出会いそれは幸せへのフラグ Part1-2
かなりの深さを落ちた気がする…すると急に軽く尻もちをついた感じがした
周りを見るとすでに森の中で座っていた。
「マジで森の中じゃんあの女神は!」
もう辺り一面、木、木、木ばかりこういう時って普通は人里の近くなんじゃないの?送られる時の地図がひかってた場所おもいッきり森のど真ん中だったはず…まぁ愚痴ってもしょうがないのでとりあえず身体を確認する。30代後半から20歳ぐらいに若返っている…うん!肩や腰を動かしても痛くない!地球じゃぁかなり関節にきてたからなぁ……あとはもらった能力はっと、こっちも問題ナシだな!
いろいろ確認していると前の方の茂みがガサガサ揺れている
「ん?なんかいるのか?」
茂みの方を見ているとガサッと音とともに何か出てきた。
うん、イノシシだな、確かに見た目はイノシシなのだか俺の知ってるのより3倍ぐらいデカい!さらに蹄で地面を引っかいている。
「イノシシさん何してるのかなぁぁ」
と言いつつ腰を浮かせる。
その瞬間こちらに勢いよく向かって来る!!!
「やっぱりかぁぁぁ!!!」
俺!逃げる!とにかく逃げる!!全力で逃げる!!!
イノシシは諦めずに追いかけて来る!
そのうちに高さのある崖のような場所に追い込まれよじ登るには時間かかりそうな所だ、登る前に確実にやられる。こりゃ詰んだわ。
イノシシはこちらに突進して来る!
「ちくしょう!あのドジっ子女神すぐ死んだら寝覚めが悪いってたじゃんかぁ!」
もうすぐそこまで来ていた
「あの女神絶対化けて出てやる!」
もうダメだと目を閉じた時、プギャーという音の後にドスゥッとすごい音がした。そっと目を開けるとイノシシがいたそりゃもう目と鼻の先と言わんばかりの近くに
「ぎゃああああああ!!!」
「やかましい!!!」
叫んだ後に、怒られると同時に頭に衝撃が走る、いきなりの衝撃に頭を抱える。
「ぬおおおお!」
そして、横を見ると高齢であるがしっかりとした体型の握り拳をつくった男性が弓を持って立っていた。
「お前こんな所で何してるんだ?」
「そんなの俺が一番聞きたいです」
女神さんに森に飛ばされてイノシシに追いかけられましたなんて言っても信じないと思うしなぁ。
「はぁ?お前何言って……」
そう言いかけて俺の事をじっと観察し始める。何か考え込んでいるそしてこう問いかけてきた。
「お前もしかして渡り人か?」
「渡り人?」
「ああ、別世界から来た者の事だ」
「ええっとですね」
目の前の人に正直に話していいのか迷っていると
「…とりあえずここは呑気に話しをするほど安全な場所じゃぁないんでな、少し歩いた所にワシの家がある、そこでゆっくり話を聞こう」
そう言って腰に付けたポーチを開く、その瞬間イノシシが吸い込まれる。
「なんじゃぁお前のいた所にはないのか?これはアイテムポーチと言って物を収納する魔法具じゃ」
腰に付けたポーチに付いて説明してくれた。行くあてのない俺はこの男性に付いて行く事にした、悪い人ではなさそうだし。その後30分程歩くと建物が見えてきた。どうやらここが家らしい、外見はログハウスっぽい感じだった。中に案内され座るように促されて座ると飲み物を出してくれた。
「毒は入ってないから安心しろ」
と言って自分のコップにも同じ飲み物を入れて飲む、それを見て俺も飲む、走りすぎて喉がカラッカラだったし。
「それでなんであんな所にいたんだ?普通の奴はこの森には入って来ないぞ?」
俺はとりあえず飛ばされる前に付けた名前エルフィンと自己紹介してここは来るまでの経緯を簡単に説明する、この人は信用しても良さそうな気がしたので、まぁ半分は勘だ。自分が死んだ事、女神さんによってこの世界に飛ばされて来た事、イノシシに追いかけられ助けられた事の順に。女神さんのせいで死んだ事は伏せておいた。
「そう言えば、なぜ別世界から来たとわかったんですか?」
俺を観察して別世界から来たと言い当てたので聞いてみる
「まずそのこちらでは見た事ない服、異質な気配、そして何よりお前自身があの女神化けて出てやるって言ってたからな」
なるほど、こちらの世界ではかなり浮いた人物に見えるらしい。
「それでこれからどうするつもりなんだ?」
「どうもこうもこの世界の事はまったく知らないっと言っていい程なので、出来れば近くの村か町を紹介してもらい働きながら勉強するしかないですかね」
「ここからだと近くの街でも3日はかかるぞ?それにこの森を抜けるにはある程度実力がないと死ぬぞ?」
いや、あなたそんな森になんで住んでるの!っとツッコミをいれたくなる。
実際どうしようか悩んでると
「行く宛てがないならしばらくここに住んで見るか?」
正直どうしていいか分からないので助かる。
「俺は助かりますけどいいんですか?ご迷惑では?」
「何構わん、1年前までは女房がいたが死んじまってからは一人暮らしだ、増えても問題はない」
俺はこの申し出を受ける事にした、まずはこの人からこの世界の事を教えて貰うために。
「わかりました。これからお世話になります。」
俺は椅子から立って頭を下げてお礼を言う。
「ああよろしくな、とりあえずこの世界の基本から教えていかんとな」
そう言って嬉しそうに言うこの男性、ミハエル・リッパーさんのお世話になる事にした。