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闇夜の追撃  作者: マックス一郎
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地下対決

ダーマー博士はいるワトソン重工関連企業に中山新一理事官が侵入する。

日本国 東京都 港区

新橋駅付近

ワトソン重工関連企業

ワトソン・アドバンス(株)自社ビル

地下特別研究室

2025年3月某日 午後17時45分頃


新一は正面入り口から堂々と入った。

彼を止める者は、ビル内には誰も残っていなかった。

数時間前まで社員で溢れていたビルは不気味なほど静かだった。

入り口には鍵及びセキュリティーシステムもかかっていなかった。


新一は素早くエレベーターに乗って、地下行きのボタンを押した。

地下駐車場に着いたが、新一はエレベーターから下りなかった。

エレベーター内にあった監視カメラを見て、大きな声で話した。


「地下研究所まで案内しろ。いるのはわかっているダーマー博士。」


エレベーターのドアが閉まり、更に地下深く下り始めた。

気付いたらドアが開き、天井の高い、真っ白な部屋に着いた。

新一はエレベーターから大きな椅子に座っているダーマー博士だった者を見た。


身長は2メーター以上あり、蝋人形のような肌、虚ろな赤い目をしていた。

裂けた口から長い4本の触手テンタクルファングが垂れていた。

新一はゆっくりと銀でコーティングされた日本刀を抜いた。


「ダーマー博士、あなたは人間ウォームだったはず。」


怪物と化したワトソン重工の日本支社長に向けて話した。

ダーマー博士は返事をしなかった。

新一は構えたが、ダーマー博士が泣いていることに気づいた。


「まさか?勝手に怪物にされたか?」


ダーマー博士が頷いた。


「しゃべれないか?」


またダーマーが頷いた。


「滅ぼしてほしいか?」


怪物が涙を流しながら再び頷いた。


「わかった。楽にしてやるが、その前に役員はどこへ行ったのを教えてほしい。」


ダーマーが頷いた。

それから怪物は壁へ行き、大きな油性マーカーで大きな字を書き始めた。


【松本・仙台、宅間・大阪、小林・名古屋、関・広島、山地・福岡、加藤・札幌】


それから最後に一番大きな字で


【自爆テロ・即席転化人インヒューマン血清・日本壊滅。本日23時。】


「まさか?同時多発テロ?」


ダーマーが頷いた。


「誰の指示?あんたか?」


ダーマーが壁に大きな字で書いた。


【ノートルダム】


その時、壁にあった大きなモニター画面に電源が入った。

映ったのは30代前半の黒いタートルネックの男性だった。


「初めまして、中山新一理事官、私はワトソン重工の会長、マイケル・アラン・ド・ノートルダムです。」


「貴様がこの世界的大惨事の元凶か?」


「世界的大惨事?大げさですね。世界の再編製と呼んでもらいたいね。」


「何が再編製だ、ふざけんな!」


「日本人は品がないですね。」


ノートルダムが笑いながら新一を挑発した。


「貴様。必ずお前を滅ぼす。」


ノートルダムが笑いを止めると、顔が大きく変化し、顎と上唇が割れ、複数の牙を見せながら新一を威嚇した。


「私を舐めるな半吸血鬼の小僧!お前たちの劣った吸血鬼族ごと、我ら円卓同盟の糧にしてやる。」


「醜い面していますね、死神族リーパーズめ。」


ノートルダムが元の顔に戻って、新一をまっすぐ見た。


「この世界は既に我々の手中にある。」


「闇の評議会が必ず貴様らの野望を打ち砕く。」


「甘いな、小僧、甘い。」


ノートルダムはダーマーを見て、声をかけた。


「失敗作め、貴様には滅びてもらうんだが、その前にあの半吸血鬼の小僧を残さず食え。」


ダーマーが恐怖の目でノートルダムを見た。

ノートルダムは手に持っていたタブレット端末の画面をタップした。

ダーマーが頭を両手で抑えて、叫び出した。

新一は気づいた、今のでダーマーの中に残っていた人間性が消えたことを。


「小僧、ここから出られないぞ。出来損ないの糧になって、滅びろ。こいつの能力スキル、【飢饉ファミン】から絶対に逃げられないからね。」


ノートルダムが笑いながら新一に伝えた後、モニター画面が切れて、黒くなった。

新一がダーマーだった者を見た。理性が消えうせた怪物そのものだった。


「今日は朝からとんだ一日だな。」


日本刀を構えながら1人でつぶやいた。


ダーマが素早く襲ってきたので新一は彼をかわし、触手テンタクルファング2本を切り落とした。

獣が痛みで叫び、理性の欠片のない目を新一に向けた。


「来いよ、ダーマー博士、楽にしてやるよ。」


新一がつぶやいた後、異変に気付いた。

ダーマーの口が異常なほど開いた、新一が飲み込めるような大きさだった。

怪物の動きが更に早くなったので新一もスピードを上げた。

ワトソン重工の日本支社長の周りでは男性が行方不明になることが多く、未解決事件は40件以上に上っていたのを思い出した。

先のノートルダムの言葉とダーマーの異常な口と速さで結論に至った。

彼は今即席の転化人インヒューマンだが、人間ウォームだった時の能力スキルで文字通り、男性を食べていたことになる。


「手がかりが見つからないわけだな。ダーマー博士、法の元でさばけないのは残念だが、これ以上犠牲者がでないように、あんたを滅ぼす。」


新一が構えてから一言つぶやいた。


「一瞬で終わらせる。」


素早くダーマーのところへ出向き、彼が反応する前に自ら大きく開いた口に入った。


「【竜巻トルネード】発動。」


ダーマーの体の中から激しい空気の渦巻のように新一が暴れ、怪物の体を細かく切り刻んだ。

ジェフリー・ダーマー博士だった者が細かく切り刻みされた挙句、ゆっくりと燃えだして、灰となった。


新一は消えて行く怪物に哀れみを感じなかった。

ダーマー博士が人間ウォームだった頃、彼は捕食者プレデターだった。

彼の欲望で犠牲となった人間ウォームたちとその家族に対して、新一は悲しんだ。


地下研究所を後にして、エレベーターに乗り、小型無線で信長に連絡した。


「信長様、大変です。本日23時に同時テロ攻撃が起きます。詳細を今端末に送ります。」


「やはりか。各都道府県の警察に今すぐ連絡するぞ。長谷川たちには私からテレパスで伝える。」


「承知しました、我がマスター。」


すぐに新一から端末に情報が届き、それを読んだ信長が精鋭部隊にテレパスで連絡した。


「長谷川警視よ、ワトソン重工の役員を必ず滅ぼせ。」


「承知しました、我がマスター。」


長谷川平蔵が返答した。


「彼らはただの人間ウォームじゃない、能力スキル持ちだ。殺戮専用の。」


「はい。承知しました。」


「彼らが持っていた鞄の中に即席用転化人インヒューマンの血清がある。それを使って日本を壊滅させる気だ。必ず食い止めろ。23時におそらく一斉鞄が爆発するぞ。」


「承知しました、我が特殊部隊は目的地に着く前、必ず滅ぼします、我がマスター。」


「頼んだぞ、長谷川よ。」


同時に複数方面から攻めてくる円卓同盟が恐ろしい存在であると信長が思った。


























































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