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闇夜の追撃  作者: マックス一郎
24/44

叱責

ノートルダム会長の怒りと狂気が爆発する。

タウレッド王国、首都・トレード市

ワトソン重工本社ビル・地下特別シェルター兼研究所

2025年3月某日 朝6時頃


ノートルダムは接続ヘルメットをかぶった。

接続専用椅子に座った後、イゴールは電極装着接続の確認を行った。


「動かしていいか?イゴール博士。」


ノートルダムは質問した。


イゴールは電極装着の確認を終えた後、タブレット端末を手に取り、

接続ボタンをタップした。


「どうぞ、ノートルダム会長。」


ノートルダムは田森元首相の体だったものを動かしてみた。

培養液の入ったタンクから出されており、体の失った部分がほぼ再生されていた。


「昨日より操縦し易くなったな。」


座っているノートルダムと動き出した田森の元体が同時にしゃべり出した。

用意された服をゆっくりと着た田森だったものは触手テンタクルファングを出してみた。

一気に8本が出た。

少しそれを伸ばしてみたり、絡めてみたりした後、口の中に戻した。


「イゴール博士、接続装置の小型化はどこまで進んでいるか?」


ノートルダムと田森の元体が同時に質問した。


「間もなく完成します、明日当たりにテスト開始できると思います、ノートルダム会長。」


イゴールは返事した。


「明日だね?私を待たせるな、イゴール博士。」


2体から同時に発せられた声にはさり気ない脅しが混じっていた。


「明日、朝一番に実験行います。」


慌ててイゴールは答えた。


「それでいい、私を失望させるな、イゴール博士。」


2体同時、イゴールを睨んだ。


「失望させません。ご安心ください、ノートルダム会長。」


恐怖の目でイゴールが震えた声で返答した。


その時牙ファング小隊プラトーンのマフムード少尉、バーク軍曹、ルデニャ兄弟のペドロとパブロ、新隊員の植田緑と6人の転化人インヒューマンの一般戦闘員が研究室に入ってきた。


全員は会長と田森の体だったものの前にひざまずいた。


「只今戻りました、ノートルダム会長。グレイ元監査官の捕獲に失敗しました。」


恐怖の滲む声でマフムード少尉が報告した。


元田森の体がマフムード少尉の前に立ち、顔を思い切り蹴った。

少尉は後ろへ飛ばされ、研究室の壁にぶつかった。


「無能者め!厳命したはずだぞ、必ず捕まえろって!!」


2体同時に発せられた怒りの声が研究室全体に響き渡った。


少尉はゆっくりと立ち上がり、またひざまずいた。


「申し訳ございません、ノートルダム会長。」


マフムードの顔は変形し、血も流れていた。


元田森の顔が割れて、口から触手テンタクルファング8本を出した。

転化人インヒューマン一般戦闘員6人、植田緑とバーク軍曹に巻きつき拘束した。。


「見せしめが必要のようだな。」


ノートルダムは怒り溢れる声で怒鳴った。

触手テンタクルファングが一般戦闘員6人に刺さった後、血を吸いだし、数秒で干からびれた体にし、その体は崩れ、灰となった。


「お前はどこの系統の長寿者エルダーか?、答えろ。」


ノートルダムはバーク軍曹に聞いた。


「ずっと前に滅ぼされたモラ伯というマスターだ。」


恐怖で震える声でバーク軍曹は答えた。

彼は長寿者エルダーだったが、本能的にノートルダムの恐ろしい力を察知した。


「わかった。ならば面白いミッションを与えよう。」


ノートルダムと元田森の表情が変わった、同時に笑顔になった。


「はい。ノートルダム会長、命じてくださいませ。」


震えながらバーク軍曹が言った。


ノートルダムはバーク軍曹の体に巻かれていた触手テンタクルファングを元田森の口に戻した。


「そこで立ってろ軍曹。」


元田森の体が植田緑に振り向いた。


「お前は小島のお気に入りの新人者ニューボーンか?」


ノートルダムは緑に質問した。


「はい、ノートルダム会長、植田緑と申します。」


目で舐めました後、緑を解放した。


「そこで待ってろ。」


2体同時、緑に命令した。


「マフムード少尉よ、無能なお前に最後のチャンスを与えよう。今すぐドイツとポーランドの国境へ飛べ。オルロック伯爵へ攻撃して来い。滅ぼすことは期待していない、大きなダメージを与えろ、使い捨ての転化人インヒューマン一般戦闘員を30人ほど連れて行け。今度こそしくじるな。」


「はい、会長、今すぐ発ちます。」


マフムード少尉は大急ぎで研究室を後にした。


長寿者エルダーのバーク軍曹よ、そしてお前たちルデニャ兄弟、今すぐイギリスへ飛べ、ルスヴン卿の妻、和美を滅ぼして来い。本人や信長との同盟に深いダメージを与えたい。」


「承知いたしました、ノートルダム会長。」


3人同時に返答した後、研究室から大急ぎで離れて行った。


田森の体が培養液タンクの隣にあった椅子に座った後、ノートルダムは接続ヘルメットを脱ぎ、

田森の体から目の光が消えて、動かなくなった。


「イゴール博士、【物】をタンクに戻せ。明日また使う。」


「はい、ノートルダム会長。」


イゴールは答えた。


「窓の向こうから無言で見てないで、何か言え、カリオストロ、ミスター・ハイドよ。」


研究室の大きな鏡のような窓が上がり、監視室を露わにした。

そこに派手なスーツを着たカリオストロとゴリラのような若いミスター・ハイドが座っていた。


「流石、ノートルダム会長。」


カリオストロは笑顔を浮かべて、ノートルダムに言った。


「退屈しのぎのついでにあのバーク軍曹に同行していいかな?会長。」


ミスター・ハイドが質問した。


「いいぞ、ルスヴン卿の妻を犯して、滅ぼしても構わないぞ。もともとはそれが狙いなのだろう。」


ノートルダムはイヤらしい笑顔でハイドに伝えた。


「流石会長、それを待っていたよ。あの女吸血鬼はすごく美しいと評判だね。」


イヤらしい笑顔でハイドが答えた。


「ああ、我の敵、信長の子孫でもある。たっぷり遊んでやれ。これは命令だ、ミスター・ハイド。ルスヴン卿やその護衛はあの軍曹たちに任せればいい。」


ノートルダムは悪意が滲む笑顔でハイドに命令した。


「俺はあの少尉について行くよ、オルロック伯爵という吸血鬼野郎にちょっと用がある。」


カリオストロは昔の因縁を思い出した。


「彼は君の転化を拒んだね。」


皮肉っぽく、ノートルダムはカリオストロに言った。


「ああ、俺に転化人インヒューマンになる資格がないと言いやがった。滅ぼしてやるぜ。」


カリオストロは怒りの表情を浮かべた。


「ならば滅ぼせカリオストロよ、闇の評議会の実力派を滅ぼせば、ドミノ倒しになる。」


「わかった、任せろよ、ノートルダム会長。」


2人は監視室を後にした。


会長は緑を見た。


「植田緑だっけ?この上にある寝室で俺を楽しませろ。」


「はい、ノートルダム会長。」


恐怖が漏れる声で緑が答えた。




同地下特別シェルター兼研究所

ノートルダム会長寝室

朝8時頃。


ノートルダムはトレードマークとなっている黒いタートルネックを含む衣類を着た。

2つの大きな輸血パックを部屋にあった保管庫から取り出して、ベッドに投げた。


「回復のため、これを今すぐ飲め、緑。今夜も楽しませろ、命令だ。」


大きなベッドに横たわっていた緑に命令した。

彼女の顔は大きく腫れていて、歯が数本折られていた。右腕と両足は骨折していた。

左手の指もすべて骨折していた。口、鼻、耳、膣、肛門から血が流れていた。


「はい、会長。」


緑が弱々しく返事した。


ノートルダムは部屋を出て、最下層行きのエレベーターに乗った。

今度はあの男の部屋ではなく、彼を裏切った者が押し込まれている大きな部屋に入った。

ヴィクター・フランケンシュタイン博士の体と頭が別々の透明なタンクに保管されていた。

フランケンシュタインは反応した。目と口が銀の糸で塞がれていたが、会長が入室したのはわかった。


「元気か?ヴィクター?」


ノートルダムは大きく笑いだした。


「そうか、そうか、返事できないのか?教えてやるよ、我が友よ、お前の自慢の息子と信長があと後数時間で完全に滅びるよ。お前のもう1人の子どもの手にかかってね。」


ヴィクターには全部聞こえていた。開けることのできない目から涙があふれ出した。


ノートルダムが嬉しそうにタンクを叩いた。


「いいニュースだろう、我が友よ。他の3人にも伝えよう。」


ヴィクターが入っているタンクから離れて、部屋の奥へ行った。

そこに黒く塗られた小さい3基のタンクがあった。


「ミスター・アラン・クォーターメイン、モリアーティ教授、ムッシュ・ルパン、元気にしている?」


反応がなかった。


「お前たちの裏切りが失敗に終わった後、すべて計画通りに物事が運んでいるよ。」


ノートルダムは狂った笑顔を浮かべた。


「世界は我が物になる。そしてお前たちは永遠にここで幽閉され続ける。」


3基のタンクを楽しく叩いた後、部屋を出た。


タンクの中身は3人の元円卓同盟のメンバーの脳と神経だった。

20世紀初頭、ノートルダムを裏切り、不可触民パリヤの願いである【死】を与えるため、努力した。彼らがその血の【呪い】を受け継いでも、完全なる悪になり切れず、世界のため力を合わせた。


勿論、企みは失敗した。


脳と神経が培養液のタンクへ入れられ、見ること、聞くこと、感じることができなくなった。

暗闇の中で彼らの精神は壊れ、発狂し、永遠に苦しむこととなった。



同時刻

ノートルダム会長寝室


緑は輸血用パックの血を飲んでいた。

負わされた酷い怪我が少しずつ治癒力で回復していた。

動けるようになったら、部屋で夜になるまで待機するように命令されていた。


彼女は泣いていた。


「ごめんね、ドリアン、本当は一緒に逃げたかった。」


緑は1人で悲しくつぶやいた。























































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― 新着の感想 ―
[一言] 緑ちゃんが~(涙)ノートルダムの寝首をかいてくれないかなあ… ノートルダムは悪い奴ですね、早く滅ぼされないかな、でもそうしたら話が終わっちゃうからもう少し生き延びないとダメかも…
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