間話3
ダンスパーティーを無事に終えた後日、お城の庭園にて仲良し姉妹がお茶会をしていた
「エルフィン様との事上手くいって良かったわね。エリィ」
「はい、ありがとうございますユディ姉様」
お茶とお菓子を食べながら和やかに話す二人
「エルフィン様との仲は大丈夫として次は御父様達を説得しないといけないわね」
「はい…御父様はお母様達に頼めば大丈夫だと思うのですが」
「そうね、お母様達は私達の結婚について私達の意志を何より尊重して下さるから」
そう二人の母親は違う、いわゆる異母姉妹というものである。だが母親同士が幼なじみで仲が良く第一第二皇妃になっても関係は良好でその娘である皇女姉妹も仲良く育った
「問題は家臣団をどう説得するかだけど」
「軍や騎士団はエルさんの実力を知れば大丈夫でしょう」
「頭の固い文官達を納得させないとね。だけどエリィ、軍や騎士団も実力を知ったら皇国に住んで欲しいと言ってくると思うよ。エルフィン様は王国を拠点に活動しているからエリィもこちらに来るのよね?」
「私はエルさんがいるならどちらでも構わないのですが多分そうなると思います」
二人してう〜んと言いながら悩み混む、そしてなにか思いついたようにユーフォルディア皇女がポンと手を叩く
「エリィ、皇都に帰るのは南から都市を慰問しながら行くのよね?」
「はい、そうですが?」
「だったら南東の砦で指揮をとってらっしゃる叔父様に相談して協力してもらいましょう!」
「叔父様にですか?確かに御父様の弟で公爵である叔父様が味方になって下されば色々と協力して貰えそうですね」
「でしょう?」
「分かりました。早速叔父様と皇都に連絡して予定に組み込みましょう」
近くに控えていた皇国から一緒に来たメイドに指示を出す
「お姉様もうひとつ相談したい事があるのですがよろしいでしょうか?」
「可愛い妹の悩みならいくらでも聞きますよ」
「ありがとう御座います。エルさんと一緒にいた猫獣人の女の子を覚えていますか?」
「えぇあの可愛い黒髪の子ね」
「はい、実はあの子が近々誕生日を迎え成人を果たすそうなのです。それでエルさんからそれを祝う席に招待されてまして何をプレゼントしようかと。あまり値段の高いものだと良くない気がしまして」
「そうね、高いものだと遠慮してしまうものね。なら手作りのプレゼントにしたらいいんじゃない?」
「手作り…ですか?」
エリィは首をコテンッとさせながら?マークを出している
「そう、例えばエリィの得意な編み物で何か身に付けるものを作るとか」
「あっそれいいですね」
「皇国伝統のシルフ編みで作ったらいいわ、丁度国から専用の毛糸を持ってきてるから」
「ではいつも使えるように髪留め用のリボンを編んでみます、それなら付けてくれるでしょうから」
「いいと思うわ」
「お姉様、後で毛糸を貰いに行きますね」
「えぇ用意しとくわね」
そう言った後ユーフォルディ皇女は少し考え込み
「所でエリィ、そのお祝いは城の外でするのよね?」
「はい、そうです」
「護衛はどうするの?」
「それなのですがカーマイン様に相談して見ようかと」
「私がどうかしたかい?」
不意に横から声がしてその方向を見るとカーマインが歩み寄って来ていた
「カーマイン様、丁度良かったです」
ユーフォルディ皇女がカーマインに向けて話し出す
「エリィがエルフィン様の所に居る猫獣人の女の子の誕生日を祝う席に招待されているそうなのですが護衛はいかが致しましょう」
「あぁその事か、実は私とユディもどうか?とエルフィンに誘われたのだが婚約発表の後で色々と忙しいから今回は遠慮したんだ。すまないユディにはまだ話してなかったな」
「あら、そうだったのですか」
「護衛の事だが問題ないだろう」
二人を見ながらハッキリとカーマインは言った
「城までエルフィンが迎えに来るそうだし帰りも送り届けると言っていたからな、逆にアイツ以上の護衛がいるなら紹介して欲しいくらいだ」
「確かにそうですわね」
三人は笑い出すのだった
「何処でお祝いするのかしらね、エリィはもう聞いた?」
「場所はまだ聞いてないのですが以前クイナさんと食事に行った店との事です。個室があっていい所だと」
「意外と王都一のレストランだったりしてな」
「カーマイン様、あそこは貴族でもなかなか予約が取れないレストランですよね」
「エルさんが選ぶ所ですから良いお店ではあると思いますよ」
和やかに話す三人、しかし本当に王都一のレストランを予約していたとは思わない三人でした。




