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新たな運命交わる フラグP-4

皇女様達一行を助け王都に向かう道中。

騎士隊長さんの絶賛が止まらない……


「エルフィン殿の戦闘まさに素晴らしいの一言に尽きる!」


俺は現在皇女様の馬車に同席させてもらい窓を開けた馬車の横を隊長のジュリアンさんが併走している


「弓の腕前もさることながら魔物との戦闘も凄まじい!特に魔物から姫様を庇ったあの動き、全く反応出来ませんでした!」


襲撃された場所を出発してから彼女はこんな感じのままだ

姫様2人も若干引いている、そこに第二皇女様が


「すみませんエルフィン様、ジュリアンは女神アテロスの熱心な信者でして……」


「女神アテロス?」


「ご存知ないですか?我が国の信仰する武勇と信念を司る戦女神アテロス様です。王国の信仰する女神ルナフレア様とは姉妹神と言われております」


ルナさんの姉妹!マジか……


「すみません実はつい最近までじいちゃんと森の中で生活していたので世間的な常識にはかなり疎いんです」


「あら!そうだったのですか、でしたら知らなくても仕方ないですね。女神アテロスの信者は自分より武勇の優れる者に最大限の敬意を表します」


「それであんな状態に……」


「はい、ああいう風になります」


俺と姫様方はジュリアンの方を見ていた


「時にエルフィン殿!」


「うぉい!」


急に話しかけられてビックリした。


「エーデルリア様を救ったあの動きは一体なんだったのですか?ぜひ教えて頂きたいです!」


「あぁ、あれですか。原理は簡単ですけどあまりおすすめしませんよ?」


「どうしてですか?」


「あれはまず強化魔法を両脚に集中させます。さらに風魔法を付与してスピードをあげます。しかしこのまま動くと間違いなく足の健が切れるか筋肉繊維がちぎれるので動く前に回復魔法を両脚にかけたままにしてから動きます。まぁ前提として強靭な足腰が必要なのは云うまでもないですが」


説明するとジュリアン隊長も姫様方も黙り込んでしまった


(あれ結構大変なんよ。なれんと速すぎて行き過ぎたりするから)


黙っていたジュリアン隊長が口を開き


「エルフィン殿…あ、あの一瞬でそれだけの事をしていたのですか?!」


その後、ユーフォルディア皇女が


「強化魔法に風魔法の付与、さらに回復魔法の三つを同時展開されていたのですか?」


「えっまぁそうなりますね」


なぜか第一皇女とジュリアン隊長が絶句した顔になり、第二皇女のエーデルリア様は目をキラキラさせてこちらを見ていた


「そんなに珍しいですか?」


「エルフィン殿、珍しいなんて低い話ではありません。」


「エルフィン様、魔法に長けた者でも同時展開は二つが限界です。なのにエルフィン様は三つ同時展開を行いさらにその後あれ程の戦闘をされました。武力に秀でた我が国でもこれ程の実力者はいません」


そこまで言うと第一皇女ユーフォルディア様が


「エルフィン様、我が国に仕官されませんか?」


「えっ!」


「ユディ姉様!?」


「あなた様程の実力をお持ちの方ならすぐに頭角を現すでしょうし、私の権限で最高の待遇をお約束します。先程も申しましたが我が国は戦女神アテロスを信仰する国ですので家臣も国民も受けいれるでしょう。いかがですか?」


「………折角の申し出ですが、俺には今の掃除屋(スイーパー)としての自由な生活が1番あってますので」


「……そうですか、残念です」


「結構あっさり引きましたね」


正直もう少し粘ると思ったが


「あまりしつこく勧誘して皇国に嫌な印象を持たれるのは避けたいですから、本音を言いますと皇国の王侯貴族と結婚していだき連邦や帝国への牽制になっていただきたかったです」


そう言って第二皇女の方をチラッと見る、それに気づいたエーデルリア様は俺の方を一瞬見て顔を背けてしまった。その顔は紅く染まってたような…


「まぁそれ以前に王国の紋章をお持ちの方を勝手に引き抜いたら国王陛下に怒られそうなので」


「いやいや、でしたらなぜこの話を?」


「ダメ元で聞いてみようかと、さすがに本人が決めたことなら愚痴ぐらいで済むかなと思いまして」


(あっなにか言われるのは確定なのね)


こんな感じで話しながら王都を目指し進む。途中で魔物に襲われたりしたが少数な上に強くない個体がほとんどだったので夕方、日が落ちるまでには王都に着くことが出来た。


「日が落ちる前に王都に到着できてよかったですね」


外周の城壁をくぐりながら話す


「えぇどうにか着くことが出来ました」


「エルフィン様のおかげです」


皇女様二人が改めて礼をしてくる


「お気になさらず、さすがに城門の中に入れば安全でしょうから俺はここで失礼しますね」


そう言って立ち上がろうとしたら


「あっすみませんエルフィン様、できましたらこのまま私達と王城まで同行願えませんか?」


「構いませんがどうしてです?」


「一応早馬をジュリアンに出してもらい今回の件を報告してもらってるのですが現場にいたエルフィン様にも状況を説明していただきたいのです」


「あぁなるほど、居合わせた者としての証言記録ですね」


皇族が襲われたのだからこれは行かんとダメなやつだな


「分かりました。そういう事なら王城まで同行しましょう」


「申し訳ございません。よろしくお願いいたします」


俺は馬車を降りることなくそのまま王城に向かうことになった、王城前の大橋を渡り城門をくぐり中庭に差し掛かった時


「中庭の所に誰かいますね」


(あれは……)


中庭に馬車を待っていたかのように騎士団とその人物は立っていた


「あの方は!」


ユーフォルディア皇女が喜びを隠そうともせず笑顔になっている

馬車が中庭に着き停車すると同時にユーフォルディア皇女は飛び出す


「カーマイン様!」


「ユディ!よくぞ無事だった!」


二人は人目を気にせず抱きしめ合っている


「どゆこと?」


「あぁ話してませんでしたね、王太子殿下とユディ姉様は幼なじみで相思相愛の仲なんです。今回も正式な婚約と花嫁修業の為に王都に来たのです」


「へえ〜」


カーマインにそんな相手がいたとは……


「盗賊と魔物に襲われたと聞いた時は肝を冷やしたぞ」


「もうダメかと思われた窮地を掃除屋(スイーパー)の方に救っていただきました」


「早馬で聞いてはいたが私からもその者に礼をしなければ!」


「今、あの馬車におられます」


そう言って二人揃って馬車に歩み寄って来るので俺も降りることにした


「この度は皇女を救ってくれ感謝………」


「オイッス!」


「…………エルフィン!!!」


カーマインがお礼を言う所で顔を見せたらめっちゃ驚いていた

俺が馬車から降りてすぐにエーデルリア皇女が降りようとしていたので手を貸して下ろしてあげてそのままカーマインとユーフォルディア皇女さんの側まで行く


「もしかしてユディ達を助けた掃除屋(スイーパー)というのは……」


「まぁな、それよりも俺は重大な事に気づいてしまった」


「な、なんだ」


俺は少しタメを作って


「まさかお前にお婿さんの貰い手がいたなんて!」


「ほう、いい度胸だ」


そう言うと背後にまわり後ろからチョークスリーパーをかけられてしまった


「ギブギブギブ」


「お二人は仲がよろしいのですか?」


俺がカーマインの腕を叩いているとユーフォルディア皇女が話しかけてきた


「エルフィンとは身分に関係ない友人だ」


腕をかけたままカーマインが応えている


「まぁそうだったのですか、ギルドカードに王家の紋章がありましたので顔見知りではあると思っていましたが」


皇女様二人とカーマインらと話していると


「ユディちゃ〜ん!、エリィちゃ〜ん!」


皇女様二人を呼びながら近づいて来る人物がいる


「「王妃様!!」」


マーガレット王妃は二人をおもいッきり抱きしめる


「二人とも無事でよかったわ!」


「御心配をお掛けしました」


「こちらの方に救っていただきました」


マーガレット王妃がこちらを見て


「あら!エルフィン君じゃない、あなたが二人を助けてくれたの?ありがとう!」


「偶然近くに依頼で魔物の討伐に来てまして、たまたまその場に居合わせた感じです」


「偶然でもたまたまでも二人を助けてくれたのには変わりないわ!本当にありがとう」


「エルフィン、私からも礼を言わせてくれ、お前のおかげで愛する人とその家族を失わずに済んだ。感謝する」


王妃もカーマインもお礼を言うてくる


「皇女様二人にも言いましたけど気にしないでください。襲われているのを見たら助けるのは当たり前ですから」


「ふふっありがとう。そうだ!エルフィン君、王城で夕食を食べて行かない?」


「すみません王妃様、家でクイナが帰りを待っていますので」


「あらっそうね。クイナちゃんを待たせているのね」


クイナの名前を聞いたエーデルリア皇女がカーマインに何か聞いていた


「あのカーマイン様、クイナさんとは誰ですか?」


「ん?あぁエルフィンと一緒に住んでいる女性のことだよ」


「!?」


その言葉にショックを受けたように気落ちしてしまう。その様子を見たカーマインは小声でユーフォルディア皇女に


「ユディ、エリィはもしかしてエルフィンの事を?」


「おそらくは……」


そんな話を後ろでしているとは知らない俺は


「だったらエルフィン君、5日後にカーマインとユディちゃんの婚約祝賀パーティを開くから是非参加してね」


「俺みたいな一般人を入れて大丈夫なんですか?」


「王家の賓客として招待するから大丈夫!もちろんクイナちゃんも連れてきていいわよ」


「あっ実はクイナと同じ村の娘も家にいましてクイナと一緒の状況なんですが……」


「一緒に連れてきていいわよ!話を通しておくから」


「分かりました。では参加させていただきます」


「よかったわ!改めて招待状を送るからよろしくね」


王妃様との話が終わったらカーマインが


「エルフィン今日は日が落ちてきたからまた明日、今日の件を王城で聞かせてもらってもいいか?」


「あぁそうだな。その方が助かる、さすがに今日は疲れたからな家に帰ってゆっくり休みたい」


王妃様は皇女様達に


「ユディちゃんとエリィちゃんも今日は大変だったでしょう。ゆっくり休んでね。あっその前に通信魔法具で皇王陛下に無事の連絡をしてあげてね。とても心配してらしたから」


「はい、分かりました。御父様にも心配をかけてしまいました」


「国王陛下が事の経緯と無事である事の連絡はしているけど、やっぱり直接声を聞いた方が安心されるでしょうからね」


さてと俺もそろそろお暇しますかね


「それでは俺も今日のところは帰りますね」


「エルフィン、うちの馬車で送らせようか?」


「そこまでしなくても大丈夫、大橋を渡って少し歩けば着くんだから」


手を振って帰ろうとするとエーデルリア皇女が近づいて来て


「エルフィン様、ありがとうございました。改めて御礼の程をさせて下さい」


続けてユーフォルディア皇女様が


「エルフィン様のおかげでカーマイン様の元に着くことが出来ました。エリィも言いましたが御礼がしたいのでお会い出来ますか?」


皇女様からの感謝を無下にはできないよなぁ


「分かりました。でもあまり深くは考えなくていいですよ、同然の事をしただけですから。それではまた、失礼します」


皇女様達に頭を下げて家に帰って行った。

その後ろ姿をエーデルリア皇女は見えなくなるまで見ていた


「さてと!ユディちゃんエリィちゃん夕食まで時間があるから湯浴みをしてさっぱりしましょう。髪も少し乱れてるし、綺麗にしましょう」


「お言葉に甘えてそうさせていただきます。………エリィ?」


「!?はい、ユディ姉様」


「このままの姿では失礼だから湯浴みをさせていただきましょう」


「そう致しましょうユディ姉様」


王妃様の侍女に案内されながら二人は王城の中に入っていく。その姿を見送りながらマーガレット王妃は少し考え込むのだった。



一方、家に帰りついたエルフィンは


「ただいま〜」


家に入り声をかけると奥から足音がしてきて


「お帰りなさいませ!エル様」


クイナが笑顔を浮かべながら出迎えてくれた


「ただいまクイナ、なにか変わった事はあったかい?」


「大丈夫でした。言われた通りお昼過ぎにモーノ商会の方が来られて部屋の改築に必要な資材の採寸をされて帰られました。さっそく明日から取り掛かるそうです」


「そうか、わかった」


「エル様お疲れのようでしたら先にお風呂に入られますか?それともお食事にされますか?」


こんな風に優しく気にかけてくれるとつい意地悪したくなるんだよな


「………その後に『それとも、わ・た・し?』とかはないの?」


「ふぇっ!?」


クイナの顔が紅くなる。可愛い……


「ごめんごめん、クイナの優しさが嬉しくてついね」


クイナの頭を撫でていると


「エル兄様お帰りなさい!」


ミアが出迎えに来てくれた


「ただいま〜ミア、ちょっと汗とかかいてるから先にお風呂に入らしてもらうよ。その後にみんなでご飯にしよう」


「分かりましたエル兄様、お風呂出たら食べられるように準備しときます。………クイナお姉ちゃんどうしたの?顔が紅いよ」


「だ、大丈夫、なんでもないよ」


「?じゃぁ私は食器を出しとくね」


「うん、お願い」


ミアは食堂の方に行った


「あ、あのエル様」


「うん、なに?」


まだ顔を紅くしながら


「そ、その()()()は1番最後にお願いします」


そう言ってクイナも食堂の方に小走りで向かって行った


(ノオォォ!何今の!可愛い!可愛い過ぎるんだけど!!)


クイナからの予想外の返しに悶えてしまった俺でした。

色々鎮めるために俺は風呂場に向かい汗と一緒に洗い流した後、食堂に向かい二人と食事を取りながら今日の事を話す


「………という訳で5日後にパーティーに招待されてるからみんなで一緒に行こう」


「パーティーに着ていくドレスはマーメイドで買って貰った物でも良いのでしょうか」


クイナは1ヶ月間王城で生活していたからか意外と普通にしているけどミアの方は……


「お姉ちゃんなんでそんなに普通でいられるの?王城だよ!王様とか居るとこだよ!」


「えっ?そうだね。王様も王妃様もとても優しい人だったよ」


「お姉ちゃん会ったことあるの?」


「えっ!え〜と……」


クイナがこちらを見てきた、おそらく自分が話していい事なのか迷っているのだろう


「前に王城に知り合いがいるって言ったろ、依頼で1ヶ月間王城に住み込みでやった時にクイナも俺の助手として一緒に王城にいたんだ。その時に王様にも王妃様にも会っている」


「王城からの依頼って凄いですね」


「とりあえずパーティー出席は確定だから、ミアが着るドレスも準備しよう」


「うぅぅ、私も出ないとダメですか?」


「すでに王妃様が連れてきちゃって、と言ってるけど……」


「………行きます」


ミアも王妃様からの言葉には逆らえなかった

食事を終えた後、片付けをして部屋に行く。クイナからのリクエスト通り本日最後にクイナを美味しくいただき1戦終えたあと


「あのエル様……」


「どうした?」


クイナが俺の腕の中から尋ねてくる


「先程のお食事の時の話なんですが……」


「食事の時と言うと皇女様達を助けた話?」


「はい、その話なのですがもしかして第二皇女様はエル様に好意を持たれたのではないですか?」


「どうしてそう思うの?」


「エル様のお話での第二皇女様のお姿は慕っているように思います。あとは女の勘です」


「……たとえそうだとしても俺にはクイナがいるしなぁ………」


クイナの顔を見ながらそう告げる


「エル様とても嬉しいです。私もエル様が大好きです。だけど私はエル様を独占するつもりはありません」


クイナはいつもの笑顔を向けながら


「エル様はとても素晴らしいお方、いろんな女性が好意を寄せると思います。私としても好きになった人がモテるのは嬉しいですし同じ男性を好きになった者同士協力してエル様を支えたい。もちろんエル様の地位や金銭目的の方はお断りですが。ですのでエル様が他の女性を作られても構いません」


そう言うとクイナの方からキスをしてきて


「私は他の方に負けないよういっぱい努力してエル様に愛していただけるように頑張るだけです!」


「そう言う嬉しいこと言われると……」


ラウンド2 ファイト!!


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