新たな運命交わるフラグP-2
「………ウソ……」
そうつぶやいたクイナが走っていく
「クイナどうした!?」
俺の声にも気づいてないみたいで先程見ていた方向に走っていく。
てかクイナ足速いな!!あっちは運搬通りの方か?ひとまずクイナを追いかける…クイナは荷馬車を見ていたな
《クイナサイド》
「どうしてあの子が……」
クイナは自分の目が信じられなかった…それでも確認するため荷馬車を追いかける。そして運良く荷馬車が止まっていた。すぐさま近づき檻のようになっている荷台を覗きそれを目の辺りにする
「やっぱり!ミーちゃん!」
荷台の中にいる1人の猫獣人の娘に叫ぶ
「ミーちゃん!……ミーちゃん!……ミア!!」
その声に反応して猫獣人の娘が檻越しに近づく
「お姉ちゃん……クイナ……お姉ちゃん」
「よかった!生きてたのね!」
おそらく同じ村の住人であろう2人の感動の再会と簡単にいかず
「オイ!お前何してる!!」
この荷馬車の関係者だろういかつい人物が怒鳴ってくる
「勝手に商品に触るんじゃねえ!」
「彼女知り合いなんです!」
「あん?お前奴隷じゃねぇか!奴隷が意見するんじゃねえ!」
男はいきなり腕を払って来る!クイナは咄嗟に避けるもよろけて転んでしまう、その拍子に
カツンっ!
クイナの頭から髪飾りが石畳に落ちる
「アッ!」
それを拾おうと目を離した瞬間
「どっか行け!オラ!」
男の蹴りが迫ってきていた。避けられないと目を閉じた時、急に浮遊感が襲う。目を開けるとそこには
「急に走り出すからびっくりしたよ」
大好きなご主人様の姿があった
《エルフィンサイド》
「クイナのやつどうしたんだ?急に慌てて」
それは後で聞けばいい、とにかく追いかけよう
「あれか!」
それはクイナが男の腕を避けて転んだ瞬間だった、クイナは何か拾おうとして起き上がるのが遅れる。そこに男の蹴りが迫ってきていた
「クソっ!」
ナイフを投げたんじゃ間に合わないと判断し魔力を脚に集め脚力を高め一気加速する。そのままクイナの背中と足に手を回し抱きかかえてバックステップをして男の蹴りを避ける。
「急に走り出すからびっくりしたよ」
クイナは今お姫様抱っこ状態で顔がとても近くなっていた
「すみません!エル様」
「うん、それでどうしたの?」
クイナに聞こうとしたら
「てめぇがその奴隷の所有者か躾ぐらいしとけ!」
「あぁ?!」
奴隷の地位が低いとはいえクイナをモノ扱いされたようでイラッとした
「てめぇこそ俺の女に蹴り入れようとしてたろが!」
「なんだと!」
今にも喧嘩が始まりそうな時
「なんですか?騒々しですね」
奥から商人らしき人物が出てきた
「ちょっとこいつらがですね」
商人がこちらを覗う
「なんですか?あなた達?」
「すみません、その荷台にいる奴隷はあなたのとこの所有ですか」
「この荷台にいる奴隷はうちの商品ですが何か?」
「えぇちょっと……」
見せてくれないかっと聞こうとした時
「クイナお姉ちゃん!」
「ミーちゃん!」
荷台の檻の中にいる猫獣人の娘がクイナに向かって呼んでいた、だが…
「うるせぇ!奴隷が!大人しくしていろ!」
檻を勢いよく叩く。その拍子に猫獣人の娘は後ろに尻もちを着いて倒れる。
正直服もボロボロで食事もまともにもらってなさそうだな……
クイナに顔を近づけ小声で
「…クイナ、あの子知り合いか?」
「…はい……同じ村の子です」
「…わかった!任せろ」
そう言ってクイナを下ろすと商人に
「そちらの奴隷は商品との事ですが、では売っていただけるのですか?」
「…そうですね、値段によってはお売りしない事もないです」
「ではおいくらですか?」
「これでどうでしょう?」
提示してきた金額は金貨50枚およそ500万円程だった、これは一般的な奴隷の2.5倍の金額になる
「随分吹っかけてきますね?」
「いえいえとんでもない!この娘の怪我を治すのに回復薬を使いましたし私達はこれから国元に帰るとこです。通常の手続きを省くのですからこれくらいは貰いませんと。即金で今お支払いいただけるのならお売りしますダメならなかったことに」
完全に足元を見ている…というかこの商人わざと払えないだろう金額を言ってきてるな…舐められたもんだ
「…その金額で売ってもらえるんですね?」
「えっ?えぇお売りします」
「じゃぁどうぞ」
俺は商人に大金貨5枚を渡す
「えっ?えっ?」
まさか俺が即金で出すと思わなかったのだろう、目に見えてうろたえている
「さぁ支払ったんだ、あの娘をもらおうか」
「えっ…いやっそのですね」
「おいまさか売らないつもりか?あんたが提示した金額だろう」
元々売るつもりはなかったのだろう、そのつもりで吹っかけてきた金額を出したもんだから大慌てだ
「さっきのは嘘か?商人は信用が第一ではないのか?」
そう商人を問い詰めていると
「…確かに商人は信用が大切ですな」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえた
「あっあなたはモーノ商会のワール会長!?」
「あなたは確か連邦の商人でしたね?」
ワールさんの言葉を聞いて馬車を確認すると確かに連邦のマークがあった
「あなたはそちらの奴隷を商品として金額を提示しこの方はその金額を支払いあなたは受け取った。なのになぜ渡さないのですか?」
「いえ!その……元々売るつもりでは…」
「おや?それはおかしいですね……あなたはその金額でお売りすると言っていましたよね?それなのに払ってから売らないとは…それでは詐欺ではないですか」
「そんな!滅相もない!」
「これは私の商会もあなたとの取引を考えなければ行けませんね」
「!?」
王国一の商人であるワールさんを敵に回す、それはフォレスト王国で商売が出来なくなる事を意味する。その為連邦の商人も青ざめ始める
「分かりました…お売りします…」
商人も観念したのか手下らしき者に指示を出し猫獣人の娘を荷台から下ろす
「クイナお姉ちゃん!」
「ミーちゃん!」
俺の横で二人が泣きながら抱きしめ合っていた
「それでは奴隷契約の方を……」
連邦の商人がそう言ってきたが信用ならないので
「あぁ結構です。別の方に頼みますので…ワールさんお願いしてもいいですか?」
「えぇ構いませんよエルフィン殿、近くに私の商会の倉庫がありますのでそこの個室で行いましょう」
俺がいきなりワールさんと親しげに会話をしだしたので連邦の商人は驚きまくっている。でも相手にするつもりはないのでとっとと離れることにする
「クイナ、その娘連れて来てね」
「はい、エル様!…ミーちゃん歩ける?」
「うん……大丈夫……」
一応知り合いであるクイナがいるので大人しくついて来るがその足どりはやや弱々しい…やはり十分に食事をもらえていなかったのだろう。連邦の商人の方を見るとこちらをじっと見ていた…念の為警戒はしとくか…
少し歩くとすぐにワールさんの倉庫についた…ついたけど
「あそこの少し大きめの建物がうちの倉庫になります」
「少し?」
明らかに周りの倉庫より2、3倍でかいんだが……気にしたら負けな気がするのでスルーしよ……
ワールさんの案内で個室に通される
「さてと!クイナ、その娘の名前は?」
「この娘の名前はミアと言います」
「確か同じ村の出身だったよね?」
「はい、私の家の近所に暮らしていて歳は私より少し下でもうすぐ15才の成人を迎えます」
同じ村の出身という事は
「ワールさん、これは俺の所にいる方が安全ですかね?」
「クイナさん同様にそれが1番安全でしょう」
「やっぱりそうですか…ミアちょっといいかい?」
猫獣人の娘に話しかけるとクイナの後ろに隠れてしまった
「ミーちゃん、この方は私のご主人様でとてもお優しい人だから大丈夫よ」
クイナに諭され後ろから出てくる
「ミア、現状的に君を1人にするのは大変危ない様なんだ。クイナと一緒に俺の所にいる方が安全だ。俺の所有奴隷という事になれば余計なちょっかいを出さないと思うんだがいいかな?」
ミアはクイナの方を見る、するとクイナはコクンッと大きく頷いた
「……はい、クイナお姉ちゃんと同じなら……」
「わかった、ワールさんお願いします」
「ではすぐに準備します」
そお言うとワールさんはクイナの時と同じ様に魔法陣を展開させる
「エルフィン殿、こちらをクイナさんの時と同じ様にはめてください」
ワールさんが奴隷の輪を渡してきた。俺はそれをミアの首にはめる、するとクイナの時の様に光り始め同じ様に指も光り出し輪っかができる。そして光りが収まり始めた…ただクイナと違ったのはミアの奴隷の輪は黄色い色でそこには向日葵の模様が浮かび上がっていた
「これで奴隷契約は終了しました」
「ありがとうございましたワールさん、代金の方は?」
「ハハハッこのぐらいの事でエルフィン殿から代金は頂けませんよ」
「それだとなんか悪い気がします」
「大丈夫ですよ、実は昨日の加熱パイプも上手くいきそうなのでまたうちの商会も潤いそうなんですよ」
昨日の今日ですごいな……これが一流の商人か……
「すみません、ワールさんもう少しこの部屋お借りしてもいいですか?」
「えぇ大丈夫ですよ」
「クイナ、ミアの身体を拭いてあげてくれる?」
おそらく身体も満足に洗えてないのだろう、色々と汚れが目立つのでタオルと石鹸、桶を出し水を入れてやる
「はい、エル様お任せ下さい」
「ワールさん、お礼代わりにいくつか考えている魔法具があるのですが」
「なんですと!では早速あちらで聞きましょう!」
ワールさんの目付きが獲物を狙うが如く鋭くなった。今日はワールさんのおかげで大事にならずに済んだからこれくらいは返さないとな…
個室の近くにある椅子に座ってワールさんと新たな商品について話し始める
「……なるほど…私共ではその発想はなかったですね……」
「ですのでこうすれば大分作業が楽になるかと」
ワールさんと話し始めて少したった頃に個室の扉が開き
「…あの〜…エル様すみません…少しよろしいですか?」
「うん?どうした」
ワールさんが行ってあげて下さいっと言ってくれたのでクイナと個室に入る
「どうしたんだいクイナ?」
「はい、その…」
そう言って椅子に座るミアの方を見る、それを追って俺もミアを見るとミアがビクッと身体を震わせる。それを見てクイナが
「大丈夫、エル様はあなたに危害を加えることはしないわ」
そう言いながらミアの頭を抱きしめる
「だからちょっとエル様に見てもらいましょう」
ミアが後ろを向きクイナがミアの背中が見えるように服を上げる、するとそこには
「これは……」
背中には大きく火傷の後が残っていた…おそらくクイナ同様に逃げる時に負ったのだろう
「…回復薬は使ったようだがこれは安物もいいとこ、ほとんど効果が出てないな」
血は止まっているが所々化膿しているこれでは服が擦れるたびに痛みが走るはず……
「少し触るぞ…」
軽く触ると
「!?…グッ………」
「!すまん……」
ほんとに軽く触れただけなのにこの反応…クイナの時はすでに痛みをこえて麻痺していたが痛覚が残っている分、苦痛も相当だ
「エル様お願いします!ミーちゃんを治してあげて下さい。私が何でもしますので!」
クイナが必死に懇願してくる。そんなクイナの頭を撫でながら
「新しい家族ができるんだ。任せなさい、それにクイナは十分やってくれているから今のままでいいんだよ」
「ありがとうございます!エル様」
「…クイナお姉ちゃん…」
俺とクイナのやり取りで不安になったのかクイナの方を心配そうに見ている
「大丈夫だよミーちゃん…私もあの出来事で大怪我をしたけどエル様に助けて頂いたのよ」
「ミア…俺に任せてくれないか?痕も残さず治してみせるから」
「…はい…お願いします…」
その言葉を聞いて俺は火傷に万能回復能力を使う、普通の回復魔法だと時間がたってる上に中途半端に回復薬を使ってるので皮膚が固くなったり歪んだりするからだ…相手が女の子である以上そういった傷は残したくなかった
「………よし!完了!」
「えっ?」
ミアは自分の背中に痛みが無い事に気づき手で確認する。俺はクイナに手鏡を2枚渡し背中が見えるようにしてやる
「すごい……痕も残ってない…」
「やっぱりエル様はすごいです」
そして痛みが無くなったことで余裕ができたのかミアが急に
「アッ!ご主人様!奴隷の私の傷を治していだだきありがとうございます!」
そう言いながら床に座りお礼を言い始めた
「あぁ気にしなくていいから座りなさい」
するとそのまま床に正座して座る
「……言い方が悪かった…椅子に座って」
「えっ……でも…」
どうしようって感じでクイナに目線を向ける、クイナはそれに笑顔で応え頷く
「では失礼します…」
ミアが椅子に座ったとこで
「クイナの時も言ったんだが俺は奴隷としてではなく女性として扱うからな、だから変に気を使う必要もないし何かあったら言ってもらって構わない」
奴隷商人がそう教育するからかそれとも奴隷がどういう身分かという知識があるせいか、奴隷に落ちた者はなんて言うか卑屈だ
「えっと分かりました。ご主人様」
「あぁそれと俺の事はエルと呼んで構わない。俺と一緒に住む以上ミアも家族だからな」
その言葉に喜びを隠せずにクイナがニコニコしている
「……はい、えっとエル兄様…」
「ごはっっ!!」
「アッすみません!」
「な、なんで兄様?」
あまりに予想外の呼ばれ方をして心臓が止まるかと思った、ある意味必殺攻撃だぞ!
「えっ、だってクイナお姉ちゃんはお姉ちゃんだし…だったらなんとなく…ダメでしたか?」
「いや…ダメじゃないけど…まぁミアがそれでいいならいいよ」
「ほんとですが!ありがとうございますエル兄様!」
「うん、元気が出てきたみたいでよかったよ」
さてとあまり長いとワールさんの迷惑になるしそろそろお暇しますかな
そして個室を出たらワールさんは先程話していた所で待っていてくれた
「ワールさんありがとうございました」
「なんのこれくらい!おかげさまで新しい商品も出来そうですし」
さすが一流商人行動力がすごい……ついでに聞いとくか
「ワールさんちょっと聞きたいんですけど…」
「はい、なんでしょうか?」
「奴隷制度なんですが、クイナやミアはまともなやり方で奴隷になってないですよね?」
「その事ですか……確かにクイナさんとそちらのお嬢さんも連れさらわれて奴隷にされた可能性が高いでしょう」
「でしたら奴隷身分になるのは不当では?」
「確かにそうですが生きていく上で身づから奴隷になる者もいます」
「自分から!」
「借金をしてしまい返す目処がたたず奴隷になりその売却金で返済するからです。クイナさん達もその類の者達であるといえばどうしようもなくなります」
「でも彼女達は魔物氾濫の被害者ですよ」
「それが問題なのです。その事で彼女達の村は壊滅しましたそれにより被害者である事の証明…身内や村人達の確認が取れないのです。ですので所有している商人が借金奴隷だと言ってしまえばそうなってしまいます。ちゃんとした証拠がなければ訴えられるのはこちらになりますから…それに中には自分はさらわれたんだと主張してくる借金奴隷もいますので」
「そうですか…分かりました。どうもすみませんワールさん」
「いえいえ、これは奴隷制度における長年の課題でもあるんです。奴隷制度をなくせばいいという声もありました、ですが奴隷は大切な労働力ですし借金苦での自殺防止を兼ねています。さらに犯罪奴隷は懲役の意味合いもあるので大変難しい問題なのです」
奴隷になる事で命が助かる事もある、奴隷を所有する者は衣食住の義務があるから餓死する事はなくなる。犯罪奴隷以外は主人によっては働きによって奴隷から解放してもらえることもある。これは簡単な問題じゃないな…
「ワールさん今日はありがとうございました」
「また何かありましたらいつでも来てください」
ワールさんにお礼を言い倉庫をあとにする
「さてと、とりあえずミアの服を買いに行くか」
「えっ?奴隷の私が服を貰えるのですか?」
「当然!アッ、お金がかかるとか考えなくていいぞ!俺が見たいだけだから」
その言葉にクイナがクスクス笑っている。俺が余計な心配をしないでいいように言ったのバレてるな……
そんな訳であの店に向かう
「おネエ様います?」
「はぁ〜い!あらエルフィンちゃん忘れ物?」
「いやちょっと新しい家族を迎える事になったので服を一式揃えて欲しくて」
そう言うとクイナとミアがお店に入って来た。ミアは初めて見るマーメイドの店長にびっくりしてクイナの後ろに隠れてしまった。
初見はびっくりするわな………
「あら可愛い子!任せて!ついでに身体全体も洗って綺麗にしましょう!」
そしていつも通りに手を鳴らす。するとこれまたいつもの女性スタッフが現れて
「あなた達!この可愛い子ちゃんを綺麗にして差し上げて!」
女性スタッフに拉致させて行く
「クイナお姉ちゃ~~~ん!」
「はは…クイナ一緒に行ってあげて……」
「あはは…そうですね…」
クイナが急いであとを追って行く。
「おネエ様さすがに可哀想なので普通の服をお願いします」
「あらそう?残念」
言わなかったら何着せてたんだよ………まったく……
そんなやり取りをしている時だった
「ん?」
「どうかしたのエルフィンちゃん?」
「どうやら害虫駆除が必要らしいです……おネエ様ちょっと二人をお願いします。すぐに戻るので」
「……わかったわ。気をつけてね!」
二人をエリザベス店長に任せて店を出る、そして路地裏に入っていく
(倉庫を出た時から後をつけてきていたが結構集めたな…検索能力で確認した所ざっと10人程か…)
人気のない所に出てから
「おい!居るのはわかってんだ、出てこいよ!」
そう言うとぞろぞろと男達が出てくる
「勘はいいみたいだな!兄ちゃんよぉ」
こいつ連邦の商人といたクイナを蹴ろうとした奴か……
「それでなんの用だ?俺は忙しいだ」
「何、時間はとらせねえよ、お前が俺達への詫び代を出せばな!」
何を言ってんだこのバカは……
「詫び代?なんの事だ?」
「とぼけんなよ、俺達に恥をかかせた事だ」
「馬鹿か?あんたらが金額を提示し俺はその金額を支払ったんだ、見当違いもいいとこだ」
「強がんなよ!この人数相手に生きて帰れると思うな!」
「残飯が集まったとこで生ゴミにしかならねぇよ」
その言葉に男もキレる
「お前らこのガキぶっ殺せ!!」
男の合図で周りを囲んでいた男達が襲ってきた。さすがに弓だと効率が悪いので近接戦闘に切り替える
「ギャッ」「いでぇ」「グワァ」
俺はナイフを投げて攻撃する
「投げナイフ使いか…だがこの人数は捌けまい!」
すぐさま4人程襲ってきた!………だが
「「「うぎゃ〜」」」
男達がうずくまる
「な!なんだそれ!なんで…なんでナイフが浮いてる!?」
今、俺のナイフは指先からぶら下がったように浮いている…
実際は指先から魔力の糸を作りナイフに巻き付けて振り回している状態で簡単に言えば鞭の先にナイフが付いている感じであるそれを片手に2本づつ計4本で戦っている。この状態だとナイフを投げても魔力で繋がっているのですぐに収納に回収出来る、最大で指1本づつ計10本まで可能で投げてもある程度向きを操作可能である。ちなみに魔力の糸を太くして固定し鉤爪見たいにすることも出来る。俺はこれを『傀儡の短剣』と読んでる。
そんなこんなで暴れた結果…男達ノックアウト一応殺してない
「こいつらどうしよかな?」
ナイフで刻まれて動けなくなっている男達を見ていると
「おい!なんの騒ぎだ」
誰かが呼んだのだろう数人の警備兵がやって来た
「た!助けてくれ!あいつに襲われた」
このバカ、大人数で襲って来てよくもぬけぬけと……
警備兵は辺りの惨状を目の辺りにして
「そこの君!我々について来てくれるか?」
警備兵の言葉に男がニヤっと笑う
さてどうしたものかと考えていると
「すまない、通してもらえるかな?」
「あっあなたは!」
明らかに身分が高そうな人がきた…てかあの服どこかで見た気が……それにこの人も見覚えがある……
「エルフィン殿あの御方の指示で参りました」
(あっ思い出した!この人カーマインの部屋に女医さんを連れて来た人でカーマインとよくいる人だ!)
「私は第三騎士団団長キースと申します。エルフィン殿何があったか御説明頂いてもよろしいですか?」
俺はキース団長に事の経緯を説明した
「……なるほど、分かりました。警備兵!この者たちを全員連れて行け」
「なっ!俺達の言い分を聞け!くそっ……いでぇッ」
暴れようとする男達を警備兵と団長と一緒に来た騎士団の人達が連行して行く
「助かりました。ありがとうございます。けどなぜ騎士団長みたいな偉い人がここに?」
「はい、実はワール会長から連絡がありましてガラの悪い者達がエルフィン殿に喧嘩をふっかけるかもしれないと」
ワールさんには本当に助けられてるなぁ……
「それに殿下からも……」
「カーマインから?」
「あいつは絶対何かやらかす!責任は持つから可能な限りフォローしてやってくれっと頼まれました」
「問題起こす前提で対策取られてなんか複雑な気持ちです」
いやまぁ実際助かってるから文句は無いけどさぁ……なんかちょっと…
「ハハッ!殿下はエルフィン殿の事が心配なだけだと思いますよ」
「そうですかね?」
「そうですよ!ところでエルフィン殿お待ちの方がいるのでは?」
「あっいけねぇ!クイナ達待たせたままだ!」
「ここの事は私がやっておきますので大丈夫ですよ、戻ってあげて下さい」
「よろしくお願いしますキース団長!ありがとうございました」
キース団長にお礼を言って急いでマーメイドに戻る
「ごめん!おネエ様、遅くなった」
「エル様!」
店に謝りながら入るとクイナにいきなり抱きつかれた
「っとっと!どうしたクイナ?」
俺が頭の上に?マークを出しているとエリザベス店長が
「ふふっクイナちゃんったらエルフィンちゃんが知らないうちにいなくなってたから心配で心配でしょうがなかったみたいよ」
「あぁごめんクイナ…ちょっと害虫駆除じゃなかった用事を済ませて来たんだ」
クイナに謝りながら抱きついたままのクイナの頭を撫でてやる
「エル様がご無事で……いなくならなくて良かったです……」
「大丈夫、クイナに黙っていなくなったりしないよ」
「………でも今何も言わずにいなくなりました」
「うぐっ……ごめんなさい…以後気をつけます」
「ふふっ」
クイナに再度謝ると解放してくれた
「そういえばミアは?」
「いますよ。ミーちゃんこっち来て」
すると奥から可愛らしい美少女が現れる。ボサボサで汚れていた髪は綺麗に洗ってもらっていて最初は黒色かと思っていた髪は汚れが落ち赤色を帯びた黒髪だった。その髪を肩口で切りそろえられセミロングヘアーになっていた。そして服はどこか活発そうな雰囲気の服装に揃えられていた
「おおおぉ!ミアとっても可愛くなったな」
「あ、ありがとうございます…エル兄様…」
俺の言葉にテレていた。その仕草がまた可愛いな
「よかったねミーちゃん!」
「うん!クイナお姉ちゃん!」
「さてと服はこれでよし!あっワールさんにベッド頼んどけばよかった!とりあえずミアはどこで寝てもらうかな……」
「床で大丈夫です!」
「いやさすがにそれは……」
俺が考えていると
「でしたらミーちゃんは私のベッドで寝てください」
クイナが提案してきた
「でもそれだとクイナお姉ちゃんの寝るところがないよ!」
ミアがすぐさま反論する、しかしクイナはニッコリ笑顔で
「大丈夫!私はエル様と一緒に寝るから!」
「………えっ?」
「……………あっ……!?」
「あらまぁ」
クイナが自分の発言に固まり、ミアが止まり、店長が笑顔で言葉を発し、女性スタッフ2人は後ろでニヤニヤしていた。
そしてクイナが油のさしてない機械のようにギギギッと顔をこちらに向け俺と目があった瞬間、ボッと顔が紅くなる
「エル様ちがう……いやちがわないけど……でもその……なんと言うか……だから」
完全にパニック状態になっていた
「あうぅぅ~~~」
「あっオーバーヒートした」
顔を両手で隠しプシュ〜〜と頭から何か抜けていくように大人しくなる
そんなクイナの頭を撫でながら
「まぁそういう事らしいからミアはクイナのベッドを使ってくれ」
「わかりましたエル兄様」
ミアが苦笑しながら見ていた。俺はクイナの耳に顔を近づけてクイナだけに聞こえるように
「せっかくだし少し大きめのベッドを買うか?」
俺の言葉にクイナはこちらを向いて恥ずかしながらもゆっくり頷く
その後ミアの服の代金を支払いアイテム鞄に入れて店長にお礼を言う
「おネエ様色々ありがとうございます」
「いいのよ!エルフィンちゃんはお得意様だものまた新作入れとくから来てね」
おネエ様にウインクされながらお店を出てそのままワールさんの商会に行きベッドを注文する。ただ大きいベッドを頼むと今の部屋だと狭くなるので俺とクイナの部屋の壁を撤去してひとつの大きい部屋にする事になった。ベッドは出来上がるまで5日はかかるそうなのでそれまでに壁の工事をしてもらう事に。ひとまず前金を渡し残りは完成後に支払うことにして商会を後にした。
「帰ったらミアの部屋の準備と服なんかの整理をしないとな」
「私にも部屋があるのですか?」
「うん、着替えたりするのに自分の部屋があった方がいいからね」
「ありがとうございます」
「あと何か忘れているような………」
「エル様、ガラムさんの所に包丁を取りに行きませんと」
「あっそうだ!取りに行かんと親方さんに怒られる!」
時刻はすでに夕方になっていたので駆け足で親方の所に行った。店を閉める間際にどうにか間に合い包丁を受け取る。フリスさんが親方を迎えに来ていたのでミアを2人に紹介して家に帰った。にしても親方とフリスさんは仲がいいな……
「ミア、ここが俺達の家だ」
「ふあぁ!大きな家……」
「さぁ入ろうか」
そして家の中に入り今日買ったものを出して整理する
「クイナ、夕飯はどうする?食べに行く?」
「いえ、せっかく新しい包丁を貰いましたので私がお作りしてもいいですか?」
「クイナの手料理か!それは楽しみだ」
「お姉ちゃん、私も手伝うよ」
「うん!ミーちゃんお願いね」
「だったら任せていいか?ちょっと作っときたい物があるんだけど……」
「はい!わかりました。出来たらお呼びしますね」
「あぁ頼む!」
2人に食事の準備を頼み俺は錬金工房に向かった。
クイナとミアは今日買った材料をしまいながら料理の下ごしらえを始める
「ふん♪ふんふん♪ふ〜〜ん❤︎」
「お姉ちゃん、ご機嫌だね」
料理を作り始めてからのクイナは終始笑顔だ
「だってエル様に初めて私の作った料理を食べて貰えるんだもの!」
「ねえクイナお姉ちゃん?」
「な〜にミーちゃん?」
「………今、幸せ?」
「エル様と出会えてミーちゃんとも再会できてとっても幸せ❤」
その笑顔はミアが今まで見てきたクイナの笑顔の中で一番の表情だった
(お姉ちゃんは本当にエル兄様が大好きなんだ……)
そう思いながらミアはクイナの料理を手伝うのだった
一方錬金工房に行った俺は
「親方に予備も含めて2個作ってもらっててよかった……」
俺は親方に包丁と一緒にある物を作って貰っていた
「今日の出来事を考えても用意しといた方がいいよ……」
独り言を言いながら作業台に座る
「さてと料理が出来るまでに終わらせるかな」
俺は早速作業に取り掛かるのだった………
それからある程度時間がたった頃
「ミーちゃん、私が食事を並べて置くからエル様を呼んできてくれる?」
「うん!わかった」
ミアが錬金工房に向かい
「エル兄様、食事の準備が出来ました」
「…おぉわかった!こっちもちょうど終わったとこだ」
俺はミアと一緒に食事を食べる部屋に向かう
「おおおぉ!これは美味そうだな!」
そこには食堂にも引けを取らないとてもいい匂いのする料理が並んでいた。
ただミアがクイナのところに行き
「お姉ちゃん!なんで3人分並んでるの!」
「それは私達の分もあるから」
「えっ?でも私達は奴隷……」
「あ〜〜、なるほど…ミアそれは気にしなくていいよ。俺は一緒に食べる方が好きなんだ、だからこれからも気にせず皆で仲良く食事をしよう」
「は、はい……」
俺が椅子に座ったのを見てクイナ達も座る
「食べる前に二人にこれプレゼント!」
「?エル様これは?」
「ミスリルのブレスレット」
「ミ!ミスリル!」
二人がびっくりしている。まぁ驚くのは無理もないミスリルは割と高級品、金貨が何枚も飛ぶ
「クイナには初デートの記念に、ミアには家族となった祝いに」
「こ、この様な高価なものを私達に!?」
クイナはまだびっくりしていてミアは驚きすぎで固まった
「ちなみにそれには対物理障壁と対魔法障壁が付与それていて自動で防いでくれる、結構強めにかけたから大抵の事は防いでくれるよ」
「エル様、それで錬金工房へ?」
「俺と一緒の時はいいけど離れている時があるからお守り代わりにね」
クイナ達はブレスレットを見つめ、そして
「ありがとうございますエル様!大切に身に付けさせて頂きます」
「ありがとうございますエル兄様!大切にします」
「あぁ!それじゃ食事にしよう。せっかくの料理が冷めてしまう!」
「「はい!」」
「ではいただきます」
手を合わせて言うとクイナ達に不思議がられた
「エル様、それはなんですか?」
「ん?これか?これは料理を作ってくれた人への感謝、食材を作っている人への感謝、食べ物への感謝を込めていただきますって意味で俺の故郷の風習みたいなものだな」
「へぇなんかいいですね。では私達も」
クイナとミアが目を合わせ、そして
「「いただきます!」」
それから3人での食事が始まった…
「どれも美味いな!特にこのシチューは最高!」
「本当ですか!よかったです❤」
「クイナお姉ちゃんの料理は村でも評判がよかったから」
「へぇ〜そうなんだ。確かにこんだけ美味ければ評判になるだろう」
「ありがとうございます!でもミーちゃんが手伝ってくれたおかげだよ」
「私は下ごしらえを手伝っただけだよ」
「ははっこれなら毎日食事が楽しみだ」
「わかりました!頑張ります」
「でも毎日は疲れるだろうからたまには外のレストランとかに食べに行こうか」
「お気づかいありがとうございます」
和気あいあいとしながら食事をしていった。最後にごちそうさまでしたと言ったら同じ様に理由を聞かれたので説明した。それ以降は食事の前後の掛け声は習慣になっていった
「食器洗いしときますね」
「じゃぁ俺は風呂のお湯を入れとこう」
「えっ!エル兄様自らやるのですか?」
「まぁ自分で出来ることはな、ミアはクイナを手伝ってあげて」
「わ、わかりました」
そして風呂場に行きお湯を入れておく
「クイナ、ミア!俺は錬金工房の片付けをするからそれ終わったら先に入っちゃって」
「はい!エル様」
「はい!エル兄様」
俺は錬金工房の片付けに行く……洗い物を終えた二人は
「ねぇお姉ちゃん、本当に私達が先に入っちゃっていいの?」
「大丈夫よ、エル様がそうおっしゃったのだから」
「エル兄様ってなんか変わってるね」
「ふふっ、とてもお優しい方なのよ」
二人はそんな会話をしながらお風呂に入りに行くのだった……
その後、お風呂で身体を温めた二人は
「エル様お風呂終わりました」
「俺ももうすぐ終わるからそれから入るよ。二人は先に寝ててもいいよ」
「「はい、わかりました」」
二人は部屋に向かって行った、片付けを終えると俺も風呂場に行き湯船に浸かって1日の汚れと疲れを癒す
「ルナさんが言ってたのは確実にミアの事だよなぁ」
日中に行った神殿での事を思い出す、新たな運命…天運のおかげでクイナの知り合いであるミアを助ける事ができた、あのまま連邦に連れて行かれてたらどうなっていたことか……救えてよかった
風呂場で身体も心もさっぱりさせて部屋に戻るとクイナがマーメイドで買ったバスローブを羽織ってベッドに腰掛けていた
「クイナ、まだ起きてたの?」
「はい!エル様にどうしてもお伝えしたいことがあって」
「伝えたい事?」
そう言うとクイナは立ち上がり
「今日はミアを助けていただき本当にありがとうございました」
「クイナの知り合いなら助けるのは当然さ、まぁまさかデートの最中にこんな事になるとは思わなかったけどね」
「私もまさかミアがとは思いました。あの時は突然離れて申し訳ありませんでした」
「親しい友達があんな形で見つけたら当然の行動だと思う、だから気にしなくていいよ」
「はい!ありがとうございます」
そしてクイナが急にモジモジし始め
「…あの…エル様、今日寝る前にお願いがあるのですが……」
「ん?どうした」
するとクイナはバスローブを脱ぎ始める
「そ!それは!」
「はい!エル様に初めて見て頂いた服です」
そこにはマーメイドで見たネグリジェ姿のクイナが!どこに言ったかと思ったらすでにクイナが持っていたか……
そしてクイナは顔を紅くしながら……
「エル様…今日1日の最後に私を可愛がっていただけませんか?」
限界解除!出力最大!!俺発進!!!
そんな可愛い事言われて我慢できるか~~~!!!
結果、めっちゃイチャイチャしました。萌えた!




