新たな運命交わる フラグP-3
クイナとのイチャイチャを過ごした翌朝………
「ん、ん~~~ん?」
腕がなんか重いと思って見るとクイナが俺の腕に頭を乗せて寝ている。簡単に言えば腕枕の状態だ。その分、身体も密着している訳で
「人肌って暖かいな……」
クイナの体温を感じながらそんな事を思って見ていたら
「う…ん、……あ、おはよう…ございます」
「うん、おはよう」
目を覚ましたクイナとバッチリ目が合った、恥ずかしがるクイナが可愛かったのでついそのままキスしちゃいました
「!……えへへ」
クイナは驚きながらも嬉しそうな表情になっていた
「さてと起きて朝食作ろうか」
「はい」
お互い身体を水で拭いてちょうど着替え終わった頃、
コンコンっ
「エル兄様、お姉ちゃん起きていますか?」
「ああ起きてるから入っても大丈夫だよ」
「はい、失礼します。エル兄様、お姉ちゃんおはようございます」
「おはよう、ミア」
「おはようミーちゃん」
「朝食の準備をした方がよろしいですか?」
「ああ、俺達も一緒に行くから皆で作ろう」
「はい!……後その…ひとつ…お姉ちゃんにいいですか?」
ミアが若干モジモジしながら言ってくる
「どうしたのミーちゃん?」
「…お姉ちゃん……声…抑えて…」
「えっ」
はて?今クイナの声大きかったか?そう思っていると今ではなかった
「その……夜の……声……」
「……へっ……?!」
「………あ〜〜……」
この家、隣家は離れているうえに片方は空き家だ。(ちなみに住んでる方は医師団長さんの家)
防音対策なんてしてないしミアの寝てた部屋は隣だからつまり………
すべて丸聞こえ!!
「防音なんてしてないからな〜」
「えっ?!じゃぁエル様、もしかして……」
「全部筒抜け」
「~~~~~~!?」
クイナが声にならない声を出し羞恥心からなのかベッドの上の布団に頭を隠していた
「ああ、すまんミア。睡眠妨害だったか?」
「いえ、エル兄様から良く眠れるように薬を頂いていたので…その……終わる頃には寝れていました」
クイナはその言葉に足をバタバタさせている。
(ミアよ、それ羞恥心の追加攻撃になってないか?)
さすがにクイナが可哀想になっていたので
「えっとクイナ、この部屋に強めに防音の付与を施しておくから次からは心配しなくていいよ?」
するとクイナの尻尾がフリフリと揺れ始める、機嫌が直ったかと思ったら
「………次?」
ミアのその一言でクイナの尻尾がピーンと立つ
「……ミア…余りいじめてやるな」
その後なんとかクイナをなだめて皆で仲良く朝食の準備を始める。クイナとミアが料理を作っている間に俺は特製フルーツジュースを作る。朝食は洋風の朝食といった所だ
「このフルーツジュースすごく美味しいです!」
どうやら俺の特製フルーツジュースはミアにも好評のようだ
「そうでしょ!私も大好きだよ」
機嫌を直したクイナとミアは仲良く食事をしていた
「あっそうだ。クイナにミア今日は二人で家の掃除を頼んでいいか?」
「はい、構いませんがエル様はどうされるのですか?」
「ギルドに行っていくつか討伐系の依頼を受けてこようと思う」
「依頼ですか」
討伐系と聞いて二人が不安そうな顔をする
「討伐系と言っても別に高ランクの魔物を狙うわけじゃないよ」
「ではどうして討伐系を?」
「ここ最近まともな弓の練習ができてないし城の練兵所を借りて練習してたけど実戦をしないと腕がなまっちゃうからな、それに」
「それに?」
「俺Cランクだけど実質依頼1件しかしてないからな、さすがに何かしないとやばいだろう」
「確かにそうですね」
クイナも納得いったように返事をかいしてくれた。ただミアが
「エル兄様、城って王城ですか?なぜそんな所の練兵所を借りられるのですか?」
「まぁちょっと王城に知り合いがいて特別に貸してくれたんだよ」
「へぇそうなんですか」
俺みたいな一般人が王城の練兵所を使ってたらそら不思議に思うか
「そういう事なんで家の事は頼む。二人のことはそのブレスレットが守ってくれるし家にも対策をしてあるし、親方とフリスさんにも頼んどくから心配しなくていいよ。それとお昼過ぎにワールさんの商会の人が部屋の工事するのに下見に来るから案内してあげて」
「わかりました。どうか気をつけて行ってきてくださいエル様」
「エル兄様、ご無事のお戻りを待ってます」
「ありがとう!まぁ無茶はしないから大丈夫」
そして朝食を食べ終えた後、準備を整えギルドに向かう。ちょっと確かめたい事があったので受付に行くと何故かキサラさんにジト目で睨まれた
「……えっと…キサラさん?俺何かしました?」
理由が分からず質問した
「……エルフィンさんナイフを使って戦闘をしたそうですね?」
昨日のゴロツキに絡まれたやつか?
「まぁしましたけど……」
「ナイフの扱いが上手いと思っていましたけどそのような職業なかったですよね?」
「えっとどうでしたっけ……」
そう言うとまたジト目で睨まれた
「エルフィンさん、これ使ってもう1回調べましょうね」
そう言ってカードを作る時のステータスを調べる魔法具を指さした、なぜか笑顔になったキサラさんが怖かった
これは刃向かってはいけないと素直に従う、そして結果を見たキサラさんが
「エルフィンさんついて来ていただけますか?」
「えっとどうして……」
「ついて来てください」
「何かありました?」
「来なさい」
「はい!」
キサラさん超怖!今後ろに戦鬼いたぞ!……ガドランお前が尻にひかれている理由がなんかわかった気がする
大人しくついて行くと前に通された応接室についた。そこでキサラさんに少し待っとくように言われたので待っていると
「やあエルフィン君今度は何をしたのかな?」
「おはようございます、アルフィードさん。俺もまだ理由を聞いてないです」
「ギルドマスターこちらを見てください」
キサラさんが先程のステータス結果を見せている。それを見たギルドマスターはなんとも言えない顔になっていた
「私もギルドマスターになって長いが……」
「どうしたんですか?」
するとギルドマスターがステータス結果を見せてくれた、そこには王級職業3つの後に
「『操剣士』?」
そうルナさんの所では短剣士になっていたのが変わって『操剣士』になっていた
「私も初めて聞く職業なんだが……」
一応俺の検索能力でも見てみたらこちらも操剣士になっていた、ただしその横にどこかで見た事のあるマークがついてある
(どう見てもスマホのメールだろ……)
とりあえずそのメールを押すとメッセージが表示され……
《せっかくなので新しい職業作っちゃいました!Byルナより》
なんか一瞬めまいを起こした気分になる。
(ノリで作るな!ノリで!)
心の中でツッコミを入れていると
「エルフィン君これについて心当たりはあるかい?」
女神様が作りました!とは言えず、とりあえず俺のナイフを使った近接戦闘を説明する。この2人なら話しても問題ないとの判断からだ
「……なるほど、ずいぶん変わった戦い方をするね。でもちゃんと使いこなしている。だから職業として認められたのか……」
俺の話を聞いたギルドマスターが考え込んでいる。
「とりあえずこの新しい職業については他のギルド支部にも報告させてもらうよ、もちろん個人情報は漏らさないからそこは安心してほしい」
「わかりました。これから俺はどうしたらいいですか?」
「職業は神々が決めるものだからね、私達がとやかく言うものでは無いし表記されてるから一応神によって認められた職業だろうし」
(実際に女神様が作りました……って言わない方が言い、よね?)
「だから普通に生活してもらって大丈夫、たまに今日みたいにステータスを調べさせてもらうかもしれないけど」
「まぁそれぐらいなら……」
「じゃぁよろしく、ところで今日は依頼を受けに来たのかい?」
「あ、はい。最近弓の実戦をしてないのでできれば派手に動いても問題ない討伐系の依頼を探しに来ました」
「王級の弓士が動けるような依頼か……」
ギルドマスターがしばし考え込んでから
「だったらちょうどいいのがあるかも、キサラ」
ギルドマスターがキサラさんに話しかける、するとキサラさんは部屋を出ていきすぐに戻って来て1枚の紙を差し出す
「ここから北東方面に皇国へと繋がる道があるんだが最近魔物が増えて困っているんだ。護衛等を雇えない商人はわざわざ遠回りしてから行かないといけないから間引きしてくれると助かる」
「つまり種類を問わず数を減らしたらいいと?」
「そうだね、ただできたらウルフ系等の集団で行動するタイプを優先的に頼みたい」
「わかりました。討伐確認はどうします?俺のアイテム鞄は容量が多いので片っ端から入れてギルドに持ってきたらいいですか?」
(実際は収納だけどね)
「それでもいいし討伐部位を取ってもらってもいい、丸ごと持って帰ってもらった方が有効活用ができるからその時は追加報酬を出させてもらうよ」
「では稼がせて貰いますよ」
「じゃぁこの依頼を承認という事で」
という事でちょうどいい依頼を見つけた俺はさっそく指定の場所に向かう事にした。本来なら3時間はかかる距離を身体強化魔法で速度を上げ万能回復能力で体力を回復させながら走ったら30〜40分程でついた。草木が少なく代わりに岩山などが立ち並ぶ荒野と言った感じだ
「さてと、とりあえず検索能力で調べるか」
検索で魔物の位置を確認する
「おお、確かにこれは結構いるな。これならちょうどいい」
今回こんな依頼を受けたのは確かめたい事があったから、
「やっと相棒の力を試せるな」
そう俺が所有する神弓【星の女神】がもつ二つの固有武技を試す為に人が少なく見られる可能性の低いこの依頼を受けた。【星の女神】に固有武技があるのを知ったのはつい最近万能検索で調べて初めて知った。
「とりあえず近くに人はいないみたいだし、このまとまった数のいる所で試してみるか」
ちょうど近い位置にそれなりの数の魔物がいたので
「さっそく固有武技を使って見るか」
練習ついでに軽く使って確かめて見よう、使わないとどんな武技か分からないし手加減すれば大丈夫だろう。
………などと考えていた時期が俺にもありました。
「やばいヤバイやばいヤバイ!!!」
目の前の光景を見てそんな言葉が出ました
「何コレ?」
俺の目の前には無数の小さなクレーターが作られ、円形にくり抜かれたような道がはるか先まで続いていた
「軽く打っただけでコレって……」
まぁ神が作った武器だし作った本人さえ驚きの性能になったらしいし、当然と言えば当然かも……
「にしてもすげぇな相棒……これはかなりの奥の手になるな」
どういう固有武技なのか確かめられたしあとは俺が使い所をちゃんとすれば大丈夫だろう
「さてと掃除屋としての仕事をしますかね。固有武技でたおした魔物はミンチになって回収不可能だし形が残るように手加減して倒さないと」
それから俺は検索能力で索敵しながら有害な魔物を狩り始めた。
途中から数を数えるのが面倒になったので確認してないが100体以上は倒したんじゃないかと思う。にしても本当に魔物の数が多い、ワールさんの商会で矢を補充しといてよかった。
あらかた倒し終えた頃にはお昼をだいぶ過ぎていた。俺は見晴らしのいい岩山に座り遅めのランチをとることにした。
「お!これは美味そう」
お昼ご飯はクイナが食べやすいようにサンドイッチを作ってくれていた。
「美味いな!クイナは本当に料理が上手だ」
クイナの作ったサンドイッチをほうばりながらこの後どうするか考える
「まだ時間あるし矢も十分足りる、もう少し範囲を広げてみるかな」
俺は検索能力でさらに索敵範囲を広げて確認していると
「なんだこれ?」
ここからさらに北東の道沿いに反応が出た
「こりゃまた…………」
検索能力で索敵する数刻前…………
ある馬車が盗賊の襲撃を受けていた
「貴様ら!この馬車に誰が乗っておられるかわかっているのか!」
「はん!そんな高価な馬車だ!たんまり高価な物もあるだろう」
「お前達!馬車を守るように防衛陣を組め!」
馬車には高貴な身分の者が乗っているのだろう、それを守る騎士達は馬車を守るよう隊列を組む。
そして騎士達と盗賊団の戦いが始まる、最初こそ均衡したが徐々に騎士団側が優勢になり始めたかに見えた……だが
「隊長!後方より奇襲です!」
「何!すぐに後方へ……」
「はっ!行かせるわけないだろ!」
正面の敵へと攻勢に出ていた騎士達は守りの薄い後方の奇襲に向かおうとしたが正面の敵にも増援が加わり足止めされる
「グッ!貴様ら邪魔だ!」
正面の騎士達が苦戦している間に奇襲を受けた後方が突破され馬車に取り付く。そして中にいた人物を外に連れ出す
「おら!騎士団共動くんじゃねぇ!」
馬車の中にいたのは女性が3人、貴族らしき人が2人にその侍女が1人。その3人に剣を突きつけ盗賊達が騎士達に怒鳴る
「余計な事をしてみろ!女どもが傷物になるぞ!」
「その手を離せ、貴様ら!」
「馬鹿か!離せと言って離すバカがいるか!」
「クッ!」
人質を取られ身動きが取れなくなった騎士達は動けずにいた
人質になった女性達は
「ごめんなさい、エリィ、それにリリア、私のわがままでついて来てもらったのにこんな事になってしまって……」
「いいえ!ユディ姉様のせいではありません!」
「そうです!あなた様の責任ではありません!」
謝る女性に対してそれを宥める女性達、その光景を盗賊達は
「おうおう!涙ぐましいねぇ、心配しなくても俺達がたっぷり可愛がってやるからな〜!」
盗賊達は女性達をなぶるように目を向ける
「あなた達に辱めを受けるぐらいなら死んだ方がマシです!殺しなさい!」
「そんなもったいない事するわけねぇだろ?すぐに気持ちよくしてやるよ」
「「ギャハハハハハッ」」
手出し出来ない騎士達を後目に大笑いする盗賊達
「ギャハハハッダバっ!!」
「?」
急に変な笑い声がしたので盗賊達、騎士達がその方向見るそこには
「あ、がっ!ばっ!」
3人の女性を押さえつけていた盗賊の口に矢が突き刺さっていた
「なっ!どこからだ!とにかく女どもを捕まえろ!」
その指示のもと女性達を再び人質にする為盗賊が近づく
「ユディ姉様危ない!」
1人の女性が捕まりそうになる女性を庇おうと盗賊との間に入る、盗賊は女性を掴もうと手を伸ばす
「ぐはっ!」
盗賊は女性を掴む前に頭に矢が刺さり絶命する
「今のうちに守りを確保しろ!」
矢が盗賊達だけに向けられているのを確認した騎士達のリーダーは即座に女性達の安全の確保に動く
「クソっ!こっちの弓使いは何してやがる!」
「とっくに死んでるよ」
「誰だ!」
「通りすがりの掃除屋だよ」
声のする方を盗賊団それに騎士達が見る、そこには岩山の上で弓矢を構える男がいた………
■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪
『検索能力で盗賊を確認したエルフィン』
検索能力で盗賊達に襲われている一団を確認した俺はすぐさま現場に向かった。ついた時には既に戦闘が始まっていた
「今の所、騎士達が優勢だけど伏兵に気づいているのか?」
俺は検索能力で伏兵がいることに気づいていたが……案の定、騎士達は伏兵に気づいておらず馬車の中にいた女性3人を人質に取られていた
「あのエメラルドグリーンの髪をした2人は姉妹の貴族か?茶髪の女性は侍女っぽいな」
騎士達は女性を人質取られ身動きが取れなくなっていた
「見過ごす訳にはいかないよな」
俺はひとまず隠れている盗賊団の弓使い達を始末する
「よし!誰も気づいてないな」
そして盗賊達がバカ笑いをしだしたので女性を捕まえている盗賊の口に矢を放り込んでやった。当然慌てだした盗賊達はすぐに女性を人質しようと再度掴みかかろうとしていてそれを庇おうと別の女性が間に入る、俺は掴まれる前に盗賊の頭に矢を打ち始末する
「クソっ!こっちの弓使いは何してやがる」
「とっくに死んでるよ」
「誰だ!」
「通りすがりの掃除屋だよ」
騎士達のリーダーがこちらを見ていたので
「ここから援護しますので女性達の保護を任せます」
「………了解した!」
騎士達のリーダーはほんの少しだけ考えた後、すぐに女性達の確保に向かった。俺は女性達に近づく盗賊を始末しながら騎士達を援護する。騎士達のリーダーが女性達に接触したのを確認後、盗賊の殲滅に専念し数分後には全て倒していた。
「ひとまず盗賊は全滅したか…んっ?」
周りを確認していると騎士達がこちらをジッと見ていた。
(いきなり現れたらそりゃ警戒するか…とりあえず挨拶だけしとくか…)
俺は弓を腕輪に戻し騎士さん達の所へ向かう、しかし近づいた時
「そこで止まってください」
リーダーを含め騎士達が剣を構える
「ジュリアン!この方は私達を助けてくれたのですよ!」
「それについては感謝しております。ですが私達はあなた様方を御守りするのが使命、身元の分からない者を近づける訳には行かないのです」
「そんな!」
「あ〜確かにその人の言う通りです。俺は………」
「??」
急に言葉を止めたので騎士達が不思議がる
「……失礼します!」
その瞬間、姿が消える
「なっ!どこに」
「キャッ!」
騎士達は不意に後ろから小さな悲鳴が聞こえ振り返る
貴族の内、妹らしき女性の方を腕に抱き寄せナイフを構えるその足元にはウルフ型の魔物が倒れている。
「ま、魔物!」
「エリィ!大丈夫?!」
「は、はい!この方が守ってくれました」
「どうやら血の匂いに引き寄せられて集まって来たみたいですね」
辺りを見渡すと数十匹は軽くいるだろう魔物が周りを包囲していた
「主を守るよう隊列を組め負傷者を円の内側に!戦えるものは剣を構え壁を作れ!」
すぐさま隊長さんが指示を出す、てかこの隊長さんよく見たら女性だった盗賊相手に結構な剣幕だったから男かと思ってた……
「クソっこの数は!せめて姫様方だけでもお逃げいただかなければ!」
(姫、ね………)
何となくどういう身分の人かわかってきた……しかも皇国方面から来たっぽいし…ここ王国領だし死なれたら大問題だよなぁ
(余り手の内見せたくないけど…しょうがないか…)
「騎士さん達はそのまま近づく魔物だけ対処してください。残りは全部俺がどうにかしますんで…」
「何を言っている!この数を………!?」
そこからは俺の殲滅無双タイムである。近くにいる魔物は傀儡の短剣で刻み、離れた魔物は弓矢で射抜いていく。
「なっ!何者だ…この男……」
隊長さんを始め騎士達が驚愕の表情で見ていた。あらかた倒した頃残っていた魔物も勝てない事を悟ったのか散り散りに逃げて行く。検索能力で確認したがとりあえず大丈夫そうだ。すると隊長さんが近づいて来て
「き、貴殿は何者だ……」
「何者と言われても依頼を受けてこの辺の魔物を狩っていた掃除屋だけど……あっそうだ!これじゃぁ証明になりません?」
俺は懐から1枚のカードを取り出す
「それはギルドカードか?それだけだと……」
俺はカードの裏面を見せる
「!?それはブルーフォレスト王国の紋章!?それに大商会モーノの印!」
「どうぞ、本物か確かめてください」
俺は隊長さんにカードを渡す
「………確かに本物の様です」
カードを返してくれた。そして
「大変失礼しました!助けていただき感謝します」
隊長さんと騎士達が剣をしまい一斉に頭を下げてきた
「私達からもお礼申し上げます」
後ろにいた女性達も近づいて来て優雅に一礼をして感謝を伝えてくる
「この度は窮地を救っていただき誠に感謝を申し上げます」
女性達も頭を下げてお礼を言うてきた
「頭をお上げください。俺はたまたま近くにいただけ、それに襲われている人がいたら助けるのは当たり前です」
「ありがとうございます。申し遅れました私はグリーンウィンド皇国第一皇女ユーフォルディア・エメラルド・グリーンウィンドと申します。」
「助けて下さりありがとうございます。私はグリーンウィンド皇国第二皇女エーデルリア・エメラルド・グリーンウィンドと申します。そして彼女は侍女のリリアです」
侍女が頭を下げる
「皇国の姫殿下様でしたか、礼儀がなってなくてすみません。俺はエルフィンと申します」
以前カーマインから教えてもらった貴族の礼をして応える。無理やり覚えさせられたけど教えてもらってて良かった!
「エルフィン様どうかお気になさらないでください!あなた様は我々の恩人なのですから」
第一皇女さんが俺に頭を上げるように言ってくる
「そうです!エルフィン様は盗賊からそして魔物からも守ってくれました。我々には感謝しかごさいません。」
「ありがとうございます。所でこれからどうされますか?あまりここに留まるとまた魔物が来るかもしれません」
「そうですね…ジュリアン!」
「ハッ!」
名前を呼ばれ隊長らしき女性が近寄る
「この者は私達の護衛騎士を務めるものです」
「ジュリアン・ポリアンサです。よろしくお願いいたします」
「ジュリアン、あなたはどう思い出すか?」
「……ここからですと皇国に戻るよりブルーフォレスト王国の王都を目指した方が近いですし安全だと考えます。」
「分かりました。ではそのように準備を」
「ハッ!かしこまりました」
「あの…亡くなられた騎士さん達はどうしますか?」
俺が着く前に少なからず騎士さん達に死者が出ていた
「残念ですがこのままここに埋めて行く事になります。本当は務めを果たした者たちをちゃんと故郷に帰してあげたいのですが……」
「………そちらがよろしければここにアイテム鞄があります。容量はかなり多めになってます劣化もしませんのでこちらに入れて故郷に帰してあげられませんか?」
「……ありがとうございます。そちらのアイテム鞄お借り致します。」
「エルフィン様、私達の為にありがとうございます」
「いえ、お気になさらずに。王都に向かわれるのでしたら俺も同行しましょうか?」
「よろしいのですか!」
なぜか第二皇女さんの方が声を上げた
「あっ…すみませんユディ姉様」
急に声を出したせいか顔を少し紅くしていた、
「ん?第二皇女様その手は……」
「あ!その先程盗賊に抑え込まれた時に剣が当たったようで……」
「皇女様少し失礼します」
片膝を地面につけ怪我をした手に俺の手を添える、そして反対の手で回復魔法を使い傷口を治療していく
「……これで痕も残らないと思います」
そう言って皇女様の顔を見上げると、顔を真っ赤にしていた
「すいません!気安く触ってしまいました」
「いっいえ!お気になさらず、治療していただきありがとうございます」
顔は依然として紅いままだが許してもらえた。そんな妹を見ながら
「……エルフィン様同行の件どうかよろしくお願いいたします」
姉妹揃って頭を下げてお願いしてきた
「分かりました。では準備が整うまでの間に倒した魔物を回収してきていいですか?一応魔物の討伐依頼で来ているので持って帰って報告しないと」
「でしたら私の部下を手伝わせましょう」
(にしてもワールさんの時と同じ感じで既視感をすごく感じるな……これも天運の効果か?)
こうして各々が準備を始め、完了とともに王都に向けて出発するのだった




