ロック・クリーク連邦公園下 特別地下シェルター

2025年3月某日 午前9時30分頃


自分のオフィスでルーパはアサルトスーツに着替えた後、特別日焼け止めクリームを塗った。

アーカード卿の命によりルーパには保安部長以外ミレン姫警備隊の隊長に任命された。

彼女にとって、大変名誉なことであった、夫のマモールデと共にマスターに仕えて240年以上経過していた。

ルーパは身長が比較的高く、豊満な体と長く、黒く、ツヤのあるくせ毛で顔の輪郭が小さく、鼻が高かった。全体的に色気を出していて、初めてみる者には美しい女性である印象を与えていた。

そして実際はとても美しい女性だった。


考え事をしている最中にドアがノックされた。


「ルーパ隊長、クレーンです、入ってよろしいでしょうか。」


ノックしたは副官のイカボッド・クレーンだった。


「どうぞ、クレーン副官。」


大きな鼻と顎髭を生やした見た目は30代の個性的な外見の割には、ハンサムな部類に属する副官が入って来た。


「敵の正体が判明しました。」


イカボットは報告した。


「どんな連中、イカボット?」


ルーパは肩書き抜きで副官に質問した。2人の付き合いは長く、夫のマモールデはイカボットの転化儀式の付き添い人だった。


「まずはジル・ド・レ卿の眷族で戦闘員の新人者ニューボーン、レジナルド・フォーチュン。剣のさばきが超一流と噂されている剣士です、隊長マム。」


「それから?」


「マクシミリアン伯爵の眷族、3名。カナンガ、ノオ、ティー・ヒーです。全員まだ新人者ニューボーンです。」


「敵は全員、新人者ニューボーンなのか?」


「はい、隊長マム。」


「舐められたものね、そう思わない、イカボット?」


「はい、隊長マム、この程度の戦力ならヘシアン大尉1人で十分だと思います。」


ヘシアン大尉、別名「首なし騎士」はイカボットの部下で凄腕のドイツ人傭兵だった。裏切りに合い敵に首を切り落とされた上、魔女ウイッチがかけた呪いの影響で殺人事件を犯して、イカボットは彼を解放するまで首なしで彷徨う運命を負わされていた。

首を取り戻したヘシアンは生者と死者の間の特殊な存在となったが、アーカード卿は彼を転化させ、眷族にした。

時折眷族たちの宴会で首を取る彼の芸は恒例の名物行事になっていた。


「イカボット、君とヘシアン大尉に別のことを頼みたい。私は自分の手で敵を葬りたい。」


「承知しました、隊長マム。」


アダム・フランケンシュタインが信長公経由でマスターのアーカード卿に敵の襲撃、そしておそらくは標的はミレン姫であることを伝えていたため、ルーパはそれを迎え撃つ準備をしていたが、先に攻撃を仕掛けることに変更した。


ルーパはイカボットに明確な指示を出した。彼は大急ぎでオフィスを出て、イカボットは待っていたヘシアン大尉に付いてくるように命令した。


「ヘシアン、特別任務だ、付いてこい。」


「アイアイサー!」


色白く、牙だらけの口のヘシアン大尉は返事した。


ルーパはオフィスを出て、地上へ上がった。

施設の駐車場で太陽光対策の黒いクーガー装甲車に乗った。

席に座り、運転手とナビゲーターに指示を出した。


「ビリー、ジェーン、ベジニアのアレクサンドリア市郊外のワトソン・ロジスティクス倉庫へ急行して。」


「アイアイマム。」


そばかすだらけの青年、ビリー、別名:ザ・キッドと若い女性のジェーン、別名:カラミティ・ジェーンは同時に返答した。



それから30分後

ベジニア州・アレクサンドリア市郊外

ワトソン重工の子会社・ワトソン・ロジスティクス倉庫前


ルーパはクーガー装甲車から下りた。銀でコーティングされたロングソードを抜き、

部下2人に車内で待機するように命令し、倉庫へ向かった。


頑丈な入り口扉を蹴り一発で壊し、堂々と倉庫内に入った。

中にいた、4人の男たちは襲撃に戸惑っていた。


「来るのは遅いので先に来てやったよ。」


ルーパは笑顔で挨拶した。


「貴様!!我々を舐めるな!!」


肥満体のフォーチュンのクローンは怒りの表情を浮かべながら叫んだ。


カナンガは素早く2つのサバイバルナイフを抜き、ルーパに襲いかかった。


「死ね!!アーカードの眷属め!!」


カナンガが叫んだ。


「遅いよ、くそガキ。」


ルーパはカナンガより早く動き、ロングソードで彼が防御態勢を取る前に両腕を切り落とした。

痛がるカナンガの首を刎ね、彼が燃えだし、灰となった。


「で、次は?」


ルーパは構えて、左手でかかってこいの合図をした。


ティー・ヒーは義手である右手を上げて、狙いを定めるような仕草をした。


「覚悟しろ、女!!」


ティー・ヒーは叫び、義手の先端からレーザー光線が発射された。


ルーパの体は回転し、光線を軽くかわした後、ジャンプでティー・ヒーとの距離を一気に詰め、

上から切りかかってきた。


ティー・ヒーはまた義手で狙おうとしたが、ルーパはそんな彼を頭のてっぺんから股間まで真っ二つに切った。燃えだしたティー・ヒーは灰となり、義手は大きな音をしながら地面に落ちた。


「2人目!次は?」


フォーチュンは緊張で汗をかいた。何か言いたそうな顔をしていたが、突然に目から生気が消え、虚ろとなり、動かなくなった。


「流石イカボット、仕事が早い。」


ルーパはつぶやいた。


最後の1人、ノオと呼ばれている男性はフォーチュンの動かない体を見て、左手の義手から出て来た刃でクローン体の首を刎ねた。


「やはり、フォーチュンはクローンだったか。臆病者め。」


ノオは軽蔑な眼差しで燃えていくフォーチュンのクローンを見て、つぶやいた。


「あなたは少し出来そうだね。」


ルーパはノオに話した。


「気安く声かけるな、女め。」


ノオは同じ軽蔑に満ちた眼差しでルーパに答えた。


「かの有名なジョイナス・ノオとやらお手並み拝見と行くか。」


ルーパは笑顔で言い、動揺するノオを見た。


「俺を知っているのか?」


「勿論、マクシミリアン伯爵の眷族一番の殺し屋なのにまだ新人者ニューボーンの君は有名人だよ。」


ルーパはノオが反応する前に動き、刃を出した左義手を切り落とした。

右義手でレーザー光線を出そうとしたノオの顔を殴り、義手の先端を切り落とした。

それから彼の腹部を蹴り、壁へ飛ばした。


ノオはゆっくりと立ち上がり、ルーパを睨んだ。


「貴様!!」


ルーパは更にスピードを上げて、ノオの残った右義手の部分を切った。

地面に膝を付いたノオを見下げた。


「お前を殺さない。聞きたいことがある。降参するなら滅ぼさない。」


「降参する、滅ぼさないでくれ。」


ノオは涙目で答えた。


「わかった、立て。」


ルーパはノオをクーガー装甲車の後ろに乗せ、銀でコーティングされた鎖で縛り付け、

アーカード卿の本部へ連れ帰った。




同時刻

そこから1キロ離れた別の倉庫。


接続ヘルメットを急に外されたフォーチュンは驚いていた。

接続用の椅子から急いで立ち上がり、目の前に立っていたアーカード卿の眷族2人を見た。


「何者だ、貴様ら?」


イカボットとヘシアン大尉は彼を見て、笑った。


「言える台詞か?太っちょ。」


ヘシアン大尉はフォーチュンをからかった。


「貴様は知る必要がない。降参すれば滅ぼさないし、抵抗すれば灰にするだけのことさ。」


イカボットは笑顔でフォーチュンに言ったが、目が笑ってなかった。


フォーチュンは近くに置いてあった、自分のロングソードを手にして、構えた。


「私を誰だと思っているんだ?俺はレジナルド・フォーチュンだ。」


「知っているさ。」


イカボットは答えた。


「降参するか、しないか?答えるんだ、ミスター・フォーチュン。」


イカボットは更に追い打ちをかけた。


「舐めるな、アーカードの眷属で分際で!!」


フォーチュンは怒りの満ちた表情でイカボットたちを見た。


「クレーン副官、こいつを滅ぼしていいですか?」


ヘシアン大尉はイカボットに許可を求めた。


「降参しそうにないので、滅ぼせ、ヘシアン。」


イカボットは命令を下った。


「試合開始だ、太っちょ。」


牙だらけの口で笑顔を作り、ヘシアン大尉は剣と斧で構えた。


「醜い野郎め!!」


フォーチュンはヘシアンを罵った。


それからの出来事は人間ウォームの目ではおそらく2秒の間に起きた。


フォーチュンは素早く動き、ヘシアンの首を刎ねた。

ヘシアンの頭は地面に落ちた。


「大したことないな、醜い野郎め。」


フォーチュンは満足そうな顔でつぶやいた。


「次はお前だ、鼻のでかい髭面め!!」


フォーチュンは笑顔を浮かび、イカボットを見た。


「どこに向いているんだ、くそ太っちょ。」


後ろからヘシアンの声が聞こえたフォーチュンは驚いて、振り向いた。

地面に落ちていたヘシアンの頭はフォーチュンを見ていて、不気味な笑顔をしていた。


「そんなバカな!!」


言い終えたところでヘシアンの体が剣と斧でフォーチュンの首を切り落とした。


「俺とお前の違いは場数だよ、場数が違うんだ、太っちょ。」


フォーチュンが燃えだし、ヘシアンの言葉を最後に聞いて、灰となった。











































日本語未修正。

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― 新着の感想 ―
[一言] フォーチュンのクローンはオリジナルよりも性格が悪い気がしますね…まるっとしたキャラクターなのに可愛げがないので、首取り宴会部長に魅力の部分で負けています(笑)怖いキャラクターを宴会部長にしち…
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