悪夢、再び フラグP-2
魔物氾濫と言う単語を聞いた途端クイナとその隣にいたミアの顔がみるみる青くなり始め震え出し膝をついて座り込んでしまう
すぐさま2人のところに行き抱き寄せる、ミアも過去の事を思い出して震えているがクイナは特に酷く過呼吸を起こしかけている
「うっ、グッ!ふぅ……ふぅ…うぁっ」
「クイナ!ゆっくり呼吸をするんだ。大丈夫、俺がそばにいるから!魔物だろうとなんだろうと俺がクイナを守ってやる。だから落ち着いて」
クイナは俺の腕の中で少しづつ落ち着きを取り戻し呼吸を戻していく
「ミア、大丈夫か?ミアも俺が守ってやるから安心してくれ」
「うん、………うん…うん、大丈夫…大丈夫」
まるで自分に言い聞かせる様にミアも落ち着きを取り戻す
「すまんエルフィン!やっぱりここで話すべきじゃなかった」
「いやガドランは悪くない、俺が話してくれと言ったんだから」
ひとまず二人が完全に落ち着くまで待ってもらい続きを話すが
「エルフィン今からギルドに来てくれ、詳しい情報はそっちに集まっている」
「わかった、二人は家で留守番をしていてくれ」
ガドランと家を出ようとした時
「待ってください!エル様、私も一緒にギルドに連れて行ってください」
「そんな状態で連れて行けるわけないだろ!」
「お願いします!ガドラン様が来たということはエル様も魔物氾濫の討伐に行かれるかもしれないということですよね!」
「………おそらくそうなるだろうな」
「でしたら尚のこと連れて行ってください!何も知らないで愛している人が魔物氾濫に行くなんて耐えられません!」
「エル兄様!私もお願いします!魔物氾濫は怖い、でも何も知らないのも嫌です」
二人が真剣にこちらを見据え懇願している。俺はため息をついたが
「わかった、とりあえず三人で話を聞きに行こう。ガドランいいか?」
「俺はいいが、本当にいいのか?」
「こんなに真剣な顔で頼まれたらな」
クイナとミアの顔にはまだ恐怖の感情が残っているがそれ以上に真剣な表情をしていた…
ガドランとギルドに行くと中は職員が慌ただしく動き回っているし掃除屋の数も多い
「二階に作戦室がある」
あとをついて行き部屋に入るとギルドマスターのアルフィードさん、受付主任のキサラさんに受付嬢のミルミナ、他にガドランと同年代ぐらいの掃除屋らしき男女が1人づついた
「ギルマス、エルフィンを呼んできたぞ!」
「ありがとう、ガドラン君」
俺とガドランが入った後、クイナとミアがいることに気づいたキサラさんが声を上げる
「ちょっとガドラン!なんで二人がいるの?!彼女たちは………」
「ちょっ、待て!キサラ」
キサラさんがガドランにすごい剣幕で詰め寄っている
「すみません!キサラさん、私たちがガドラン様に頼んだんです」
「でも、クイナさん達は一度魔物氾濫の被害に……」
「はい、ですからその恐怖はよく知っています。だからこそエル様が行くのに何も知らないのは嫌なんです。お邪魔はしませんのでお願いします」
そう言ってクイナとミアは頭を下げている。その様子を見ていたアルフィードさんが
「いいよ、その代わり壁際で見ててね。ミルミナくん彼女たちの傍にいてあげてください」
「はい!わかりましたギルドマスター」
ミルミナはクイナとミアを連れ壁際へと移動する
「それでは始めよう。その前に軽く自己紹介を済ませておこう」
そう言うとアルフィードさんが紹介をしてくれる
「エルフィン君、こちらの大柄の男性は剛腕斧士のルドルフ君、そしてこちらの女性は魔法剣士のカリア君だ。共にガドラン君と同じAランク掃除屋だよ」
「初めまして弓士のエルフィンです。よろしくお願いします」
二人の先輩掃除屋に挨拶をする
「おぉ!お前が最近噂になっている奴か」
「へぇ〜この大剣バカが褒めるくらいだからどんだけゴツイ男かと思ってたけど結構可愛い顔してるじゃないか」
「おい!カリア、誰がバカだって!」
「アンタだよ。アンタ!他に誰がいるんだい?キサラも大変だねぇ」
「そうなのよ、カリア。わかってくれる?」
「キサラ…そりゃねぇよ……」
「ガハッハッハ!なんだ相変わらず尻にひかれてるのか?ガドラン」
「うるせぇ!筋肉バカ」
「筋肉の何が悪い!!」
そう言うと斧士のルドルフがポージングを始めた
「えぇー、急を要するんじゃなかったの?」
「変に緊張するよりいいんじゃないかな」
ギルドマスターが近づいて来て小声で
「それと彼女たちの為に空気を和らげているんだよ」
ギルドマスターはクイナとミアの方を見ながらそう言っていた。落ち着いてきたのを見計らって話し合いが始まる
「皆知ってると思うが北東の街道からさらに北に行って森を抜けた山の麓に魔洞が発見された。それもかなり魔力が満ちた状態でだ」
「なぁギルドマスター、北東の街道は前から魔物の多発地帯で定期的に数を減らすクエストが出ていた。そして、間引きをして後、魔洞がないか調査してたはず。なのになんで満ちた状態で見つかるんだい?」
魔法剣士のカリアがギルドマスターに疑問を問いただす
「それについてまずは発見に至った経緯を説明するよ。約ひと月ほど前に北東の街道に魔物が出てきていると報告が入ったのでその間引きをエルフィン君に頼んだんだけど前回の討伐からそんなに経っていないのに数が異様に増えていた。その事に気づいたガドラン君が進言してくれて範囲を広げて調査を始めた」
アルフィードさんが地図を広げて駒を置きながら説明を続ける
「そして、その結果森を抜けた先の山の麓に魔洞があるのを確認した。だがそこは以前異常なしと報告があった場所なんだ」
「ちょっ待て!異常なしと報告があった場所にいきなり魔洞が、しかも魔力が満ちた状態であるはずがないだろ!」
今度は斧士のルドルフが声を上げる、するとガドランが
「その通りだ。だから俺は以前調査したパーティーに事情を聞こうとした。だがここひと月の動向が無いどころか奴ら王都どころか王国内にもいやしなかった。しかも出国した形跡もなかった」
「どういうことだそりゃ!」
「つまりそいつらはまだ国内にいるか、もしくは関所を通らずに国境を越えたかという事か?」
「おそらくな、エルフィン」
「なぜそんなことをする必要がある!?」
ルドルフが頭をパシパシ叩きながら言っている、そこへアルフィードさんが
「彼らは意図的に魔洞の存在を隠していたんだと思う。魔力が満ちた状態の魔洞は魔物氾濫が起こった時、数も質も高くなる。それを狙ったんじゃないかな」
「それをして誰が得をするってんだい?………まさか!」
「おそらく調査をしたパーティーは連邦もしくは帝国の手の者という可能性がある。調べた結果5年前の調査からこのパーティーが担当していた。他の地区の調査もしていたがそちらは完璧にこなしていたのでギルド員も油断していたんだろう」
「北東の魔洞を隠蔽する為にあえて他の調査もして信頼を得ていたわけか…なぁガドラン魔洞自体爆破して潰せないのか?」
「今の状態ではそれは得策ではない。溜まりに溜まった魔力が爆破の刺激により大爆発を起こす可能性が高い。そうなると魔洞のある山はもちろん、近くの森、下手をしたら北東の街道にまで被害が及ぶ」
「それはさすがにまずいな」
「そうだ、だから魔物氾濫で溜まった魔力を放出させていくしかない。」
「そうか……それにしても、ひと月前か……」
「どうした?エルフィン」
俺が考え込んだのでガドランが気になって聞いてきた
「いや、考え過ぎかもしれないがひと月前と言うと俺が討伐に行きちょうど皇国の皇女一行を助けた時期にあたる、実は皇女一行の襲撃には事前にその動向を監視していた節がある。優秀な皇国の護衛騎士達がいる中でだ」
「いやいや、待て!まさかその監視してたのがいなくなった奴らだと言うのか?」
「それはわからん。だが少なくとも偵察調査をちゃんとこなすパーティーだったんだろ?」
するとキサラさんが
「そうですね、確かに偵察や調査といった方面に特化したパーティーに見えました。それなりに実力者もいましたが」
「………………」
その場にいた全員が黙り込んでしまった
パンっ!
「それは一先ず置いといてまずは目先の問題に対処しよう。」
アルフィードさんが両手を叩き魔物氾濫の対策へと入る
「魔力が満ちた状態の魔洞があるとはいえ、エルフィン君のおかげで魔物氾濫が起こる前に発見する事が出来た。おかげで事前に準備、対策を取ることが可能だ」
「王国と皇国は兵を出してくれそうですか?」
「王国の方は直ぐに部隊を編成してくれるそうだよ」
「皇国は?」
「残念ながら今、軍を派遣することは出来ないそうです」
「………何かあったのかい?キサラ」
「皇都の東の国境近くで連邦の動きがきな臭くなってきているそうよ。見た目は軍事演習に見えるけど数が多いらしいの、だから念の為国境付近に軍を派遣して備えなければならないとの事よ」
「このタイミングでか?これはいよいよ魔洞の方も計画的犯行に感じてきたな」
「ただ皇王陛下が兵は送れないが皇国内の魔物氾濫に間に合いそうな距離の都市と街のギルドに国の緊急依頼として発注してくれるそうだからそちらを使ってくれとの事よ」
「皇国の掃除屋かぁ、アイツら腕はいいが性格の荒いヤツらが多いからな、大丈夫か?キサラ」
「それをまとめるのがあなたの役目でしょ、ガドラン」
キサラさんがガドランに指をピシッと指し圧力をかける
「まぁ皇国のギルドからあちらのまとめ役として《銀翼》さんが来てくれるそうよ」
「《銀翼》のオッサン来るのか!」
「《銀翼》ってなんだよガドラン?名前?」
話しの流れ的に知り合いっぽいけど有名人か?
「《銀翼》ってのは2つ名の事だ。Aランクになると自然と付くんだが《銀翼》のオッサンの場合、双剣士で使ってる二本の剣を翼のように広げて戦うからそう付いた」
「じゃあ、ガドラン達にもあるのか?」
「あるぞ。俺が《剛剣》カリアが《魔剣姫》ルドルフが《破岩》てな具合にな!大体は戦闘スタイルから来ることが多いな」
「盛り上がっているところ悪いけど話しを戻すよ?」
「おっとすみません!ギルマス」
横道に逸れた話しをアルフィードさんが戻す
「戦力として王国と皇国のギルドを合わせて掃除屋が500人ぐらい、王国兵士は1000人ほどになると思う。そこで…」
アルフィードさんは地図に駒を置いていきながら作戦をたてる
「魔洞の前にある森、こちらから見てその入り口から少し離れた場所に陣を構え防衛戦をひく。幸いな事に森の東側は切り立った山脈、西側は流れの速い河川になっているので大部分は森を抜けてこちらに流れてくるだろう」
「だがギルマス、それだと飛行型の魔物や泳ぎの得意な魔物は河川を越えちまうぜ」
「えぇ、ですので川の向こうには王国軍の兵士に行ってもらい泳いで来たもの飛んで来たものを対処してもらおうと思います。なにぶん川にそって配置する事になるので距離が長くなります。よって連携体制が取れている軍の方がいいでしょう」
「あぁ確かに掃除屋は集団行動の苦手な奴らが多い、細かい指示を出しても聞きやしねえ!なら森の前に待ち伏せして目の前の敵をぶっ倒せって言っとくのが一番楽だ」
「今ガドラン君が言ったように我々は森の手前で準備を整え迎撃します。そこであなた方Aランク掃除屋には前線の指揮に着いていただきます。戦線が抜けられたら一気に瓦解する可能性が有りますので危ない所への増援などの指示を現場判断でくだして下さい」
「アルフィードさん、俺はなんで呼ばれたんですか?」
「エルフィン君には私と今現場で迎撃用の陣を構築しているもう1人のAランク掃除屋と一緒に後方に待機して前線の援護と主に飛行型の魔物への射撃と負傷者への回復作業をお願いします」
「えっ!アルフィードさんも来るんですか?!」
「もちろんです!私はこれでも現役時代はSランクだったんですからね」
マジか!ってまぁ王都のギルドマスターになるくらいだからそれぐらいはあるか。という訳で大体の作戦が決まったので一度解散することになった。二日後の朝、迎撃地点に向けて出発する事になったのでカリアさんとルドルフさんは早速パーティーの仲間と準備入る為部屋を出ていった
「と言う訳でクイナとミアは家で留守番しておく様に。親方さんとフリスさんにも頼んどくからいい子にしてろよ?」
「………………」
クイナとミアは下を向いたまま返事がない、
(やはり魔物氾濫の話なんて聞かせるんじゃなかったかな)
「あのエル様………」
「なんだい?クイナ」
「私も連れて行ってください!」
「ダメ」
何となく予想出来たので即答で却下する。
「わかっているのか?魔物氾濫が発生する場所に行くんだぞ!その恐ろしさはお前達の方が知っているだろう」
「そうよクイナさん」
「家で待ってよクイナちゃん」
キサラさんとミミさんも一緒にクイナを説得してくれる。だが……
「お願いします!雑用でも何でもしますので!エル様があの場所に向かわれるのに私だけ安全な王都にいるなんて耐えれない」
「エル兄様、私も一緒にお願いします。魔物氾濫は怖い、でもそれ以上にエル兄様に何かあったらと思う方がもっと怖いです!」
「ミアまで………だがなぁ……」
困っているとアルフィードさんが
「そこまで決意を固めているならエルフィン君の助手という事で参加するかい?」
「ちょっと!アルフィードさん!」
「エルフィン君、この様子だと隠れてでもついてくるかもしれないよ?それならまだ目の届く所に置いとく方が安全だし君も守りやすいだろ?」
「そりゃそうですけど………はぁ……わかったよ。その代わり危険な事はするなよ?」
「「はい!」」
最終的に俺が折れる形でクイナとミアが同行することになった。
「アルフィードさん、俺も準備を整えるので家に帰りますね」
「急なことで済まないね。頼りにしているよ」
一先ず家に帰って来るとクイナとミアが頭を下げて
「エル様!わがままを言ってごめんなさい!」
「エル兄様ごめんなさい!」
「悪い事だと言うのは分かっているんだな?」
「「はい」」
「ふぅぅ」
大きく溜息をする、そして二人の頭に手を乗せる。乗せた瞬間ビクッとさせるが
「それがわかってても俺を心配してついて来たかったんだな」
二人の頭をなでなでする
「あのエル様…怒ってらっしゃらないのですか?」
「俺の事を思ってのことだろ?怒れるわけないじゃないか」
二人の頭から手を離すと
「ただし、ついてくるならそのブレスレットは絶対に外すな!遠征中は風呂も入れないからおそらく水で身体を拭くことになるだろうが邪魔だからといって外すなよ?」
「それは有り得ません!このブレスレットはエル様から頂いた大切な物!いつ何時も肌身離さず身に付けております!」
「そうです!エル兄様。ブレスレットを外した事なんて一度もありません!」
「それは嬉しい事だな。それにはクイナとミアを守る為の付与が付いている。例えAクラスの魔物でも傷ひとつ付きやしない。もしかしたら俺がクイナとミアから離れて魔物の対処する場面があるかもしれない。その時はブレスレットがお前達を守ってくれる。だからそれを作った俺を信じてくれ」
「いつだってエル様を信じてます」
「うん!私も」
そこからは出発に向けて準備を整える。休む為のテントや食事は一応ギルドが用意してくれるそうだがガドラン曰く味は期待するな、との事。
「クイナ、この前の大鍋いっぱいにシチューとか作れる?」
「できますがどうされるんですか?」
「遠征中の食事は味があまり宜しくないらしいから今作って貰ったのを俺の収納に入れて保存しとこうかと、十日近くもクイナとミアの料理が食べれないのはキツい」
「でしたら時間のかかる物だけ作り置きして残りは向こうで作りましょうか?」
「できるの!?」
「調理器具と食材があれば大丈夫です、ねぇミーちゃん」
「うん!エル兄様。私とお姉ちゃんがいれば作れるよ」
「なら遠征の準備と一緒にその辺の物も揃えにいくか」
なわけでいつもの様にワールさんの商会に行くとワールさんが出てくる。今更だがこんな大きな商会の会長が訪れる度に直接対応してくれるなんて本来ないよな……
「どうしましたエルフィンさん?」
「あっ、いえ何がいるか考え事を」
「?そうですか、とりあえずクイナさん達からのご希望の食材を揃えていますのでもう少々お待ちください」
「急なことでですみません」
「大丈夫ですよ、………エルフィンさんやはりあなたも討伐に行かれるのですね」
「えぇギルドマスターから直接頼まれましたから」
「しかし、あのお二人も同行するとは思いませんでした。てっきりエルフィンさんが止めるものと」
「止めたんですがねぇ凄い勢いで連れて行ってくださいと言われまして、無理にでも置いて行こうとすると隠れてでも着いてくるかもしれないと言われたので俺の助手という事で同行を許可してもらいました」
「そうでしたか、いやはや恐怖より愛が勝るとは恋する女性とは強いですな」
「男冥利に尽きますけどね、まぁ彼女たちがそれだけの覚悟を見せたんです。なら俺は彼女たちを全力で守りますよ」
「はは、エルフィンさんがついていれば大丈夫でしょう」
食材の他にも消耗品等も用意してもらう。それとテントも持っていくことになった。ギルドが支給するテントは基本使い回しで汚れていたり臭かったり散々なものらしい。代金を払おうとするとワールさんに手で制された
「代金は結構です。その代わり必ず無事に戻って来て下さい。私はまだまだ貴方と商売がしたいですから」
「……わかりました。今回は御厚意に甘えさせて頂きます。」
ワールさんに感謝を伝えお店を出ると次にガラムの親方の店に行く
「親方さんこんちは!前に頼んだやつどれくらいできてる?」
「なんじゃい来るなり早々に!……お前も討伐に行くのか?」
「えぇそうなりました。」
「そうか……お前に頼まれたやつだがやはり最初は失敗作が多くてな最近になってどうにか安定して作れる様になった。こればかりは他の奴には出来ないからな、50本ほどは性能に問題は無いはずだ」
「まぁしょうがないよ。親方さんに無理なら誰がやっても無理だろうし50本も出来たんならいい方だよ」
「にしてもお前さんも変わったものを依頼しやがる!初めてだぞ、こんなもの作ったのは」
「ハハッありがとうございました。あとは実地で試してみます」
その後、遠征で使う料理器具や食器を持ってくのに選んだんだけどワールさんと同じ用に代金は要らんから生きて帰ってこい!と言われた。俺はつくづく人に恵まれているなと思った。
家に帰ってからは買ったものを整理して俺の収納に入れるものとアイテム鞄に入れる物に仕分けしたりした。
そして夜も深けた頃、クイナとミアに残っている不安を消して欲しいと二人から求められ抱いた。行為を終えた後、ミアはすぐに寝てしまったのでクイナと久々の二人っきりの会話をしている
「今更だが本当に着いてきて大丈夫か?」
「はい、もう決めたことですから」
「ならいいが……」
一応聞いてみたが返答は変わらなかった
「あのエル様、明日は女神様の神殿にお祈りに行きませんか?」
「神殿に?いいけどどうして?」
「私はエル様と出逢えたのは女神様のおかげなんじゃないかと思っているんです。だから今回も無事を祈ってから行きたいと思いまして」
「じゃぁ明日3人で行こうか」
「はい!」
(あながちクイナの考え間違ってないんだよなぁ。ルナさんがくれた天運のおかげだし)
「………あの、エル様」
「ん?」
クイナは俺の目を見ながら
「私、エル様と出逢えて本当に良かったです。そして、今日気づいちゃったんです」
「何に?」
「私はもう、エル様なしでは生きていけないことに……」
「………クイナ」
クイナはそっとエルフィンの頬に両手を触れさせる
「朝、魔物氾濫の話を聞いた時どうしようもない恐怖と絶望が引き寄せてきました。でも、エル様に抱きしめられ優しい言葉をかけられたら、抱いていた負の感情が薄れていきとても安心出来ました」
触れているクイナの手に自分の手を添える
「その時……この人の傍が私は一番安心していられるんだと、そしたらもう貴方の側を離れたくないという想いが溢れてしまって止められませんでした」
「……俺も最初はクイナを助けてやろうという気持ちで保護していた。でもクイナと暮らすうちにその優しさ、その笑顔に惹かれていった。そして、君がその心を打ち明けてくれた夜に俺もクイナが好きで愛おしいんだと確信出来た」
俺は両手をクイナの頬に持っていき
「クイナ、愛している」
「私も愛しています。エル様」
クイナの顔を引き寄せる。そして、深く……深く…唇を交わし合った




