間話4
王都を出発し皇国への帰路についたエーデルリア皇女は道中の村や街等を訪問しながら戻り当初の目的の場所へと辿り着いていた
「突然の訪問、申し訳ありませんリジット公爵様」
「いえ大したおもてなしもできず申し訳ありませんエーデルリア姫」
訪れた皇女を出迎えて中へと案内される。そこは皇国の南東に位置するエア砦、皇国の中でも堅牢な砦として有名な場所である。そして、そこの総指揮官である人物に砦内の執務室へと通される。2人だけになると
「お久しぶりです叔父様!」
「益々、美人になったなエリィ!」
2人は親しみを込めてハグをしている。
「もう何言ってるんですか!半年前に会ったばかりではないですか」
「何を言う、女は恋を知ると綺麗になると聞くぞ」
その言葉にエーデルリア姫は顔を赤く染めている。
「ハハハッ!エリィにも想いを寄せる男が出来たか」
「はい、実はその事で叔父様に御相談がありまして」
「ふむ、まぁ立ったままでは疲れるだろう。今飲み物を用意させるそれからゆっくり聞かせてもらおう」
机の上の呼び鈴を鳴らすと直ぐに兵士が来て要件を聞き部屋を出ていく
「それにしてもエリィ、王国の北東の方を通らずにこっち方面で帰って正解だったな」
「あら、どうしてですか?」
「以前お前達が襲われた場所の奥地で魔洞が発見されたそうだ、蓄積型でかなり魔力が溜まっていたそうだ」
「まぁ!そうだったのですか」
(という事はエルさんも行ってるわね。大丈夫かしら、でもエルさんだから大丈夫よね。クイナさん達は……なんだか一緒に行ってる気がする)
2人が話しているとドアがノックされ1人のメイドが入ってくる
「姫様、公爵様、御茶をお持ちしました」
「あら、カリン!ありがとう、でもあなたも疲れてるでしょう」
「大丈夫です!それに私は姫様の専属の侍女ですから」
彼女の名前はカリン、ジュリアンが私を迎えに来た時に一緒に来た専属の侍女。王都に向かっている時に一緒にいた侍女リリアはユディ姉様専属の侍女です。
ソファーに座る二人へとお茶が用意させる。
「それでエリィ、相談と言うのは?」
「はい、私が想いを寄せお慕いしている方についてです」
「手紙に書いていた男の事か、お前達の窮地を救ったと書いてあったが」
エーデルリア姫はエルフィンにあった所から今までの経緯ついて公爵に説明した。エルフィンの優れた実力、その優しさ、抱いている想いを語った
「よもやダンスまで踊っているとは」
「私はそれだけ本気だと思って下さい」
「なるほど、それで何をして欲しいのだ?」
「出来れば臣下たちの説得にご助力頂けたらと、御父様と御母様は私が必ず説得致します」
「皇妃殿達は常々皇女達は望む相手と結ばせると言っていたからなあの二人に言われたら兄上も首を縦に振るしかなかろう。じゃが臣下たちが納得する材料はどうする?」
「それについてはエルさん……エルフィン様の実力を知れば皆納得する事でしょう。既に王国の国王陛下、大商会モーノの会長ワール氏もお認めになっています」
「あの御二人も認める程の人物か」
リジット公爵が考え込んでいると扉がノックされ兵士が入って来る
「馬鹿者!来客中だぞ!」
「申し訳ありませんリジット様!しかし皇都より火急の知らせが届きました!」
「何!?して内容は」
「はっ!皇都より国境東にて展開していた連邦軍が突如として国境に向けて進軍を開始、交戦状態入る模様とのことです」
「やはり進軍して来たか連邦め!軍本部はなんと?」
「公爵様にはそのまま砦の総指揮官を取っていただき可能なら戦線に近い村などへの略奪の防止もしくは避難誘導をして欲しいとの事です。しかしこの指示の後、通信妨害の魔法具が使われたようで本部との交信が出来なくなりました!」
「何!連邦軍にそのような高度な技術は無かったはず…いや、今はそれどころではない。直ぐに戦線に近い村に避難誘導の兵を派遣しろ」
「叔父様、私の連れている護衛騎士もお使い下さい。部隊の指揮は皆できる者ばかりです」
「それは助かるがよいのか?」
「はい、この状況では私も砦から動けそうにないですから」
「すまぬ。有難く使わせてもらう」
(こちらも大変なことになりましたがエルさんそれからクイナさんミアちゃん皆無事でいて)
魔物氾濫に赴いた大切な人を想う皇女だった




