プロローグ
「あ、見えてきたみたいですよエルフィン殿」
馬車の中で話していた男性が窓の外を見ながら言ってくる。その言葉を聞いて外の方を見る。
「うおおおお!こりゃすげぇ!クイナお前も見てみろよ!」
となりに座っている人物に声をかける、すると近く寄って来て一緒に外を眺める。
「ふぁああ、きれい」
二人の視線の先には広大な湖に壮大なお城そして青と白を特徴とする城下町が広がっていた。
「気に入っていただけたようで嬉しいです」
先程、話していた男性が語りかける
「あちらがブルーフォレスト王国王都ブルースフィア、湖の方にあります
お城がスカイキャッスルになります」
まさに圧巻っと言っていい景色がそこにはあって魅了する。ただ少し気になった事聞いてみる。
「なぜスカイキャッスルなんですか?王国王都の名からするとブルーって付きそうな感じですが?」
男性に聞くと、
「あぁ、それはですね。うん、今日は天気もいいし風も少ないからちょうどタイミングが良いかもしれんませんね」
「??何がですか?」
「その問いに答えるのにとてもいい場所があるんです。ちょっと寄り道しますね。」
そう言って馬車を運転している人に指示を出している。そして周りで護衛していた人達にもなにか声をかけている。先程、一緒に外を見ていたクイナも俺も訳分からん状態ながらとりあえず寄り道とやらに従う。しばらくすると分かれ道があり緩い坂道を登って行く、そこは道がきれいに整備されていて坂道を登りきると開けた場所に出た。
「目的の場所はこの先になります。ここからは歩きでしか入れませんので馬車を降りて行きましょう」
男性が馬車を降りて行くので俺も後を追うように降りる、次にクイナが降りようとするが途中でバランスを崩し落ちそうになる。
「アッ!?」
「おっと!危ない!」
すぐに反応して腕を伸ばして身体を支えて助ける。
「大丈夫か?怪我はないか?」
助けた人物、クイナが答える
「はい、大丈夫です。お手を煩わせて申し訳ございません」
「気にするなまだ怪我が治ってそんなに時間がたってないからな無理はするなよ」
「ありがとうございます」
心配になった俺はいい事思いついたとばかりに手を差し出す。
クイナは意味がわからず頭の上で?マークを出している
「お前が心配だから手を繋いで行こう」
するとクイナは頬を紅く染めて
「いえ、そんなご迷惑をおかけするわけに」
「いいからいいから、こうしとけば安全だ」
クイナの手を握ってニカッと笑顔で答える
恥ずかしながらも嬉しそうに手を握り返してコクンっと頷く
「それじゃぁ行こうか」
手を優しくひきながら待っていた男性のもとに行き目的の所へと向かう
しばらく進むと開けた場所に着いた、ベンチなどの座る場所が設けられておりとてもきれいに管理されているのがわかるそして男性が
「そこの展望台からの景色を見れば先程の答えがわかると思いますよ」
促されるままにクイナと一緒に展望台へと向かうそこからの景色を見て男性の言ってる意味が分かった
「確かにこれはスカイキャッスル《天空城》だな」
そこからの景色には城を囲む湖に空が写し出されてあたかも城が浮いてように見える風景が広がっていた、クイナの方を見るとあまりの絶景に感動して言葉を失っていた。
城からは陸地に向かって幅が広く長い石造りの橋がかかっていてここからだとさながら空に向かって昇る階段のようにも見える、城下町は湖にそって半円形のような形で造られているみたいだ
「ここから見て橋の根元にあります丸く開けた所が中央広場、正面の大きめの通りが商店が並ぶ商店通り、向かって左側が鍛冶師など物作りを生業とする者達がいる生産通り、右側は生産通りで造られた物の運搬や馬車の待機所、倉庫などがあります」
案内してくれた男性が王都の説明をしてくれる
「城壁の外にあるのは?」
「あちらでは畑などの農地や放牧などをおこなっています」
説明を聞いていると突然風吹いた、横で「キャッ」っと声がしたので振り向くとそこには風で被っていたフードが取れて可愛らしい耳がピンっと立ち、茶金色…黄昏のようなきれいな髪を風によって流されている狐獣人の美少女が立っていた。